車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.10 / 掲載日:2017.04.27

【気になる中古車試乗判定】BMW X3

BMW X3

2012年式 BMW X3

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?

文●竹岡圭、九島辰也、GooWORLD 写真●GooWORLD

今月の中古車は BMW X3

  • 初代よりも上質さが格段にアップした室内

    BMW X3 コックピット

  • 初代よりも上質さが格段にアップした室内

     コントロール系がドライバーに向いたコックピットはBMWそのもの。ベースとなった3シリーズに比べて、より上質さを感じさせるデザインを採用。弟分の初代X1や先代X3に比べて、明らかにクオリティは上がっている印象。オプションでヘッドアップディスプレイなども用意されている。

  • ファミリーカーとして使えるゆとりのある室内空間

    BMW X3 内装

  • ファミリーカーとして使えるゆとりのある室内空間

     アイポイントの高さはセダンはもちろん、ツーリングとも異なるX3ならではの個性。それでいてスポーティなデザインのシートはいかにもBMWらしく、座っても身体をしっかりとホールド。キャビンスペースが広いため、ファミリー向けピープルムーバーとしても利用できるだろう。

  • 多くは直4ターボだが前期型には自然吸気の直6も

    BMW X3 エンジン

  • 多くは直4ターボだが前期型には自然吸気の直6も

     エンジンは直6または直4。直6が3Lターボ(35i)、3L自然吸気(28i)。直4が2Lターボ(20i、28i)。さらに、直4には2012年9月に2Lディーゼルターボも追加されている。また、前者トランスミッションは8速AT、駆動方式はフルタイム4WD(駆動力配分はフロント40対リヤ60)となる。

  • 全車フルタイム4WD仕様でレジャー用途にも活躍

    BMW X3 装備

  • 全車フルタイム4WD仕様でレジャー用途にも活躍

     ステーションワゴン並みの充実したユーティリティが大きな魅力。X3のラゲッジは開口部が四角く、床面にはレールが埋め込まれていて、フックなどを使って荷物を固定できるようになっている。駐車時などに便利なリヤ・トップビューカメラやヒルディセントコントロールなども装備する。

BMW X3 試乗判定レビュー

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

  • 自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

  • カップルでも、家族でも似合う輸入車として人気のX3。今回の試乗車は、いまや珍しい存在となった自然吸気の直6エンジン搭載モデル。さて、その走りはいかがだったのでしょうか。

乗用車として高い人気を集めるミドル級SUV

編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回はBMWから最近人気のSUVである、X3が登場です。気になっている方も多いのではないでしょうか、お借りした車両は個人所有で2012年モデル、グレードは「28i」、走行距離は6万2000kmとなります。

九島●X3は初代モデルが出た当初、同じようなサイズ感のライバルがいなくて、世界中でヒットしたんだよね。それで2代目は開発にもお金をかけられたという話がある。実際、こうして見ても高級感あるよね。

竹岡●うん、上質になった。ボディもひとまわり大きくなったし。

九島●X1が出たことによって、X3は上級移行できたってことだね。

編集部●いま時代はまさにSUVブームといった感じですが、BMWはSUVに取り組むのが早かったイメージがあります。

九島●初代X5が登場した2000年当時はまだ、SUVはピックアップトラックの流れを組むものとして大きなクルマというイメージが強かった。それがヨーロッパのフィルターを通ることによってインターナショナルな感覚になって、X3のような商品が出てきたってわけ。

竹岡●いまでこそリッチでおしゃれなクルマってイメージがあるけど、かつては4WDといったら「クロカン四駆」だったんだよ(笑)

編集部●乗り味も乗用車ライクにアレンジされたことが現在のSUV人気に繋がってるのかもしれませんね。

自動車ジャーナリスト(竹岡 圭・九島 辰也)

九島●今回借りてきてもらったのは2代目X3の前期モデルか。

編集部●そうです。2011年3月から現在まで販売されている現行モデル前期です。

竹岡●それにしても、本当に最近はSUVが増えたよね~。BMWだけでもX1、X3、X4、X5、X6と5モデルもある!

