車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2018.01.25

【気になる中古車試乗判定】メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド

メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド

2014年モデル メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?

文●竹岡圭、九島辰也、グーワールド
写真●グーワールド

今月の中古車は メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド

DETAIL CHECK 1

  • ステアリングアシストまで備えた高度な運転支援システムを採用

    メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド コックピット

  • ステアリングアシストまで備えた高度な運転支援システムを採用

     長距離、中距離、短距離を捉えるレーダーとステレオカメラによるシステムで、先行車との距離を維持しながらステアリング操作をアシストする「ディストロニック・プラス」を採用するなど、高い先進性を備える。インフォテイメントシステムについても、標準でハイレベルなものを備える。

DETAIL CHECK 2

  • さわり心地のよい素材を使った上質なインテリア空間

    メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド 内装

  • さわり心地のよい素材を使った上質なインテリア空間

     内装に使われている素材の質感もよく、センターコンソール、ドア、足元には間接照明も組み込まれており、夜のドライブもラグジュアリーに演出。取材車両のシートはレザーとファブリックのコンビネーションで、年式や走行距離を感じさせるような傷みは感じられなかった。

DETAIL CHECK 3

  • セダンであっても十分な収納容量と使い勝手を実現

    メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド ラゲッジスペース

  • セダンであっても十分な収納容量と使い勝手を実現

     トランク容量は445Lで、すべてのグレードで後席は4対2対4の分割可倒式で、優れたアレンジを実現。トランク側のレバーで後席背もたれを倒せるのも便利。中央部分はトンネルとなっており、スキー板などの長尺物も車内に収納可能。トランク壁はゴルフバッグを収納するためえぐられている。

DETAIL CHECK 4

  • 使用用途や好みに合わせて選べる多彩なエンジン

    メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド エンジン

  • 使用用途や好みに合わせて選べる多彩なエンジン

     エンジンのラインアップは多彩で、1.6L直4ターボ(C180)、2L直4ターボ(C220、C250)、2.2L直4ディーゼルターボ(C220d)、2L直4ターボ+モーター(C350e)を用意。トランスミッションは前期が7速ATで、2017年2月以降のモデルでは9速ATを組み合わせる。

メルセデスらしさを凝縮した小さな高級車

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

九島 目指していたアジリティがひとつの完成系にいたった

竹岡 メルセデスの世界に入るならまずは基本のCクラスから

輸入車の代表であり実力を体現するモデル

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回は、メルセデス・ベンツのCクラスが登場です。お借りした車両は2014年モデルで、グレードは「C180アバンギャルド」、走行距離は4万7000kmとなっています。

九島●今回は輸入車のベストセラーが登場だね。2014年モデルということは、日本導入初期の車両だ。

編集部●おっしゃるとおりです。4代目にあたる現行W205型Cクラスが日本で発売されたのは2014年7月です。コンセプトは、「アジリティ&インテリジェンス」で、アルミをふんだんに使った軽量ボディによる優れた操縦安定性と、最先端の先進安全装備が自慢でした。

竹岡●そう、最近のメルセデスの走りはかなりスポーティな味付けになっているよね。それこそ、昔からのファンはびっくりするんじゃないかってくらい。

九島●そうだね。前の世代あたりからアジリティ、つまり敏捷性を強く意識するようになってきた。当時は不慣れな印象もあったけど、現行世代ではいよいよ完成度が上がって、BMWとはまた違うメルセデスならではの世界観を感じるようになった。

竹岡●それにしても、いまのメルセデスのセダンって、Sクラスなのか、Eなのか、それともCなのか、遠目にはいまいち分かりにくい(笑)。

九島●Sクラスに似ているのは、ある意味でメルセデスの伝統だからね。デザインにしても先進装備にしても、まずはSクラスに導入して、それからEクラスやCクラスに波及させていく。最近では安全技術の「レーダーセーフティ」がそう。

