車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.30 / 掲載日:2014.03.27
【徹底紹介】フォード フォーカス

フォード復活を象徴する高品質なグローバルモデル

フォーカスの前身は・・・走りのよさで定評があったエスコート。ラリーやレースで実証した走りのDNAは、98年登場のフォーカスにもきちんと受け継がれ、欧州を中心とするCセグメント市場で大成功を収めた。日本市場にも導入され、通好みのモデルとして高く評価されていたから、ご存じの方も多いと思う。
だが、残念ながら日本への輸入は、2代目の半ばで途切れることに。日本市場における戦略の変更が理由で、一時のフォード車はアメリカ製を中心としたラインアップとなった。
ところが、先代クーガを欧州から導入したあたりから、またも流れは変わる。よりグローバルな視点から、魅力あるモデルを取りそろえる戦略に変わったのだ。フォーカスの復活は、それを象徴する出来事だ。
では、11年に欧米でリリースされた3代目は、果たしてどんなモデルなのか?かつては欧州フォードの大黒柱のイメージだったが、今のフォーカスは「ONE Ford」の戦略の基で、Cセグメントのグローバル戦略車として開発されている。

なんと、2012年の1から9月期のデータでは、単一車種として世界一の販売台数を記録したという。そうした実績を引っさげて、新型フォーカスは日本に登場したわけだ。
日本向けモデルの生産を担当するのはタイ工場で、「なんだ欧州製じゃないのか」と落胆するファンもいるかも!?しかし、FTM(フォード・タイランド・マニュファクチュアリング)は12年6月に開設した最新鋭の工場。高度な生産設備を備え、欧米の工場を凌ぐほどの品質を誇ると言うから、信頼性は十分に高い。
ボディタイプは5ドアハッチバックで、グレードはエアロパーツや17インチタイヤなどを標準装備する「スポーツ」となる。気になる心臓は、直噴採用の2Lと6速パワーシフト(デュアルクラッチトランスミッション)のコンビで、日本のニーズを考え抜いての選択としている。
文●森野恭行 写真●GooWORLD
お問い合わせ●フォードお客様相談室 TEL:0120-125-175
Detail
フォード フォーカス スポーツ(6速AT)
全長×全幅×全高 | 4370×1810×1480mm |
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ホイールベース | 2650mm |
トレッド前/後 | 1555/1545mm |
エンジン | 直4DOHC |
総排気量 | 1998cc |
最高出力 | 170ps/6600rpm |
最大トルク | 20.6kg m/4450rpm |
サスペンション前/後 | ストラット/マルチリンク |
タイヤサイズ前後 | 215/50R17 |
HISTORY
2013.04 | フォーカスをフルモデルチェンジ 先代同様5ドアのみで、専用ボディキット、リヤスポイラー、17インチアルミを装着する「スポーツ」の1グレードが導入される。パワートレーンは2L+6速ATが組み合わされる。 |
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2013.11 | 限定車「ミッドナイトスカイ」を発売 55台の限定車が登場。車名と同じく「ミッドナイトスカイ」のボディカラーに専用デザインの18インチホイール、さらにインダッシュ式の地デジフルセグチューナー付きナビを採用。 |
気軽さだけでない細部にまで漂うクオリティ感

各ブランドの肝入りモデルが覇を競うCセグメント市場にあって、フォーカスはスポーティなキャラクターをウリとしている。キネティック(動的な)デザインを採用した3代目は、一段と個性を明確にした。
3サイズは4370×1810×1480mmで、VWゴルフと比べれば全長はやや長め。2650mmのホイールベースはクラスの平均といった値で、家族ユースを楽にこなす余裕あるキャビンとラゲッジをパッケージしている。ルーフラインはクーペ風だが、後席ヘッドクリアランスにも十分なゆとりがある。
キネティックデザインはインテリアにも応用され、コックピットは全体にモダンかつスポーティな演出。質感や仕上げは現代のCセグの高い水準をクリアするもので、先代からの進化がよくわかる項目と言える。
エンジンのスタート/ストップ機構は非搭載だが、にわかに関心が高まる自動ブレーキについては「アクティブシティストップ」を標準化してきちんと対応している。ブルートゥース対応のマルチメディアシステム(SYNC)やボタン式のエンジンスターターも、フォーカスのモダンさをアピールするアイテムだ。
ちなみに、前席はサポート性に優れたハーフレザー仕様のスポーツシートで、オーディオはSONY製の9スピーカーシステムを採用。クルーズコントロールやスマートキーレスエントリーシステムも標準で、装備は全般に充実している。
中央に4.2インチカラー液晶ディスプレイを配置し、豊富な情報を提供する。メーター指針はブルーだ。
シフトセレクターの操作法は一般的ATと同じ。シフトノブ脇のスイッチでシーケンシャルシフトが行える。

