車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.24 / 掲載日:2015.10.23
由緒ある経歴を持つ本格派クロスカントリー

ランドクルーザープラドはこんなクルマ
乗用車から枝分かれした今風のSUVとは一線を画す、正真正銘のクロカン4WD。V8を積む兄貴(現在は200系)は、巨体と高い価格&維持費が所有の壁となるが、プラドならば手が届きやすい。
2015年式 トヨタ ランドクルーザー プラド TZ-G(6速 AT)
新車価格帯:334万9963万円~513万3927円(全グレード)
主要諸元
2015年式 トヨタ ランドクルーザー プラド TZ-G(6速 AT)
全長×全幅×全高:4760×1885×1835mm
ホイールベース:2790mm
トレッド前/後:1585/1585mm
車両重量:2300kg
総排気量:2754cc
エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
最高出力:177馬力/3400rpm
最大トルク:45.9kg m/1600-2400rpm
JC08モード燃費:11.2km/L
サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/トレーリングリンク
ブレーキ前後:Vディスク
タイヤ前後:265/60R18
本物志向の造りはランクルの血統
日本でRV(レクリエーショナル・ビークル)のブームが起こったのは80年代。マニアの乗り物、もしくは作業用のクルマだったクロスカントリー4WDが、晴れてRVとして市民権を得たのはこの時代だ。
クロカン市場を牽引したのはパジェロで、当時のトヨタは追う立場。若者を中心にハイラックスサーフが人気を博していたが、見た目も走り味も武骨なランクル70系は「マニアック」の位置づけで、新規ユーザーを獲得できずにいた。で、70ワゴンを大きく発展させた、「プラド」を新たに投入することになったのだ。
以来、プラドは90系、120系、150系と進化を続けてきたが、軽佻浮薄の方向に流れるSUVの世界にあって、今も信じるクロカン道を突き進む。頑強なフレーム式ボディと、デコボコ道をものともしないリジッド式のリヤサス、そしてLoレンジを備えたフルタイム4駆メカが、「本物」であることの証だ。
ランクルの血脈のなかでは「ライトデューティ」に位置付けられるプラドだが、メカのタフさは平凡なSUVでは足元も及ばないレベルにある。「どんなところでも走れる」という安心感は、何物にも代えがたい。
そんな話をすると、プラドが旧態依然としたSUVのように思えるだろうが、当然のように時代に合わせて変えるべき点は変わった。120系における電制ダンパーやエアサスの導入は、そのわかりやすい例と言える。そして質感。90系までは機能優先のつくりだったが、120系以降のプラドは上級SUVにふさわしい高級感も盛り込んでいる。
NEWS 最新情報
一部改良で新開発のクリーンディーゼルを設定
新世代の1GD-FTVユニットの投入を機に、国内モデルにディーゼル車を復活させたのが大きな話題。世界トップレベルの熱効率が自慢の種で、177馬力/45.9kgmの高性能と、JC08モードで11.2~11.8km/Lの好燃費を両立させた。尿素SCRシステムの採用により、NOx対策も万全だ。
RIVAL ライバル
三菱 パジェロ

新車価格帯:292万6800円~495万1800円(全グレード)
ハードな走りもこなせるよきライバル
よきライバル関係にあるのはパジェロ。ボディのモノコック化や独立式リヤサスの採用に関しては三菱の思想は異なるが、両車とも4WD-Loレンジを持つ生粋のクロカン4駆だ。ただし、パジェロは3ドアショートを国内でも設定する。
HISTORY of LAND CRUISER
ステーションワゴン
2007年 200系
1998年 100系
1989年 80系
1980年 60系
1967年 55系
ヘビーデューティー
2014年 70系
(国内復活モデル)1984年 70系
1960年 40系
1955年 20系
1951年
トヨタジープBJ型
ライトデューティー
2009年 150系プラド
2002年 120系プラド
1996年 90系プラド
1990年 70系プラド
1985年 70系(ワゴン)
世代別中古車物件比率

もっとも多いのは現行型だが、旧型もまだまだ流通するのがラダーフレームを持つプラドの特色。90年に登場した70系は27%も存在している。
※すべての価格は参考価格です

