車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.03 / 掲載日:2016.12.22
【気になる中古車試乗判定】BMW 1シリーズ(2016年12月)

2015年式 BMW 1 Series
一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション!果たしてその結果やいかに!?
文●竹岡圭、九島辰也、GooWORLD 写真●GooWORLD
今月の中古車は BMW 1シリーズ
充実した電子デバイス 衝突被害軽減ブレーキも
充実した電子デバイス 衝突被害軽減ブレーキも
クラスを超えた上質感でBMWらしさが漂う室内。装備も充実しており、液晶モニターおよびiDriveや2ゾーンフルオートエアコン、ステアリングのマルチファンクションコントローラー、BMW SOSコールなどを装備。さらに、オプションで衝突被害軽減ブレーキも装備することができた。
BMWならではのシンプルで スポーティなインテリア
BMWならではのシンプルで スポーティなインテリア
写真のスタイルは、ハーフレザーのシートが標準。スポーツではさらにフロントシートがスポーツタイプになる。また、パネル類もベースグレードではシルバー塗装仕上げだが、スタイルおよびスポーツは艶のあるタイプに変更される。ラゲッジ容量は標準で360L、最大で1200Lまで拡大可能だ。
すべてのエンジンがターボ化 高性能と低燃費を両立
すべてのエンジンがターボ化 高性能と低燃費を両立
パワートレーンは大きく分けて4タイプ。1.6L直4ターボ(116i・120i)、1.5L 直3ターボ(118i)、2.0L 直4ディーゼルターボ(118d)、そして3.0L 直6ターボ(M135i、M140i)だ。トランスミッションはいずれも8速ATで、アイドリングストップやブレーキエネルギー回生機能を備える。
年々使いやすく改善され 機能も追加された
年々使いやすく改善され 機能も追加された
BMWならではのiDriveを中心とするインターフェースは2014年からタッチパッド付きに進化。また、当初オプションだった装備が年を重ねるごとに標準装備化されているのもポイントで、購入時には確認が必要。ホイールは16インチから18インチまで存在。標準タイヤはランフラット。
BMW 1シリーズ 試乗判定レビュー

初代モデルに対して居住性が改善されたのも現行型の見どころで、大柄な男性がドライビングポジションを設定しても、後席に大人がゆとりを持って座れるようになった。
クラス唯一のFR車がさらにパワーアップ!
編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回はもっとも小さいBMWである、1シリーズの登場です。お借りした車両は個人所有のもので、ディーラーで販売されていた2015年式の認定中古車を購入したとのこと。グレードは「116i スタイル」、走行距離は1.8万kmとなります。
竹岡●2015年式でこの顔ってことは、前期の本当に最後のやつだ。
編集部●今回紹介する1シリーズは、Cセグメントに属する5ドアハッチバック車で、初代モデルが2004年から7年間販売され、2011年9月にこの第2世代へとフルモデルチェンジしました。
竹岡●初代1シリーズは、BMWがこのセグメントにはじめて挑戦したモデルなんだよね。
九島●そう。さらに身内にMINIもいるわけで。なので、「BMWがこのセグメントに投入されるとこうなんだ!」っていう意思表示が初代。そういう背景もあって、ことさらFRっぽさを出していたんだ。
竹岡●いろいろ頑張ってたけど、ユーザーからは「Cセグメントってそうじゃないんだよなー」って部分もあったわけよね。それで2代目はもうちょっと多くのひとに受け入れられるように、後ろのシートを広くしたりして、実用性とのバランスがちょうどいい頃合いになったと思う。
編集部●初代よりもマーケットの要求を受け入れる姿勢でつくられているという2代目ですが、その後も、毎年のように装備を充実させるなどの一部改良を行なっています。そして、2015年5月にはマイナーチェンジを実施。デザインが2シリーズなどと共通のテイストに変更されました。

