車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2019.06.28 / 掲載日:2018.03.08
最終回 ラグジュアリーモデル、まるごと。
新車時には手の届かないラグジュアリーカーも、中古車になると現実的な価格になる。ならば、ねらうべきはプレミアムなトップモデル。ここではサルーン、SUV、そしてスポーツカーの3ジャンルのなかから、編集部イチオシのラグジュアリーモデルをピックアップしてみた。
文●グーワールド
SALOON サルーン ラグジュアリーカーの基本スタイル
PORSCHE PANAMERA
セダンでも味わえるポルシェイズム

ポルシェ パナメーラ 先代
スポーツカーメーカーのポルシェがつくる高級サルーンがパナメーラ。全長5mオーバーのボディサイズは、ポルシェの歴代車種を振り返っても最大級。それでいながら、ポルシェならではの走りの哲学はしっかりと息づいており、4ドアスポーツセダンとして楽しめるのが魅力だ。
もちろんこのクラスのサルーンに不可欠な快適性も完備。メルセデスSクラスやBMW7シリーズなどのライバルと比べると、後席の居住性(とくに頭上空間)は譲るものの、内装トリムの質感や快適装備の充実など、ラグジュアリーカーとしても十分な完成度を誇っている。
そんなパナメーラの中古車状況だが、ポルシェのなかでは手が出しやすい価格帯に落ち着いている。登場は09年だが、初期型なら500万円を切る個体も多い。エンジンはV6、V8、V8ターボなど豊富に選べるが、物件数が多く安価なV6(ベースグレード)がオススメ。走りと経済性のバランスが優れている。
大型サルーンと言えども、基本はドライバーズカー。低めのドライビングポジションは、走りを積極的に楽しみたくなる。リヤゲート開口部は広くないが、荷室容量は広く、リヤシートを畳めばステーションワゴン的にも使える。
中古車平均価格帯
470万円~1580万円(※09年~17年 全グレード)
物件数

オススメグレード
ベースグレード
走行距離別物件比率
登場から9年が経過するが、コンディションのよい個体がまだ十分に多い。3万km未満が45%だが、価格もリーズナブルで買いやすい。グレード別物件比率
V6を積んだベースグレードがもっとも豊富。次にV8搭載車「S」が続く。「GTS」などのスポーツ仕様は少ないが、探せば見つかるはず。
MERCEDES-BENZ E63 AMG
オーバー500馬力!AMG謹製V8を搭載

メルセデス・ベンツ E63 AMG 先代
今回紹介するのは先代W212型Eクラスをベースとした「E63 AMG」。年式によってエンジンが異なり、当初は6.2L V8だったが、2011年以降は5.5L V8ツインターボが搭載されている。どちらも500馬力オーバーの高出力を発揮。2013年のマイナーチェンジでは、4WDや高出力版「E63 S」も登場。新車時からの値落ちが大きく、前期型6.2L 車なら300万円台でねらえる。
高性能モデルだが、ラグジュアリーカーらしい仕立てのインテリア。パッケージングはEクラスそのままだから、前後シートともに大人がゆったり過ごせる。快適装備も充実する。
写真は2011年の改良で登場した5.5L V8ターボ。最高出力は524馬力、最大トルク64.2kgmを発揮する。ミッションは7速AT。
中古車平均価格帯
270万円~740万円(※09年~16年 E63 AMGのセダンのみ)
物件数

オススメグレード
E63 AMG
走行距離別物件比率
走行距離の割合は、3万km未満が47 %、3万km~5万kmが27%と低走行物件はかなり目立つ。そのわりに相場が安いのが大きな魅力だ。グレード別物件比率
前期型は「E63AMG」のみだが、後期型からは、さらなる高性能版「E63 S AMG」を追加。ただし後者は物件が少なく、やや探しにくい。
MERCEDES-BENZ S-Class
リーズナブルに買えるフラッグシップモデル