ラダーフレームシャシーを継承して本格SUVの血統を受け継ぐ最新プラド
150系 (生産期間:2009年~)
今が買い時!マイナーチェンジを経て初期の中古車相場が下降
根強いファンのいるクロカン系モデルは中古車相場が高値で安定する傾向にあるが、2015年6月の8年ぶりのマイナーチェンジを受けて、初期モデルの中古車相場への影響が期待される。
中古車参考価格帯:260万円~650万円 (全グレード)
主要諸元
2009年式 トヨタ ランドクルーザー プラド TZ-G(5速 AT)
全長×全幅×全高:4760×1885×1835mm
ホイールベース:2790mm
トレッド前/後:1585/1585mm
車両重量:2180kg
総排気量:3955cc
エンジン:V6DOHC
最高出力:276馬力/5600rpm
最大トルク:38.8kg m/4400rpm
10・15モード燃費:8.2km/L
サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/トレーリングリンク
ブレーキ前後:Vディスク
タイヤ前後:265/60R18
プラドのパッケージやメカは、3代目の120系で定まった感がある。そのため、フレームやサスなどは改良を加えた上で流用されている。
そのなかで目を引くのはマルチテレインセレクト。ハイテクメカを統合制御することで、路面状況に合う最適な能力を容易に引き出せるようにしたものだ。で、もうひとつの注目は、スタビライザーのON・OFFをスイッチで切り替えるKDSS。オンの操安性とオフの走破性を、ともに高めるマルチな才能を持つ。
エンジンについては、2.7Lの4気筒ガソリンは不足のない性能の持ち主。新型ではATが4速から6速となり、走りと燃費の改善が図られた。でも、パワーにものを言わせたダイナミックな走りが楽しめるのは、やはり4L・V6だ。が、新型のクリーンディーゼルは、低速トルクに関してはそれを上まわる実力を持ち、しかも抜群に燃費がいいのだから、選手交代も当然のこと。クロカンとディーゼルの相性はバッチリだ。
ランドクルーザー プラド(150系)性能チャート
一級品のオフ性能を含め走りのレベルは高い
オフロードの走破性は超のつく一級品。それでいてオンロードの操安性も、気持ちいいペースでドライブを楽しめるレベルにあるのだから、走りの総合力は高く評価できる。静粛性はV6モデル、乗り心地は電制ダンパー付きモデルが高得点を獲得する。そして燃費。従来型V6モデルを想定して3点としたが、新型のディーゼル車なら評価は4.5点に跳ね上がる。
エンジンバリエーション
ボディタイプ 5ドア 乗車定員 5名 7名
2.7L直列4気筒(2TR-FE)
最高出力163馬力 最大トルク25.1kg m(09年~)
4.0LV型6気筒(1GR-FE)
最高出力276馬力 最大トルク38.8kg m(09年~15年)
2.8LV型6気筒ディーゼルターボ(1GD-FTV)
最高出力177馬力 最大トルク45.9kg m(15年~)
MECHANISM メカニズム
優れた基本設計と電子制御の融合
乗り手がビビるような急坂や、岩場、ぬかるみも、余裕でクリアするのがプラド。とくに4WD・Loレンジをセレクトし、マルチテレインセレクトに代表される電子デバイスをフル活用したときの能力は驚くほどだ。フレーム式ボディやリジッドアクスルに、なぜこだわるのかも納得がいく。

INTERIOR インテリア
3列7人乗りで機能性にも優れる
ロング5ドアの魅力は広いキャビン。それを活かして、3列7人乗り仕様を幅広く設定している。そして、シートを格納すれば広大な荷室を生み出せるから、レジャーグッズも楽に積み込める。内装デザインは、機能性の追求を基本に上質なムードを盛り込んだもので、本革シートも設定する。