竹岡●マイナーチェンジで採用された3気筒エンジンだけどさ。皆さんはいいっていうけど、普段同じ3気筒エンジンのMINIに乗っていて、ちょっとギクシャクする感じがして毎日乗ってると、疲れるときもあるんだよね。トランスミッションの組み合わせもあると思うんだけど。
九島●BMWの4気筒はターボでもすごくナチュラルだから、余計に気になってしまうのかもね。
編集部●そのエンジンのパワーにちなんだ数字で各グレードは表わされていまして、1.6L 直4ターボの「116i(136馬力)」、「120i(170馬力)」、後期型から登場する1.5L 3気筒ターボの「118i(136馬力)」、2.0L 4気筒ディーゼルターボ「118d(150馬力)」。そして、3.0L 直6ターボを搭載するハイパフォーマンスバージョンの「M135i(320馬力)」・「M140i(340馬力)」というラインアップになります。
九島●あったね「M135」。あれは面白かった!
編集部●さらに、各グレードには専用パーツを採用する「デザイン・ライン」が用意され、好みのテイストを選べるようになっています。
竹岡●1シリーズは「スポーツ」と「スタイル」だっけ。
九島●初代と比べると、現行モデルは非常によくユーザーニーズを研究しているのがわかるね。
編集部●なるほど。それでは、試乗をお願いいたします。
編集部●さて、試乗を終えられたお二人にさっそく感想を伺います。
九島●あのサイズ感からするとオーバークオリティだよね。ボディ剛性のしっかりとした感じや、各部スイッチのカチッとした手応えもドイツ車的で品質感が高い。
竹岡●ちゃんとBMWなんだよね。クルマ好きが期待するスポーティな雰囲気をもっていて、実用性も初代よりあるというバランスのよさ。
編集部●試乗したクルマは走行距離2万km近くでしたがその辺りは?
九島●まったく気にならないよ。
竹岡●現行モデルだし、なんかまだ中古車って感じがしないんだけど、高いんじゃないの?
編集部●それが結構買いやすい価格帯なんです。前期型なら100万円台前半からありますから、乗り出し150万円でねらえてしまいます。
竹岡●それは安い!
九島●4年落ち、走行5万km以内のが買えるってわけね。お値打ちだ。
編集部●ではここで、お二人のパーソナルチョイスを伺います。
九島●さっきM135iの中古車相場が300万円くらいだという話を聞いたので、超裏技としてM135iをひっそりとねらう(笑)。最近は認定中古車にもディーラーで純正アイテム装着できるみたいだから、BMWパフォーマンスのデカールとかで遊んじゃう。
竹岡●私は116iでいいんだけど、限定車のファッショニスタがいい。あれがすごくおしゃれだった! 1シリーズは独身女性が乗っていたらすごくカッコいいと思うので、ぜひ女性に選んでもらいたいな。ボディカラーが紺で内装は白とかどう?
九島●それは間違いない、流石だね。
※ナンバープレートはハメ込み合成です。
BMW 1シリーズ レビュー評価

シンプルな2眼メーターのデザインに液晶を埋め込んで多機能化しているメーターパネル。
人気自動車ジャーナリスト(と編集スタッフ)によるBMW 1シリーズ レビュー評価をまとめます。
※各項目に対して10点満点評価。
自動車ジャーナリスト 竹岡 圭のコメント

1シリーズは、クルマ好きのパパから独身女性までいろんなひとにオススメできるバランスのいいクルマ。走りの面でも4気筒モデルはスムーズでグッド!
自動車ジャーナリスト 竹岡 圭
●人気TV番組「おぎやはぎの愛車遍歴」の進行役としてもお馴染みの、人気自動車ジャーナリスト。2016-2017 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
ポジショニング 10点
先代の1シリーズはFRにこだわった「BMWのコンパクトカーです」というアピールが強すぎた部分もあったけれど、その後ユーザーからの声も取り入れて、よりニーズに歩み寄りながらもBMWらしさは忘れていないというバランスの取れたものになったのが、この代の1シリーズだと思うんです。個人的にはMC前のこちらのモデルがベストチョイス!
装備 9点
どうしても最新鋭安全装備がほしいという方は別ですが、あとは必要最低限以上の装備が付いているので、まったく不便はナシ。BMWクオリティのものはひととおり揃っていますし、質感もしっかり保たれています。個人的にはせっかくバリエーションがあるのだから、116iファッショニスタのようなオシャレな明るい内装色をチョイスしてほしいですね。
走り 10点
余分なこだわりは薄まったとはいえ、FRはFR。やっぱり動きは素直だし、エントリーモデルといっても走りはきちんとBMWしてるところが好感度高い!スッキリしていて気持ちイイのはもちろん、BMWを買ったんだという期待を裏切りません。後期型が3気筒エンジンになってしまうことを考えても、この4気筒モデルはイイと思いますよ!
自動車ジャーナリスト 九島 辰也のコメント