メルセデス・ベンツ Sクラス 先代
先代Sクラスの魅力は、なんと言っても価格が安いこと。新車時1000万円級のフラッグシップが、なんと100万円台の予算で購入可能となっている。物件数が多く、どのグレードも物件が揃っているが、メルセデスらしい世界観を堪能するならV8エンジンを搭載する「S500」がオススメ。とくに前期型の安さが顕著なので要注目。ラグジュアリーカーの本質がこの1台に詰まる。
理路整然としたコックピットまわりがSクラスの特徴。写真はハイブリッド仕様で、低燃費が自慢である。
中古車平均価格帯
140万円~560万円(※05年~13年 AMGを除く)
物件数

オススメグレード
S500
CADILLAC CTS
欧州車を意識した走りのパフォーマンス

キャデラック CTS 先代
全長4.8mオーバーのラグジュアリーセダンがCTS。シグマプラットフォームという専用FRシャシーを採用し、ハンドリングにこだわっているのが特徴。それまでのアメ車の概念を打ち破る走りの楽しさを身につけた。先代CTSは、大幅に価格が下がって100万円台から探すことが可能だ。物件が多いのは3L V6搭載車。動力性能も申し分なく、コストパフォーマンスの高い1台。
シルバーとブラックを基調としたスポーティなインテリア。エンジンは2.8L、3L、3.6L、6.2Lを用意。
中古車平均価格帯
110万円~280万円(※08年~14年 Vを除く)
物件数

オススメグレード
3.0プレミアム
SUV ラグジュアリー&スポーティが流行
MERCEDES-BENZ G63 AMG
長く付き合っていきたい最上級SUV

メルセデス・ベンツ G63 AMG
新型Gクラスがもうすぐ登場する。しかし、現行型だってまだまだ魅力的。とくに、AMG系はオフロード性能とオンロードにおけるパフォーマンスを両立したモデルで、Gクラス購入の有力な選択肢となっている。
AMGとひと口に言っても、選べるモデルは複数ある。ひとつは01年に登場の「G55」で、5.4L V8を搭載(後にスーパーチャージャーを組み合わせて出力向上)。12年には新世代V8ツインターボの「G63」と6L V12ツインターボの「G65」2モデルに世代交代し、現在に至る。
中古車市場を見ると、物件数が多いのは生産期間がもっとも長い「G55」で、平均価格はおよそ660万円前後となる。一方、「G63」はコンディションに優れた低走行、高年式物件が中心となり、平均価格は1300万円とかなり高め。しかし、Gクラスは全体的にリセールが良好なので、高年式「G63」を選び、パフォーマンスを堪能するのも賢い買い方のひとつ。コレクション要素が強いクルマだから、一生モノのクルマとして長く付き合うのもよい。
写真は2012年に登場したG63 AMG。年次改良を繰り返し、質感は現代的になっている。窓が広く開放感のあるインテリアも特徴だ。
最新のAMGユニットを搭載する「G63」。544馬力を発揮する5.4L ツインターボの走りは痛快。
張り出しの少ない荷室は、プライベート、ビジネス問わずさまざまな用途で活躍してくれるはず。
中古車平均価格帯
430万円~1500万円(※01年~17年 55 AMG/63 AMG/G65 AMGのみ)
物件数

オススメグレード
G63 AMG
走行距離別物件比率
満遍なく幅広い走行距離の中古車が流通している。とくに3万km未満の個体が半数近くあることに注目。5万km以上は「G55」が大半。グレード別物件比率
全部で3タイプのAMGが存在するが、12気筒モデル「G65」はほとんど市場に流通していない。「G55」は価格が手頃で物件数が豊富。
G63 AMG 6×6
6輪のGクラスは中古車で買えるの?
6輪のGクラスは中古車で買えるの?
日本での販売台数がわずか5台のスペシャルなGクラスが存在する。その名も「6×6」。文字通り車輪が6つ存在し、オフロード性能を大幅に強化したクルマ。新車価格はなんと8000万円!中古車は確認できなかった。
※2015年以降、「メルセデス・ベンツ G63 AMG」から「メルセデスAMG G63」に変更となっています。
LANDROVER RANGE ROVER SPORT
オンロードの性能を高めたレンジローバー