九島●とくにX3のセグメントではSUVは乗用車の王道みたいな扱いだからね。

編集部●たしかに国産、輸入車問わず、このセグメントは人気車が多いです。話をX3に戻しますと、エンジンはデビュー当初はNAとターボの2種類の3L直列6気筒(28i、35i)。2012年に2L直4ターボ(20i)が追加され、同じ年の5月には28iも2L直4ターボへと置き換えられました。また、9月には2L直4ディーゼルターボの20dが登場しています。マイナーチェンジ、BMWでいうLCIは2014年6月に実施されています。ここで大きくルックスが変更されたのと合わせて、衝突被害軽減ブレーキなど先進安全装備も導入されました。

九島●友達がこの間X3を買ったんだけど、ゴルフ場に乗って来たのを見たら、大きいし迫力があるから、X5かと思ったよ。

竹岡●顔が一気にイマドキのBMWになったし、現行モデルの顔つきはたしかにクルマが大きく見える。輸入車でライバルというと、アウディのQ5なのかな。マツダのCXー5とかはちょっと小さいもんね。

九島●ポルシェ マカンもサイズやキャラとしては近いところがあるね。

編集部●それでは、そろそろ試乗の方をお願い致します。


編集部●さて、試乗からお二人が戻られたようなので、早速感想を伺いたいのですが・・・。ちょっと表情が暗いですね。何か気になることありましたか?

竹岡●うーん。残念なんだけど、今日試乗したクルマはベストコンディションじゃないかもしれない。

九島●エンジンのフィーリングが重かったかな。本来はもっと軽快に走るクルマだと思うんだけど。まあ、そこはマニュアルモードで回転数を高めにして走った後にオイル交換してあげれば大丈夫だと思うよ。

竹岡●初代X3のときは、X5に比べると走らせたときの動きがちょっとしなやかさに欠ける感じだったけど、いまのモデルになってそのあたりも解消されたかな。

編集部●X3はどういうひとにオススメですか?

九島●BMW好きじゃないかな。そのなかで、X5だとちょっといろんな意味で大きすぎるというひと向け。家族はミニバンがいい、でもお父さんは本当はクーぺとかに乗りたいっていう場合、SUVならいいわけよ。

竹岡●ピープルムーバーであり、趣味性も感じさせるのが人気の秘密なのかもね。中古車価格はどうなの?

編集部●それがけっこう高くてですね。5年落ちで200万円台の後半、平均相場は300万円半ばといったところでしょうか。

竹岡●たしかに高いけど、それって言い換えればそれだけX3の人気があるってことだよね。

九島●今回試乗した経験をふまえると、走行距離が少なめの個体を選んで、なおかつ購入前にちゃんと試乗してみることをオススメするよ。

編集部●ありがとうございました。

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

BMW X3 レビュー評価

BMW X3

  • BMW X3

    速度計と回転計は見やすいアナログで、車両情報は中央下の液晶モニター内に表示される。モニターには、燃費情報やナビの案内も表示する。

  • BMW X3

人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるBMW X3 レビュー評価をまとめます。

※各項目に対して10点満点評価。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭

X5のしなやかさを知っているだけに、X3の足さばきに若干物足りなさを感じてしまった様子の竹岡さん。それもブランドとしてのレベルの高さゆえです。

自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2017-2018 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

ポジショニング 9点

 大きすぎず小さすぎず。意外とオールマイティ性の高いジャストサイズのSUVなんですよね。たまたま駐車場に止まっていたアウディQ5とほぼ同じサイズとは思えないほど、一体感があるデザインなのも魅力のひとつ。あえてSAVと名乗って運動性能のよさを強調し、ライバルとの差別化を図っているのもBMWらしくて頷けるポイントです。

装備 8点

 最近だいぶBMWのインターフェイスも使いやすくなってはきましたが、このときのはまだもう少し・・・という時期のヤツなんですよね。でも基本的なところでは過不足ナシと言っていいんじゃないでしょうか。見た目の点では、最近のBMWに比べると派手さはないものの、なんだかスッキリと落ち着いた感じが、逆にSUVには似合う気がしました。