男性だけじゃなく女性にも似合うクルマだから、ボディカラーにこだわりたい。シックにも、カジュアルにも、スポーティにも振り幅があるのが面白いですね。
自動車ジャーナリスト 九島 辰也
●男性ファッション誌副編集長を経験するなど、ファッションにも造詣が深い自動車ジャーナリスト。プライベートでは、各国のクルマを乗り継ぐ。
ポジショニング 10点
プレミアムブランドとして成長していきたいBMWにとって、コンパクトカー市場は絶対に必要なマーケット。それだけに、現行型はユーザーニーズをしっかりと受け止めたコンセプトになっている。初代は少々とんがっていたが、フルモデルチェンジでそこを調整してきたのは流石。結果として、クラスを超えたクオリティ感を味わえる魅力的なクルマになった。
装備 9点
インテリアを見渡してもBMWらしさがしっかりと表現されているという印象。手に触れるスイッチの感触も高級感があるし、オートエアコンやワイドモニターが上手にインストールされているインフォメーションシステムもそう。操作はBMWユーザーならすでにお馴染みのiDriveだから、7シリーズや5シリーズから乗り換えたって違和感はない。
走り 10点
ステアリングの操作に対してクルマがさっと向きを変えるところがBMWらしい。それでいながら快適性だって平均以上なのだから文句なし、というところだ。新車で販売されている後期型には、環境性能に優れる1.5L 3気筒ターボや新世代ディーゼルが存在するが、前期型の1.6L 4気筒ターボにはスムーズさ、上質さという利点があることも嬉しい。
GooWORLD編集部
現行型のBMWがコンパクトカーとはいえ100万円台というのはインパクトが大きいです。セカンドカーとしてはもちろん、ファーストカーとしても実力十分。
ポジショニング 10点
実用性だけでなく、所有する嬉しさや趣味性を求めるとしたら、BMWというのは鉄板の選択肢。だれもが知っている高級ブランドという知名度だけじゃなく、乗ってみると納得の完成度。それはBMWのラインアップでもっとも小さな1シリーズでも同様です。現行モデルは燃費や快適性といった走り以外の要素もハイレベルだから、多くのひとにおすすめです。
装備 9点
初代と現行型のもっとも大きな違いが装備の充実度合い。ちょっとシンプルすぎるという意見もあった初代に対して、現行モデルは登場初期からこれでもか!とばかりに装備が充実。スポーティ路線だけでなく、高級・おしゃれ路線を求めるユーザーにもしっかり対応します。上級モデルやオプション装備として、自動ブレーキが用意されているのも好印象。
走り 10点
家族を乗せたときにはスムーズかつ快適に走り、ひとりのときにはスポーツモードで爽快な走りが楽しめてしまう二面性の持ち主。後輪駆動ならではの素直ですっきりとした手応えはそのままに、先代モデルで重いという意見の多かったステアリングも、今度はちょうどいい塩梅に調整されました。ビギナーからウデに覚えのあるベテランまでオススメ。
BMW 1シリーズ DETAIL CHECK

2015年式 BMW 116i スタイル
全長×全幅×全高 | 4335×1765×1440mm |
---|---|
ホイールベース | 2690mm |
車両重量 | 1430kg |
エンジン | 直4DOHCターボ |
総排気量 | 1598cc |
最高出力 | 136ps/4400-6450rpm |
最大トルク | 22.4kg m/1350-4300rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/ダブルウィッシュボーン |
ブレーキ前後 | Vディスク |
中古車参考価格帯
120万円~390万円(2011年~2016年 ※M135i、M140iを除く) |
モデル主要変遷(BMW 1シリーズ)
2011.09 | フルモデルチェンジ |
---|---|
2012.05 | 一部改良、「Mスポーツ」追加 |
2012.08 | 「M135i」を追加 |
2013.08 | 一部改良 |
2014.08 | 一部改良 ←今回の中古車 |
2014.11 | 「116iヤングライン」追加 |
2015.05 | マイナーチェンジ |
2016.05 | 「118d スポーツ」、「118d スタイル」、「118d Mスポーツ」追加 |
※ナンバープレートはハメ込み合成です。