編集部●車両各所のレーダーセンサーで、車両の360度全方位の安全を確保するという技術ですね。

竹岡●日本車を含めて、いわゆる自動ブレーキに代表される先進安全装備はだいぶ普及してきているけど、それらはコスト的に有利なステレオカメラ式が多いのね。メルセデスのシステムは、ステレオカメラに加えてミリ波レーダーを使っているのがポイントで、天候に左右されにくいし、システムが作動する速度域が広いのもさすがだと思う。

九島●Cクラスに限らない話なんだけど、こういった先進装備はグレードだけでなく年式によって内容が異なっていたりするから、中古車を探す際には気をつけたほうがいい。

編集部●さて、ここでCクラスの概要について説明しますと、エンジンは1.6L直4ターボ(156馬力)、2L直4ターボ(184馬力)、2.2L 4気筒直噴ディーゼル(170馬力)、そして2L 4気筒直噴ターボにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド(211馬力)という4種類のエンジンが存在します。トランスミッションは、2016年5月までのガソリンが7速、ディーゼルおよび2016年6月以降のガソリンモデルが9速となります。

竹岡●ここにAMGも加わるんだから、ベーシックからハイエンドまで本当に幅広いクルマだよね。

九島●Cクラスというクルマの懐の深さであり、メルセデスがいかに規模の大きな会社かわかるでしょ。

編集部●確かに。それではそろそろ、試乗の方をよろしくお願いします。

メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド

編集部●さて、試乗から戻ってきたお二人に感想を伺いましょう。いかがでしたか?

九島●あいかわらずCクラスはいいクルマだね。今回試乗したのはラインアップのなかではベーシックモデルだけど、エンジンの力強さもフットワークもこれで十分。今日試乗したクルマの走行距離は4万7000kmだっけ、コンディション的にもまったく問題ないね。

竹岡●当時試乗したときはランフラットタイヤの硬さが気になったけど、今日試乗したクルマは全体が馴染んだのか乗り心地も悪くなかった。ただ、私が乗っても左足の置き場が狭いのが気になったな。身長の高いひとだと困るかもしれないから、一度試乗して確かめてみて。

編集部●ベーシックなC180でもCクラスらしさが味わえるというコメントは嬉しいですね。このほかにもバリエーション豊富ですが、グレード選びに関してアドバイスはありますか?

九島●さっきも言ったけど、パワーはC180でも十分だから、むしろ装備やボディカラーみたいなところにこだわるのがいいんじゃないかな。

竹岡●中古車市場はどうなの?

編集部●新車が約420万円から700万円なのに対して、中古車は200万円後半から500万円後半。ボリュームゾーンは300万円前半です。ユニークなのが、グレードによる価格差があまりないことですね。

九島●そうでしょ。俺知ってるのよ。

竹岡●物件の数も多いだろうし、初めての輸入車としてもオススメ。安全装備からデザインまで、Sクラス譲りっていうよさもあるし。

編集部●ありがとうございました。

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド レビュー評価

メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるメルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド評価をまとめます。

※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

  • 自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

    基本性能の高さ、素性のよさを試乗で確認していた竹岡さん。身長差のあるふたりがどちらも正しいドライビングポジションを取れるところも好印象。

  • 自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 10点

 最近はコンパクトやSUVなど、バリエーションがたくさん増えたメルセデス・ベンツですが、やはりオーソドックスなセダンの定番はコレ。そのなかの基本中の基本モデルですから、立ち位置としては確立されていますよね。メルセデス・ベンツの世界に飛び込むならまずここから、と言ってもいいくらい、きちんとしたベーシックグレードです。

装備 9点

 メルセデス・ベンツと言えば安全にこだわりのあるメーカーですよね。とくに最近はこの分野の開発が盛んなので、年次モデルによって違うなんていうくらいの改良が施されています。選ぶときは、自分のほしい装備が入っているかしっかりチェックしてくださいね。それとは別に気になったのは運転席の足元の狭さ。最近のメルセデスは全部こうなので・・・。

走り 9点

 このCクラスは、登場当初は乗り心地が硬すぎる!ランフラットタイヤがダメだ!と散々言われましたが、タイヤは消耗品なので、気になるなら変えてしまえばOK。そこさえクリアすれば走り味的には文句ナシです。日本ではランフラットタイヤは必ずしもいるわけではないですからね。この個体はブレーキフィールがいまひとつでしたが、これは個体に限った話のハズ。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント

