車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.07 / 掲載日:2017.09.21
第1回目 BMW全方位

BMW AG
BMWの総本山 その近くには博物館も
●ドイツ南部の都市ミュンヘン。4本の円筒のような形から「4シリンダー」とも呼ばれるBMW本社ビルのすぐ近くに、誇り高いブランドの足跡を収めるミュージアムがあり、一般に公開されている。
「BMW」という名を耳にして頭をよぎるのは、質感が高くスタイリッシュなイメージ。実際にステアリングを握ったことがあるひとなら、そのスポーティな走りのフィーリングを思うだろう。しかし、BMWの魅力は、それだけでは語り尽くせないほどに多彩で、奥深いもの。今回は、ニューモデルから最新トピックまで、さらなる勢いに乗るこだわりのプレミアムブランドを徹底研究!BMWの世界を360度見わたし、チェックします!
写真●GooWORLD
革新技術でアップデートし続けるドライビングの歓び
世界中のファンを長年にわたり魅了し続けるBMW。1シリーズから7シリーズまで、多彩な魅力を誇るが、そのなかで特別なものは「走りの質感」だろう。時代やモデルを超えた走りへのこだわりが、バックボーンとして、今日もブランドを支えている。
文●石井昌道 写真●GooWORLD、BMW
人気に陰りがみえるとデザインや走りのテイストをガラリと変えてしまうプレミアムブランドが多いが、BMWはブレが少なく、見事にフィロソフィーを貫き通してきた。
エンジン製造会社からはじまっただけに、パワートレーンは天下一品。楽しさと効率のよさが高い次元でバランスされ、エフィシェント・ダイナミクスというアイデンティティを実現している。シャシーでも50対50の重量配分にこだわり、スポーティで気持ちのいいハンドリングを追求。フラッグシップの7シリーズであっても、コンパクトな3シリーズであっても基本的な考えは変わらないので、乗り味の共通性が強いのも素晴らしい。それは歴代モデルでも共通していたのだが、最近ではスポーティで楽しいだけではなく、動的な質の高さが際立ってきたのが特徴だ。
その昔はスポーティさと引き替えに乗り心地はやや硬めだったが、現在ではそんなことはない。フワフワと軟弱になったなんてことはないが、サスペンションがスムーズにストロークし、適切なダンピングで上手にボディコントロールがなされているため、不快さがないのだ。

スポーティなハンドリングと聞くとシャープにギュンギュンと切れ込んでいくようなイメージがあるが、BMWはそんな小手先の味付けではなく、極めて正確でリニアな動きによる一体感の高さで勝負している。ボディやサスペンション、ジオメトリー、さらにはパワーステアリングの性能も加わって、直進安定性から微舵域での素直な動き、ダイナミックなコーナリング時まで、文句のつけようがないほどに高度だ。
パワートレーンでは、パフォーマンスや燃費性能の高さだけではなく、ドライバビリティの高さにも注目したい。どのエンジンでも低回転からトルクフルで回転上昇はスムーズにしてシャープ。多くのモデルが採用している8速ATは、ドライバーの意志を忠実にくみ取って適切なシフトチェンジを行う。もともとエンジンの性能には定評があったが、最近ではターボチャージャーの使い方の上手さも目立っている。ライバルメーカーのエンジニアも、超低回転域からブーストが立ち上がる制御などは見習いたいと声をあげるほどだ。
高効率という点では、最新のエンジンは1気筒あたり500ccを基本として、3気筒は1500cc、4気筒は2000cc、6気筒は3000ccとモジュール化したことがあげられる。本来エンジンは排気量が大きければ大きいほど熱効率としては高くなる。だが、スパークプラグで点火するガソリン・エンジンはあまり大きすぎると火炎伝達の面で難しくなり、500cc前後が理想とされる。ディーゼルでは当てはまらないが、車両への搭載性や生産効率を考慮して、同じように1気筒あたり500ccとされた。
スポーティという伝統的な乗り味はそのままに、プレミアムカーらしい質の高さに磨きがかかっているのが最新のBMW。付き合いが長くなるほど身体に馴染んで離れがたくなる魅力があるのだ。
BMW NEW CAR LINE-UP1 4 Series Gran Coupe
BMWファン待望の万能モデル現れる
4シリーズ グラン クーペ
BMWファン待望の万能モデル現れる
ブランドのなかでスポーティな位置付けの4シリーズに登場した5ドアハッチバックモデル。搭載エンジンやトリムレベルの選択肢も充実していて、ユーザーの好みにも細やかに対応する。サイズ的にはクーペとほぼ変わらないが、後席のレッグスペースが前後に66mm拡大するなど、ハイレベルな走りと居住性のバランスも個性となっている。

ダイナミックで優雅なボディライン。外観からは「実用モデル」の雰囲気は伝わってこない。家族で楽しめるスタイリッシュなスポーティモデルだ。
BMW 420i グラン クーペ Mスポーツ(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4670×1825×1395mm |
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車両重量 | 1640kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 184ps/5000rpm |
最大トルク | 27.5kg m/1350-4600rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/5リンク |
新車価格 | 580万円~859万円(全グレード) |
BMW NEW CAR LINE-UP 2 5 Series Touring
個性をさらに磨き上げたプレミアムワゴンの手本
5シリーズ ツーリング
個性をさらに磨き上げたプレミアムワゴンの手本
スタイリッシュさと質感の高い走りの世界を損なうことなく、レジャーやスポーツなどのアクティブな生活をサポートしてくれるのがBMWのツーリング。2017年6月に登場したばかりの新型は、安全性、燃費性能を進化させながら、最大容量1700L(通常570L)のラゲッジスペースとセルフレベリング機能が付いたエアサスを全車標準装備するなど抜かりない。

BMW 540i xDrive ツーリング Mスポーツ(8速AT)
全長×全幅×全高 | 4950×1870×1500mm |
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車両重量 | 1900kg |
エンジン | 直6DOHCターボ |
総排気量 | 2997cc |
最高出力 | 340ps/5500rpm |
最大トルク | 45.9kg m/1380-5200rpm |
サスペンション前/後 | ダブル・ウィッシュボーン/インテグラル・アーム |
新車価格 | 650万円~1069万円(Mモデルを除く全グレード) |
BMW NEW CAR LINE-UP 3 7 Series
洗練された走りを誇る独創的なラグジュアリー
7シリーズ
洗練された走りを誇る独創的なラグジュアリー
「7シリーズの特等席はドライバーズシート」などと言われる走りも楽しめるフラッグシップはそんな伝統を守りながら、今回、他の追随を許さないラグジュアリー性を極めている。ベースとなるV8モデルのほかに、610馬力を発生するV12を積んだ「M760Li」も注目を集める。これは7シリーズをベースとした初めてのMパフォーマンスモデルとなる。

BMW M760Li xDrive V12エクセレンス(8速AT)
全長×全幅×全高 | 5250×1900×1485mm |
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エンジン | V12DOHCターボ |
総排気量 | 6592cc |
最高出力 | 610ps/5500-6500rpm |
最大トルク | 81.6kg m/1550-5000rpm |
サスペンション前/後 | ダブル・ウィッシュボーン/インテグラル・アーム |
新車価格 | 1192万円~2466万円(全グレード) |