2列目のスライドができ3列目がきれいに格納できるようになったのが大きな進化点。
MARKET DATA マーケットデータ
コンディションのよい中古車が豊富に流通する
2013年にマイナーチェンジを行ってデザインを一新したプラド。2.7Lガソリン車の前期型は、300万円台前半まで相場が落ちている。しかも低走行車両が豊富にあるので、これからが買い時となる。ちなみに先日追加されたディーゼルは、ほとんど値落ちしていないが、物件数は意外と豊富にある。
グレード×年式別相場
2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2.7Lガソリン | 316万円 | 349万円 | 334万円 | 302万円 | 320万円 | 366万円 | 382万円 |
4.0Lガソリン | – | 323万円 | 327万円 | 334万円 | 356万円 | 440万円 | – |
2.8Lディーゼル | – | – | – | – | – | – | 562万円 |
走行距離×年式別相場
2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1万km未満 | – | – | 295万円 | 313万円 | 367万円 | 369万円 | 514万円 |
1万km~3万km | 323万円 | – | 299万円 | 310万円 | 317万円 | 371万円 | 368万円 |
3万km以上 | 313万円 | 344万円 | 350万円 | 303万円 | 311万円 | 323万円 | – |
年式
発売初期の年式は割合が少ない。もっとも多いのが12年式と15年式。後者はディーゼル追加の影響もあるはずだ。走行距離
全体的に低走行な車両が目立つ。1万km未満が4割弱。ただし高年式の物件が多く、相場はやや高め。

グレード
スタンダードな4気筒モデルが大半を占めている。しかし登場したばかりのディーゼルも17%と豊富。
オンロードの乗り心地にもこだわったマルチユース対応の本格オフローダー
120系プラドの魅力は、グッとスポーティになったエクステリア。オフローダー然とした従来の90系と比べるとマルチな走りを披露。もちろんラダーフレーム由来の力強い走破性も備え、旧来のファンのニーズにも応えている。
120系 (生産期間:2002年~2009年)
中古車参考価格帯:120万円~360万円 (全グレード)
主要諸元
2002年式 トヨタ ランドクルーザー プラド RZ(4速 AT)
全長×全幅×全高:4340×1875×1870mm
ホイールベース:2455mm
トレッド前/後:1575/1575mm
車両重量:1830kg
総排気量:3378cc
エンジン:V6DOHC
最高出力:185馬力/4800rpm
最大トルク:30.0kg m/3600rpm
10・15モード燃費:8.1km/L
サスペンション前/後:ダブルウィッシュボーン/トレーリングリンク
ブレーキ前後:Vディスク
タイヤ前後:265/65R17
90系プラドがトヨタ色を打ち出せずにいたのは、宿敵のパジェロを意識しすぎていたから。だが、120系となってプラドは大変身。スタイルの面だけでなく、メカや走りのテイストにおいても、ランクル・シリーズの「ライトデューティモデル」としての方向性を確立させた。
たとえば、40対60の前後トルク配分としたトルセン式センターデフを使うフルタイム4WDメカ。これは、オンロードのたしかなハンドリングと、ランクルに求められる悪路におけるトラクション性能を、高い次元で融合させることを目的に採用された。加えて、ダウンヒルアシストやアクティブTRC(トラクションコントロール)などのハイテクも、この世代で導入している。
そして、もうひとつの大きな変化は、ロング5ドアがレクサスGX(日本未導入)の母体となったこと。V8搭載にあわせて、基本の部分から徹底して鍛えられたわけだ。120系におけるプラドの成長は著しい。
ランドクルーザー プラド(120系)性能チャート
知っておきたい3ドアと5ドアの違い
3ドアについては、ショートボディならではの軽快なフットワークや、悪路での高い機動性が光るところ。とくに2.7Lモデルは軽やかな印象だ。でも、5ドアを150系と比べれば、いろいろな面で古さを意識させられることになる。わかりやすい例を挙げれば、オンロードでの操縦安定性や乗り心地の快適度。また、ディーゼルの音振性能にも時代の違いを感じる。
エンジンバリエーション
ボディタイプ 3ドア 5ドア 乗車定員 5名 8名
2.7L直列4気筒(3RZ-FE)
最高出力150馬力 最大トルク24.0kg m(02年~04年)
2.7L直列4気筒(2TR-FE)
最高出力163馬力 最大トルク25.1kg m(04年~09年)
3.3LV型6気筒(5VZ-FE)
最高出力185馬力 最大トルク30.0kg m(02年~05年)
4.0LV型6気筒(1GR-FE)
最高出力249馬力 最大トルク38.8kg m(05年~09年)
3.0L直列4気筒ディーゼルターボ(1KD-FTV)
最高出力170馬力 最大トルク35.9kg m(02年~09年)
INTERIOR&MECHANISM
まだまだ現役で通用するクオリティの高さ
クリーンにまとめた内装は、いま見ても十分な魅力を持つ。写真は3ドアだが、十分な室内空間を有することがわかる。メカについては、しっかりとした骨格がカギ。頑丈なラダーフレームを基本に前ダブルウイッシュボーン/後ラテラルロッド付き4リンク式サスを採用する。