  • 自動車ジャーナリスト 九島辰也

    試乗を始めてからすぐにCクラスが気に入った様子の九島さん。メルセデスが最近目指しているスポーティ路線がひとつの形になったことを評価していた。

  • 自動車ジャーナリスト 九島辰也

自動車ジャーナリスト 九島辰也
●長年にわたり男性ファッション誌や一般誌などでも活躍し続ける自動車ジャーナリスト。その知見は広く、プライベートでも各国のクルマを乗り継ぐ。

ポジショニング 10点

 メルセデス・ベンツというブランドにとって、Sクラスというクルマが根幹であり最先端を走る。そして、それがボディサイズの異なるEクラスやCクラスへと展開されていく。もちろん、価格なりの差はあるわけだが、基本的な性能や考え方はCクラスとSクラスで変わらないわけだ。現行型ではデザインも含めてそれがしっかりと表現されている。

装備 9点

 「レーダーセーフティ」に代表される安全技術への取り組みは、ほかのブランドと比べても積極的で、今回は2014年モデルの試乗だったが、現在の最先端のレベルと遜色ないものがすでに盛り込まれている。Sクラスを意識しているがゆえに、室内のデザイン要素が少々オーバーなきらいがあるがそれはご愛嬌。クオリティ感も高く、満足できる内容だ。

走り 9点

 ステアリングを切った際にクルマの向きがスッと変わるスポーティなキャラクター。それでいて、全体的な乗り味としては、落ち着きのあるメルセデス流のテイストがしっかりと受け継がれている。試乗車は1.6Lの4気筒直噴ターボエンジンで、156馬力というスペックであったが、よくできたトランスミッションのおかげもあり、物足りなさはまったくない。

グーワールド編集部

Cクラスというクルマは、老若男女を問わず、幅広いユーザーに愛されている定番モデル。現行型は登場時からすでに完成度が高く、中古車価格も手頃です。

ポジショニング 10点

 メルセデスだけでなく、輸入車を代表するモデルであるCクラス。モデルバリエーションも豊富で、セダンからワゴン、クーペ、カブリオレまで、ユーザーの好みやライフスタイルに合わせた選択肢が用意されています。セダンはある意味でその中心、基本となるモデルだけに、基本性能の高さ、作り込みの深さは特筆すべきレベル。間違いのない選択です。

装備 10点

 上級モデル譲りの充実した各種装備が、ベーシックグレードであってもしっかりと備わっています。また、自動ブレーキや車線維持機能についても、高価な中長距離用レーダーを採用することで、幅広い速度域で対応。このあたりはさすが高級車ブランドとしての底力を感じます。試乗車は人気のアバンギャルド仕様で、スポーティな仕立ても魅力的でした。

走り 9点

 試乗車はアバンギャルド仕様だったので、アジリティコントロールと呼ばれているダンパーの減衰力を自動調整する仕組みが備わっていました。街中では高級車らしくしなやかなのに、カーブなどではしっかりとした足まわりなのが印象的でした。エンジンパワーも十分で、これならほとんどのひとが満足できるはず。流石メルセデスのベストセラーモデルです。

ベーシックモデルのC180でもメルセデスらしさは濃厚に味わえる

メルセデス・ベンツ C 180 アバンギャルド

モデル主要変遷(メルセデス・ベンツ Cクラス)

2014.07フルモデルチェンジ ←今回の中古車
2015.09「C220dアバンギャルド」を追加
2015.12「C350eアバンギャルド」を追加
2017.02「C200 4MATICアバンギャルド」を追加

2014年 メルセデス・ベンツ C180アバンギャルド(7速AT)

全長×全幅×全高4690×1810×1435mm
ホイールベース2840mm
車両重量1510kg
エンジン直4DOHCターボ
総排気量1595cc
最高出力156ps/5300rpm
最大トルク25.5kg m/1200-4000rpm
サスペンション前/後4リンク/マルチリンク
ブレーキ前/後Vディスク/ディスク

中古車参考価格帯
270万円~570万円(2014年~ 2017年 ※AMGを除く)

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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