走り 8点

 自然吸気の3L直6エンジンモデルって、初期のころにしかなかった珍しいモデルでしたが、この個体に関しては、たまにはエンジン回してあげて~という状態だったのが残念なところ。でもリフレッシュすれば、かなり気持ちイイのではないかと予想されますね。ただ、X3って動きのなめらかさが物足りない気がするんです。そこはもうチョイかなぁ~。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント

自動車ジャーナリスト 九島 辰也

自動車だけでなくアメリカ文化にも詳しい九島さんにとって、SUVは得意分野。X3について、BMW好きにとってジャストフィットのSUVだとオススメ。

自動車ジャーナリスト 九島 辰也
●男性ファッション誌副編集長を経験するなど、ファッションにも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、各国のクルマを乗り継ぐ。

ポジショニング 9点

 広くてラクなクルマを求める家族と、カッコよくて走りのいいクルマがほしいお父さん。その両者の要望を1台で叶えてくれるのがX3。これまで3シリーズのセダンやツーリングに乗っていたひとが、ピープルムーバーを購入する必要になったとしたら、こいつがいちばん。走りがBMWしていて、X5ほど敷居が高くないところもいい。売れているというのも納得。

装備 9点

 シートに座ってしまえばいつものBMW流のコックピット空間が眼前に広がる。それはすなわち、ドライバーズオリエンテッドで、人間工学的にも優れているということだ。標準的なグレードでも、得意のi-Driveを中心とする操作系は標準で備わっているし、上級モデルであれば豪華と言えるレベルに達する。試乗車はサンルーフ付きだったが、これもいい。

走り 8点

 はっきり言えば試乗した個体は本調子ではなく、BMWらしい走りの軽快感に欠けていた。でも、それはメンテでなんとかなる部分。SUVのなかでも走りのよさを主張する。なんてったってSAVつまり「スポーツ・アクティビティ・ビークル」を名乗るくらいだから。それは兄貴分のX5からしっかりと受け継がれている美点。本来はもっとスポーティなクルマだ。

GooWORLD編集部

X3はこのジャンルを牽引してきた実績のあるモデルだけに、いろいろなところがしっかりと作り込まれていて文句なし。中古車価格の高さに納得の実力です。

ポジショニング 10点

 ミドルクラスのSUVは、いまもっとも注目度の高いモデルのひとつ。とくにBMWのX3はその最右翼です。ライバルに比べて車両の全長が大きく、横幅もワイド。それゆえFRベースであっても室内とラゲッジには十分な余裕があり、スタイルもマッチョで力強い。中古車の台数も豊富ですが、人気を反映して高値安定。買いやすくなるにはまだ時間がかかりそう。

装備 9点

 装備やインテリアのクオリティはしっかりBMW基準で、SUVだからという言い訳は必要ありません。前期モデルについてはグレードによるルックスの差異はあまりないのも嬉しいところ。後期モデルになると、人気の「Mスポーツ」に加えて、よりSUVらしさを強調した「Xライン」も登場。また、最新モデルにふさわしく先進安全装備も充実しています。

走り 9点

 ちょっとフォローしますと、けっして不具合があった訳ではなく、大人しく運転していたせいか、本来よりちょっとエンジン回転の高まりに元気がなかっただけで、踏めばしっかり速いです。また、車重1.85トンという重量級にも関わらず、コーナーなどでの身のこなしも自然。デイリーユースに週末のレジャーにと、まさに大活躍してくれるでしょう。

BMW X3 DETAIL CHECK

BMW X3

2012年式 BMW X3 28i(8速AT)

全長×全幅×全高4650×1880×1675mm
ホイールベース2810mm
車両重量1850kg
エンジン直6DOHC
総排気量2996cc
最高出力258ps/6600rpm
最大トルク31.6kg m/2600-3000rpm
サスペンション前/後ストラット/5リンク
ブレーキ前後Vディスク

中古車参考価格帯

250万円~650万円(2011年~2016年 ※全グレード)

モデル主要変遷(BMW X3)

2011.03フルモデルチェンジ ←今回の中古車
2012.03xDrive20iを追加
2012.05一部改良
2012.09xDrive20dブルーパフォーマンスを追加
2013.09一部改良
2014.06マイナーチェンジ
2016.06一部改良

※ナンバープレートはハメ込み合成です。

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

グーネットマガジン編集部

1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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