車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.10.30 / 掲載日:2014.05.09
HONDA ACCORD セダンを愛するすべての人に

1976年に登場して以来、40年近くにわたり生産され続けてきたホンダ・アコード。時代に合わせたセダンの理想型を追求し、ホンダの上級車として進化をし続けている。落ち着いた佇まいのなかに秘めたホンダスピリットを感じさせる走りは、多くの人を魅了する。
ホンダ アコードはこんなクルマ!

アコードは日本を代表するグローバルミドルセダンの一台。1982年の2代目は海外で初めて生産された日本車として名を残す(米オハイオ工場)。トータルバランスの高さが毎年ベストセラー争いを続ける北米をはじめ、世界中で評価されている実力派だ。
各地域の“最適”であり続けるワールドカー
アコードは1976年の初代以来、ホンダの独創性や先進技術を特徴とするひと味違ったミドルサイズモデルとして、国内ユーザーに親しまれてきた。しかし、この10年あまりは日本の枠を飛び越え、海外に軸足を置いたグローバルモデルという性格を強めている。
真のワールドカーとして世界各地域のニーズにきめ細かく応えるべく、6代目では世界共通フレキシブルプラットフォームを導入し、日本・北米・欧州・アジアの4極それぞれにボディを専用化。5代目はアメリカの側面衝突基準をクリアする全幅1760mmのワイドボディだったが、国内向けには5ナンバーボディが復活した。
だが、それも1代限りに。国内はセダン市場の陰りがさらに強くなり、7代目は日本専用ボディが姿を消し欧州向けと統合された。再び全幅1760mmとなったワイドボディは、CD値0.26の空力性能や優れた剛性を実現。余裕の2.4Lエンジンとともに欧州色を強めた。
国内向けの統合に欧州向けが選ばれたのは、ボディサイズやユーザーの嗜好が比較的近いため。さらに大型化された北米向けは、国内に4~5代目のインスパイアとして導入されている。
しかし、その欧州でもFFのミドルサイズは大型化や高級化が従来以上に進行。8代目の欧州向けも全幅が北米向けと同等のワイドボディになり、国内では欧州車と競合するアッパーミドルのプレミアムセダンとして新たに打ち出された。
そして、9代目となる現行型では統合を北米向けにスイッチ。全長も一気に大型化されたが、国内向けはユーザー待望のHV(ハイブリッド車)専用モデルとして心機一転、好調なスタートを切っている。
本格的な欧州基準を先取りした7代目~8代目も、今ではボディサイズの違和感が薄らいだ。良質な中古車の対象として、アコードを再検証するにはいいタイミングと言えよう。
RIVAL ライバル リサーチ
マツダ アテンザ

中古車参考価格帯 210万~330万円 ※平成24年~平成26年式の相場です。※セダン
先進ディーゼル搭載のFFスポーツセダン
“既存技術の革新”スカイアクティブテクノロジーをスタイリッシュボディで包み、2012年11月登場。セダンの主力市場は北米・中国で、欧州メインのワゴンよりロングホイールベースを採用。世界最先端の2.2Lクリーンディーゼル、レギュラーガソリンの2.5L&2Lを搭載する。
トヨタ カムリ

中古車参考価格帯 180万~370万円 ※平成23年~平成26年式の相場です。※全グレード
最強ライバルとなるHV専用セダンの先達
北米でベストセラーに君臨し続けるアコードの最強ライバル。2011年9月にフルチェンジ、アコードと同じく国内にはHV専用として導入された。ハイブリッドシステムは、新世代の2.5L THS II。乗り心地は意外にも締まったもので、足まわりはフラット感をねらった国内専用チューンだ。
スバル レガシィB4

中古車参考価格帯 130万~350万円 ※平成21年~平成26年式の相場です。※全グレード
走りなら負けない4WDスポーツセダン
レガシィB4も2009年のフルチェンジで本格的なグローバルサイズに生まれ変わった。レギュラー仕様の2.5L、300馬力の2L直噴ターボという2つの水平対向エンジンに、全車フルタイム4WDを採用。チェーン式CVTもユニーク。北米では新型が発表され、国内にも年内に登場予定。
HISTORY OF ACCORD アコード ヒストリー
9世代にも及ぶ長い歴史を持つ
Past Model 過去モデル
昭和51年5月 初代アコードを発売
昭和56年9月 2代目アコードを発売
昭和60年6月 3代目アコードを発売
昭和64年9月 4代目アコードを発売
平成5年9月 5代目アコードを発売
平成9年9月 6代目アコードを発売
平成14年10月 7代目アコードを発売
平成20年12月 8代目アコードを発売
New Model 最新モデル
平成25年6月 9代目アコードを発売
世代別中古車物件比率

全部で9世代に渡って生産されてきたアコードだが、6代目以前のモデルはかなり少なくなった。もっとも多いのは先々代。現行型はまだ流通量が少ない状況だ。
※すべての価格は参考価格です