HILUX SURF

メカニズムを共有するハイラックスサーフとの違いは?
210系は国内版サーフの最終型。120系プラドとフレームなどを共有するが、いくつかの点で異なる特徴を持つ。まずは低さ。サーフのルーフは低めで、乗用車ライクな乗車姿勢を採用する。そして駆動方式。サーフには2WDの設定もあり、4WDの場合でも2駆に切り替えられるマルチモード式を採用。スポーティなフットワークが持ち味。
MARKET DATA マーケットデータ
走行距離が伸びているが物件豊富な先代プラド
先代プラドも豊富に流通するが、走行距離が10万kmオーバーの個体も少なくない。相場は、初期型ならば100万円台前半からねらえるが、高年式は200万円前後。ディーゼル搭載モデルの価格が高めなのも知っておきたい。
グレード×年式別相場
2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2.7Lガソリン | 148万円 | 146万円 | 159万円 | 169万円 | 177万円 | 199万円 | 181万円 | 273万円 |
3.3Lガソリン | 133万円 | 147万円 | 155万円 | 148万円 | – | – | – | – |
4.0Lガソリン | – | – | – | 184万円 | 191万円 | 217万円 | 241万円 | 248万円 |
3.0Lディーゼル | 198万円 | 177万円 | 232万円 | 237万円 | 280万円 | 276万円 | – | – |
走行距離×年式別相場
2002年 | 2003年 | 2004年 | 2005年 | 2006年 | 2007年 | 2008年 | 2009年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
5万km未満 | 159万円 | 152万円 | 174万円 | 185万円 | 230万円 | 222万円 | 267万円 | 250万円 |
5万km~8万km | 138万円 | 149万円 | 160万円 | 162万円 | 189万円 | 204万円 | 222万円 | 270万円 |
8万km以上 | 138万円 | 152万円 | 153万円 | 182万円 | 202万円 | 230万円 | – | 269万円 |
IMPRESSION インプレッション
ユーザー口コミレビュー
150系 総合評価:3.8/5.0
よいところは走破性能の高さです。ランドクルーザー200系に比べると扱いやすいボディサイズ。また、ランドクルーザーとしてはリーズナブルに買えることも魅力。気になるところは、デザインがちょっといかつすぎて個人的には好みではありません。
150系 総合評価:4.4/5.0
先進のハイテクデバイス、安全装備も選べます。200系ランドクルーザーとの違いは、ボディの大きさだけ。日本で乗るなら、もちろんプラドのほうが扱いやすいはずです。V6エンジンの走りは力強く、静粛性にも優れていて高速クルージングも快適です。
120系 総合評価:4.4/5.0
内外装はいまのクルマにはない華やかさがあります。室内も広く、2列目は3人乗っても問題ない広さです。静粛性が高く、車内に入ればノイズはほとんど聞こえません。燃費は8~8.5km/Lとあまりよくないのが気になるところです。
※口コミレビューは、Goo-netに投稿されたものを一部抜粋・改変して記載しています。総合評価は5点満点。

自動車ジャーナリスト森野恭行の○と×
GOOD
あらゆるシーンで頼りになる走りの実力
「使う、使わない」の話は置いておいて、ランクルの名に恥じない悪路走破性が最大の褒めポイント。「本気」のプラドは凄い!
そんな本格クロカンでありながら、日常の快適性と、高速クルーズにおける安心感も高度にバランスさせている点も高く評価できる。だから街乗りも、遠乗りも快適。想像以上に守備範囲が広いのが、プラドの大きな魅力だ。
BAD
走りへのこだわりから燃費性能は誇れない
頑丈なフレームを採用し、高い耐久性を誇るメカで身を固めるため車重は重め。それが、燃費を悪化させ、コーナリングやブレーキ性能の足を引っ張る要因となる。能力は十二分なものだが、重心高も高いから無理はしないほうがいい。また、抜群の見晴らしをもたらす高い目線も、よい面ばかりではない。フロアや着座位置が高く、乗降性が弱点となる。
※すべての価格は参考価格です
※中古車参考価格はすべてGoo-net9月調べ。