定員乗車時で316L、後席可倒時で1101Lという十分な容量。
一連の進化によって走りの質は新たなレベルへ
プラットフォームの基本はキャリーオーバーだが、マルチリンク式のリヤサスやフロントのサブフレームは新設計。サスの取り付け部を中心として、全体に強度や剛性を強化したボディも見逃せないところで、トータルとしての能力強化が図られた。そのねらいは、定評のアジリティ(敏捷性)をより進化させ、同時にクラストップレベルの快適性を達成することだったという。トレッドのワイド化やステアリングギヤ比の変更(16から14.7)、トルクベクタリングコントロールの導入も注目点で、事実としてフォーカスのハンドリングは一段と冴えたものになった。乗り心地とのバランス点も高い。
フォードの「エコブースト」は直噴+ターボの技術だが、フォーカスの2Lは自然吸気+直噴の組み合わせ。自然なレスポンスとトルク特性が快感を生むポイント。
6速DCTの「パワーシフト」はゲトラグ製。変速は特別早くはないが、発進や微速時を含めてクラッチ操作や変速はスムーズで、洗練度は高い。あとほしいのは・・・パドルだ。
衝突安全性はユーロNCAPと米国NHTSでともに5つ星を獲得する実力。旧モデルを約15%上まわるねじり剛性も自慢で、「強いボディ」は走りの進化にも大きく貢献する。
何よりも光るのは走りの素性のよさ

スタイルと同様に、走り味も個性的なのがフォーカス。まず魅力をアピールするのは心臓で、ダウンサイジングターボとは明確に異なる魅力をアピールする。6000回転台後半まで軽やかに吹け上がり、心地いいサウンドを響かせるから、峠道などでは積極的にスポーティ走行を楽しみたくなる。170馬力のパワーは十分なもので、ターボとは異なる自然なレスポンスが快感を誘う。
そして、「走りのフォーカス」をより印象づけるのはシャシー性能。先代もきれいに動く足を備えていたが、新型のロードホールディング性は一段とレベルが高い。「スポーツ」はハードめにセットしたダンパーを採用するため、本領を発揮するのはペースを上げ気味にしたときだ。
ESP(横滑り防止装置)を応用したトルクベクタリングも効果的で、おもしろいようにコーナーワークが決まる。単に回頭性がよく、ハンドリングが正確なだけでなく、うねりや凹凸も見事に吸収して、安定した姿勢を保つ点がじつに素晴らしい。
気になるのは・・・中立付近にフリクション感が残る電動パワステや、パドルシフトの設定がない点(シフトノブのスイッチは使いづらい)だが、加点要素のほうがはるかに多いことはたしか。新型も、ファンな走りで好き者を虜にするのは間違いない。
ラインアップの充実を期待してしまうデキのよさ
輸入車のなかでも、粒ぞろいのモデルが揃うのがCセグメントだ。そんな市場にあって、フォードには数年のブランクがあったが、グローバル色を強めた新型フォーカスで「日本復帰」を果たした。1グレードのみの設定のため、モデル選択で迷う要素はないが、内外装をよりスポーティに演出するオプションパーツを展開しているから、注目してみるといいだろう。で、今後に望むのは、欧州で人気の1L&1.6Lエコブーストの心臓や、本格ホットハッチの「ST」の日本での展開。「いろいろなフォーカスを楽しみたい!」と考えるファンが多いはずだ。
中古車市場データ
中古車市場データ
登場してから間もないため、流通している物件はそれほど多くない。ただし価格は200万円から250万円と新車の7~8割くらいに落ちているので、お買い得度はそれなりに高い。