車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2019.06.28 / 掲載日:2018.05.17
第1回目 時を超えるスーパーカーたち SUPER CARレジェンド、まるごと。

visual model McLaren 570S Spider
What a Wonderful World with Supercars!
「伝説」。それは、ただ長い年月を重ねれば自ずとできあがる、というものではない。多くのひと、また後世の人々を驚かせ、リスペクトされる存在でなければならない。圧倒的なパワー、現実離れした速さ、ごくひと握りの人しかステアリングを握ることのできないクルマたち。それを、我々は「スーパーカー」と呼ぶのだ。そして、多くのひとが憧れるクルマたちは、長く語り継がれ、いつしか「伝説」となっていく。今回は、クルマ好きならば、だれもが一度は乗ってみたいと思うスーパーカーの世界を一挙ご紹介!最新モデルから、その源流ともいえるレジェンドモデル、さらにはスーパーカーの文化やトレンドにも踏み込み、「頑張れば購入できる!」ユーズドスーパーカーの紹介まで、みなさんに夢の世界へと一歩近づいていただきます!
CONTENTS
1 NEW MODEL
名門が誇る「未来のレジェンド」を紹介!
2 MAINTENANCE
ランボルギーニのレストアプログラム
3 CUSTOMIZE
スーパーカーのカスタマイズ事情
4 TIRE
好みの色にカスタマイズできるピレリの新作
5 USED CAR
夢が叶う!ユーズドスーパーカーを探す
注目ブランドその1
McLaren 存在そのものがレジェンドだ!
長年自動車レースの最高峰F1で、数々の勝利を重ねてきた名門マクラーレン。一切妥協が許されない、厳しい現場で培われたテクノロジーが遺憾なく注ぎ込まれた570Sは、まさに公道を走れるレースマシン。圧倒的なポテンシャルを秘める。
文●九島辰也 写真●澤田和久
得意のディヘドラルドアを持つ。正面から見るとコウモリが羽を広げているようだ。ヘッドライトやエアインテークも個性的だがエアロダイナミクスもしっかり計算されている。
レース育ちの設計で市販車離れは当然

570Sスパイダーはマクラーレンのなかで「スポーツシリーズ」に属すモデルだ。これは比較的エントリーポジションにあり、540C、570S、570GTなどが顔を連ねる。その上が「スーパーシリーズ」で720Sがそれに当たる。650Sの後継は最高出力720馬力を発揮する。そして頂点はP1の「アルティメットシリーズ」。まあ、ここまでくると正直異次元だが、そのどれもがスーパーカーであることは間違いない。
その証拠はスタイリングからもわかる。ボディの低さ、ドアの開き方、大きなホイール、そのすべてが非日常である。リヤエンジンというパッケージングもそう、フツーのクルマとは構造からして違うのだ。
しかるに走り出せば、まるでレーシングカー。マクラーレンというブランドからもお分かりいただけるように、ここは市販車よりもレーシングカーを長きにわたって設計、製造してきた。よって、そのノウハウがこうしたナンバー付きのクルマにも活かされているのは言わずもがなである。570馬力の加速と、どこまでも上がり続ける速度計は底無し沼といったところ。レーシングドライバーでもないかぎり、アクセルを踏み続けられない。
とはいえ、高速時の安定性や絶大なるブレーキ性能はさすが。カタチだけのスーパーカーでないことはステアリングを握ればだれもがわかる。見て、走って、味わって、そのすべてがスーパーであることを感じられる1台なのである。
デジタル化が進み、スイッチ類が雑然としてないのもスーパーカー。ダッシュボードセンターのモニターがそれ。シートはもちろんバケットで、ボンネット下には深めの収納スペースがあるのもうれしい。
カーボンやアルミが惜しげもなく活用され、軽量化と空力を徹底的に研究して作られたボディワーク。前後ライトはLEDを採用し、近未来的な雰囲気も漂わせる。大径ホイールも迫力満点だ。
マクラーレン 570S スパイダー(7速AT)
全長×全幅×全高 | 4530×2095×1201mm |
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車両重量 | 1402kg |
エンジン | V8DOHCターボ |
総排気量 | 3799cc |
最高出力 | 570ps/7500rpm |
最大トルク | 61.2kgm/5000-6500rpm |
新車価格 | 2898万8000円 |
from LEGEND
世界を震撼させたモデル「F1」の完成度
現マクラーレンオートモーティブの誕生前に作られた市販車がこのF1。リリースは90年代初頭で、設計は巨匠ゴードン・マーレイが担当した。エンジンはBMW製6.1L V12を搭載する。ユニークなのはシートの配置。ドライバーがセンターでその両脇少し後方に助手席が備わる。要するに3人乗り。かなりのレア車だ。
現行のP1に当たるのが、このF1。当時1億円とも言われたプライスだが、数が少ないため、いまはその10倍ともいわれる。
Profile
九島辰也
●長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも、世界各国のクルマを乗り継ぐ。
※ナンバープレートは、はめ込み合成です。