カー用品・パーツ
更新日:2019.08.10 / 掲載日:2019.08.10
【グー連載コラム】PARTS COLLECTION (2019年8月)

連日報道される踏み間違いによる凄惨な事故。自動車を運転する人であれば誰でも直面する可能性がある問題だ。そんな中、誤操作による急発進を抑制する装置に注目が集まっているので紹介しよう。
(掲載されている内容はグー本誌2019年9月号の内容です)
誰にでも起こりうる踏み間違い 後付け装置で危険を回避
誰にでも起こりうる踏み間違い 後付け装置で危険を回避
ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故が世間を騒がせているが、ここ最近になって急激に増えたかと言えばそうでもなく、多くのメディアが大々的に取り上げた池袋暴走事故を皮切りにこの手の事故がフォーカスされやすくなっているためにそう感じてしまう。
この手の事故で槍玉に挙げられるのが「高齢者」だが、警視庁による踏み間違い事故のデータを確認すると、意外にも10代から20代による踏み間違い事故の発生件数がかなり多い。恐らく免許を取ったばかりで運転に慣れていないからだと推測される。しかしこのデータは「踏み間違いによる事故発生件数」であって「踏み間違いによる死亡事故の発生件数」となると、75歳以上の高齢者がダントツだ。ではなぜ高齢者の踏み間違いによる死亡事故が起こりやすいのか。
実は踏み間違いは年齢に関係なく起こりうる事象で、筆者も実際に踏み間違いをした経験がある。アクセルとブレーキはどちらも「踏む」という行為なので、間違いだと気づいたときにはクルマが動き出してしまう。大事なのは踏み間違いをしてしまった後で、即座にブレーキを踏むことができれば大きな事故にならずに済む。人間は高齢になるに連れて反射神経が鈍ってしまい、即座にブレーキを踏むことができなくなってしまうので、ブレーキが間に合わず大きな事故に発展してしまうというわけだ。
こればかりは本人が注意をしていても100%防ぐことはできない。なので今、後付けの踏み間違い防止装置が注目されている。
踏み間違い防止装置とは、誤ってアクセルペダルを強く踏み込んでしまった際に、車両側の車速・ブレーキ信号を検知し、アクセル開度を電気的に制御して誤発進を防止するシステムだ。
最近では、東京都の小池百合子知事が大手カー用品店オートバックスにて急発進防止装置「ペダルの見張り番2(データシステム製)」を搭載した車両の試乗を行ったり、購入・取り付け費用の9割補助を表明するなど、ペダルの踏み間違い防止対策に関して前向きな姿勢を示している。
さらに「交通事故死傷者ゼロ」を掲げる自動車メーカートヨタでは、2018年より展開してきた後付けの「踏み間違い加速抑制システム」を5車種から順次12車種まで拡大すると発表している。
今後さらなる高齢化社会が進むと言われている日本なだけに、このような事故が増えてくると予測される。自分の親や祖父母などが加害者にならないように、こういった装置の取り付けを勧めてあげることが大切なのである。
データシステム ペダルの見張り番2
3万2399円
データシステム ペダルの見張り番2
アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故を未然に防ぐセーフティーアイテム。アクセル信号を常時モニターし、停車時または徐行時にアクセルペダルが急激に踏み込まれた際、アクセル信号をキャンセルし急発進を防ぐことが可能。オートバックスでは工賃込みで約4万円程度だが、東京都の場合、東京都高齢者安全運転支援装置設置補助制度により費用の9割が補助される。
データシステムTEL.086-445-1617https://www.datasystem.co.jp/
トヨタ 踏み間違い加速抑制システム
5万5080円
車両前後に取り付けた超音波センサーにより、前方または後方約3m以内にある壁などの障害物を検知し、ブザー音で注意喚起をする。それでもブレーキと間違えてアクセルを強く踏み込んでしまった際には、加速を抑制し、衝突被害の軽減に貢献する。また後退時は、障害物を検知していない状態でも、約5km/h以上でアクセルを踏んだ場合、速度が出過ぎないよう加速を抑制。6月には「ポルテ/スペイド/ウィッシュ」の3車種に設定を拡大。10月には「カローラアクシオ/フィールダー/パッソ」など拡大する予定だ。
問◎トヨタお客様相談センターTEL.0800-700-7700 https://toyota.jp