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更新日:2025.09.03 / 掲載日:2025.09.02

目指したのは「雪でも走れる夏タイヤ」【ミシュラン クロスクライメート3】

文●内田俊一 写真●ユニット・コンパス、アウディ、メルセデス・ベンツ、BMW

 日本ミシュランはオールシーズンタイヤ、ミシュランクロスクライメートシリーズの最新モデル、クロスクライメート3とハンドリング性能を意識したクロスクライメート3スポーツを発表。どちらも10月1日より販売を開始する。

雪も走れる夏タイヤ

 クロスクライメートシリーズは、ミシュランが提案するオールシーズンタイヤカテゴリーに属し、スノーフレークマークがあることから高速道路の冬用タイヤ規制時でもチェーン装着なしで走行が可能なタイヤである。

その最新タイヤ、クロスクライメート3の開発で大きく影響したのはオールシーズンタイヤ市場の成長と成熟に伴う消費者意識の変化だ。2021年と2024年に実施した調査結果によると、オールシーズンタイヤ購入時の重視点で大きく変化したのは、夏タイヤで特に重視される快適性が、オールシーズンタイヤでもトップになったことだ。さらに低燃費性能が新たに上位にランクインした点も見逃せない。

 このニーズの変化から読み取れることとして日本ミシュランタイヤ株式会社マーケティング部ブランド戦略マニュアルの秋山孝之氏は、「冬の雪道を走れるという性能はすでにオールシーズンタイヤの前提条件として認められている」と分析。そこで、「夏タイヤに近い快適性や低燃費性能を兼ね備えた、総合的にバランスの取れたオールシーズンタイヤが求められている」と結論付けた。

 そうして開発されたクロスクライメート3の特徴は大きく3つ。1つ目は高いロングライフ性能だ。クロスクライメート2から対摩耗性能を向上させたことで、夏の雨でも冬の急な雪でも安心感がより長く続くことになる。ここにはプライマシー5に採用された技術、マックスタッチコンストラクションが用いられた。この技術は接地面を最大化することでトレッド面に均一な接地圧を確保。結果として接地面の安定性を高め対摩耗性能を向上させたのだ。

 2つ目は高い環境性能だ。クロスクライメートシリーズとして初めて転がり抵抗ラベリングAAを獲得(35サイズ中10サイズ。それ以外はA)。これにより環境負荷低減にも貢献できるサステナブルな製品となった。

 3つ目は優れた静粛性能で、消費者ニーズで最上位にあった快適性を重視し、クロスクライメート2より静粛性を高める設計が施された。具体的には、ピアノアコースティックチューニングテクノロジーを採用。これはクロスクライメート2よりもブロックピッチ数を増加させたことで、異なるサイズのブロックを柔軟に配置でき、不快な周波数帯の音を効果的に低減することが可能とされた。

 またスノー性能においても、X-ICE SNOWシリーズにも採用されているVシェイプトレッドパターンを取り入れた。さらに、これまでよりもブロック幅をより細かくすることで、接地面内のブロックピッチを増加させることでスノークリップ性能を向上。同時に排水性能を増強させるために従来品にはなかったセンターグループも採用された。

サイズラインナップは全35サイズが年内に発売予定で、インチは16インチから20インチ。タイヤ幅は195から285、編成率は35%から65%である。ターゲット車両としては

 日産オーラなどのプレミアムコンパクトカーやアウディA6といった輸入セダン、トヨタノア・ヴォクシーといったミニバン、そしてSUVなど幅広く、さらにハイブリッドや電気自動車も対応している。

スポーツ性能を備えたオールシーズンタイヤ

ミシュラン クロスクライメート3 スポーツ

 そして今回新たに加わったクロスクライメート3スポーツも市場動向を踏まえ開発された。実は「クロスクライメート2まではスポーツカーやプレミアムカーは推奨車種からは外していた」と秋山氏。しかし、「サイズが合えばスポーツカーでもオールシーズンタイヤを装着するユーザーが一定数存在することから、高い関心を寄せられていることがわかった」という。オールシーズンタイヤユーザー全体では上位に上がらない「高速安定性やハンドリング性能といったタイヤのスポーツ性能を重視するニーズが、スポーツカーユーザーが求めるオールシーズンタイヤのニーズでは高い順位を占めている」ことが特徴的だ。

 この結果から「全ての季節で安全性能を確保しながら、どのような天候でも運転する喜びや楽しさを味わえるスポーツ性能を備えたオールシーズンタイヤが求められている」と開発の方向性を語る。そこでスポーツ性能を合わせ持つオールシーズンタイヤ、クロスクライメート3スポーツが誕生したのである。

 大きく3つ製品特徴を挙げると、1つ目は当然ハンドリング性能だ。「雨の日も雪の日もあらゆる路面で意のままのハンドリングを実現。ミシュランのフラッグシップモデルであるパイロットスポーツシリーズに採用しているテクノロジーを採用することで、ミシュランのスポーツスタイルと呼ぶにふさわしいハンドリング性能を実現した」と秋山氏。また、全てスピードレンジYを達成し、高速安定性においてもスポーツタイヤに遜色ない性能を発揮。

 パイロットシリーズにも使われている技術としては、アラミドとナイロンを組み合わせたハイブリッドなキャッププライを採用することで。あらゆる路面状況においてタイヤが路面に密着し、スポーツタイヤらしい高いハンドリング性能を実現。従来のクロスクライメート2と比べて、ウェットハンドリングのランプタイムが約2.4%短縮されたという。

 その高いウェット性能では、クロスクライメートシリーズとして初めてウェットラベリングAを獲得した点は大きい。スポーツ性能を実現するために新たに開発されたコンパウンド、サーマルアダプティブコンパウンド2.0も重要なファクターだ。優れた雪上性能を維持しつつ、ドライ・ウェットでも高いグリップを両立するために開発されたコンパウンドで、転がり抵抗ラベリングAを維持しつつ、トレードオフの関係にあるウェットラベリングAも獲得。

 最後は優れた静粛性能で、「スポーツタイヤであっても、ミシュランは快適性に一切妥協はしない。優れた静粛性により実現するドライブを楽しむ喜びを感じてほしい」と秋山氏はコメントした。

 クロスクライメート3に採用されているVシェイプテクノロジーやピアノアコースティックチューニングテクノロジーはクロスクライメート3スポーツにも用いられている。

 サイズラインナップは全27サイズが年内に発売予定で、インチは18インチから21インチ。タイヤ幅は205から295、変平率は35%から55%で、想定されるターゲット車両はトヨタGR86のような国産スポーツカーをはじめ、BMW4シリーズ、メルセデスAMGGLCクーペのようなハイパフォーマンスSUVまで幅広く対応できるサイズを展開予定とのことだった。

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グーネットマガジン編集部

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