ランドローバー レンジローバー スポーツ 先代
レンジローバーのなかでも、スポーティ志向の強いモデルが「スポーツ」。BMW X5やポルシェ カイエンなどをライバルとするプレミアムSUVである。低く、ワイドなプロポーションとオンロード寄りの走りが特徴だが、ラグジュアリーカーとしての側面も強い。中古車は物件数が豊富で買いやすい。後期型5Lモデルは数が少ないので、4.4Lの「HSE」がねらい目のグレードだ。
スポーツと言えども基本的にはラグジュアリーカーだから、室内にはゆったりリラックスムードが漂う。
中古車平均価格帯
230万円~600万円(※05年~13年 全グレード)
物件数

オススメグレード
4.4 HSE
PORSCHE CAYENNE
新型がスタンバイ でも先代が魅力!

ポルシェ カイエン 先代
欧州では3代目カイエンが発表されており、日本でも受注が始まった。しかし、先代カイエンはスタンダードなV6からスポーツ志向の「GTS」 、さらにハイブリッドも設定されており、選べる幅が広いのが大きな魅力。走りも洗練され、まるでスポーツセダンのように乗れる。中古車物件は豊富で、とくにV6搭載のベースグレードが多い。予算は500万円前後を用意しておこう。

視界が広く、巨体のわりに運転しやすいカイエン。エンジンバリエーションが豊富なのもポイントだ。
中古車平均価格帯
400万円~1400万円(※10年~17年 全グレード)
物件数

オススメグレード
ベースグレード
SPORT スポーツ 日常で使えるスポーツカーもあり
LAMBORGHINI GALLARDO
ベイビーランボはもっとも身近な存在
ランボルギーニと言えば、長らくミッドシップ・12気筒エンジンを積んだスーパースポーツカーのみのラインアップだった。しかし2003年に登場したガヤルドは、ひとまわり小型のボディにV型10気筒を搭載。同ブランドとしてはもっとも身近な存在と言っていい。ほぼ10年にわたり生産されたガヤルドはバリエーションが豊富だが、中古車市場の中心となるのが初期のベースグレード。2008年3月には外観を一新した改良版「LP560-4」が登場したが、こちらもある程度流通する。「スーパーレッジェーラ」などのスペシャルモデルはかなり希少な存在となっている。
ランボルギーニ ガヤルド
タイトな室内は、リアルスポーツらしい雰囲気。室内は2名乗車だが、思いのほか日常の使い勝手がよいのが魅力だ。
デビュー当初は520馬力の5L V10を搭載していたが、08年に5.2L化され、560馬力になった。写真は後者である。
中古車平均価格帯
940万円~2000万円(※03年~13年 全グレード)
物件数

オススメグレード
ベースグレード
OTHER CHOICE
これってある意味贅沢!?スポーツMINI「JCW」

MINIのハイパフォーマンスブランド「JCW」は、スポーティな走りがウリのMINIにさらなる刺激を与えた特別なクルマ。先代MINI JCWには、すべてのボディバリエーションに211馬力の1.6Lターボエンジンが搭載されるから、選ぶ楽しみも広い。中古車市場に流通するのは3ドアやクロスオーバーが目立ち、相場はおよそ200万円と手ごろなのが魅力だ。
ボディタイプ別に見ると3ドアがもっとも豊富。クロスオーバーもそこそこ流通するが、クーペやロードスターは極めてレア。ひととは異なる個性を求めるなら、じっくり探すのも手だ。
中古車平均価格帯
140万円~380万円(※10年~13年 JCW全グレード)
※ナンバープレートは、すべてはめ込み合成です。