9th(CR5・CR6/現行)販売期間:平成25年~
リッター当たり30kmの低燃費を実現する2モーター式ハイブリッドサルーン
中古車参考価格帯 300万~390万円 ※平成25年式の相場です。
ホンダ アコードハイブリッド EX(CVT)
全長×全幅×全高:4915×1850×1465mm
車両重量:1630kg
排気量:1993cc
エンジン:直列4気筒DOHC+モーター
最高出力(エンジン):143ps
最大トルク(エンジン):16.8kg m
最高出力(モーター):169ps
最大トルク(モーター):31.3kg m
燃費:30.0km/L(JC08モード)
セダンの高い資質とハイブリッドが融合
9代目となる国内向けの現行アコードは、4世代ぶりに北米向けと統合された。双方ともに新開発のハイブリッドシステムを搭載するためだ。ただし、北米向けはガソリン車が主力だが、国内向けは競合車のカムリと同じくHVのみの設定。HV専用モデルとして生まれ変わり、伝統のワゴンも姿を消している。
ボディは欧州向けと共通だった先代から、全長が185mm拡大。うちホイールベースは70mmだが、前後席間距離は90mmも余裕を増している。全幅は先代と同じだが、室内幅も50mmプラス。現行型は旧インスパイアと統合されたかたちだが、内外装の質感もそれに恥じない。
スポーツハイブリッド「i-MMD(インテリジェント・マルチモードドライブ)」と呼ばれるシステムは、ホンダ初の2モーター式。2Lアトキンソンサイクルエンジンと相まって、車重1600kgを超えるアッパーミドルサイズながら、JC08モード燃費はトヨタ・プリウス並みの30.0km/Lを達成。カムリの23.4km/Lと比べれば、そのエネルギー効率の高さがわかるだろう。
最大700Vにおよぶバッテリーの昇圧やVTECパワーなどにより、146kWのシステム出力も両立。走りの面でも妥協はない。
グレードはEXとLXの2つ。違いは先進安全装備の有無だけで、ナビゲーションやGPS制御偏日射コントロール式エアコン、パワーシートなど充実装備が全車標準となる。
EXTERIOR エクステリア
ハイブリッドを表現したフロントのクリアブルー
スタイリングはセダンらしい端正なたたずまいの中に、所有感を満足させる知性と大胆さを表現。ボディは中央を外側に張り出させ、室内幅を広げたバレルシェイプ(樽型)だ。ロービームにはホンダ初のLEDヘッドライトを採用。

グリルは上質なブラック塗装のハニカム形状。アルミホイールは空力性能に優れたディッシュタイプデザイン。
INTERIOR インテリア

オーディオ操作は先進のタッチスクリーン
インパネデザインは左右の広がりによる開放感と、走行テストも反映した包み込まれるような安心感を両立。新製法の革シボはふっくらした自然な風合いを備える。ファブリックシートには再生PETとバイオファブリックを採用。
MECHANISM メカニズム
ホンダの自信作2モーターハイブリッド
2L VTECエンジンは低燃費のアトキンソンサイクルとパワフルな出力を両立。EV走行はバッテリーで、ハイブリッド走行は発電用モーターで走行用モーターを駆動する。高速巡行はクラッチで直結したエンジンだけで走行。

駆動用バッテリーは高性能なリチウムイオン。出力密度はインサイト用ニッケル水素の約3.5倍、エネルギー密度は約1.7倍を誇る。
SAFETY セーフティ

上級グレードEXは衝突軽減ブレーキ搭載
ミリ波レーダーで前方を監視する自動ブレーキは、低速域で衝突を回避または被害を軽減。車間を自動的に保つアダプティブクルーズコントロール、車線維持のステアリング操作を支援するレーンキーピングアシストも備える。
PLUG-IN HYBRID プラグインハイブリッド
さらなる燃費を追求する人にはプラグインハイブリッドも選べる
国内では公官庁中心の法人向けだったプラグインハイブリッドが、昨年12月から一般ユーザーにも400台限定でリース販売。車両は新グレードのSXで、外部給電機能に替えて衝突安全ブレーキなどを搭載する。EV走行距離37.6km、複合燃費率70.4km/Lの性能は従来どおりだ。

リチウムイオンバッテリーの容量は6.7kWhで、標準タイプ(1.3kWh)の5倍強。ほかのシステムは共通だ。
MARKET DATA ACCORD 9th
登場から1年近くが経過して中古車も揃ってきた
日本におけるセダンの市場が縮小傾向にあるため、中古車の数もかつてに比べるとやや少ない。しかし登場から1年が経過し、ようやく中古車も出そろってきている。多くの物件は走行距離が1万km未満の程度良好車。しかし相場もまだまだ高値なので、お買い得を求めるなら、もうしばらく待ったほうがよいかもしれない。グレードはスタンダードな「LX」が大半を占めている。
グレード×年式別相場
平成25年 | |
---|---|
LX | 334万円 |
EX | 366万円 |
年式
平成25年に発売されたアコードハイブリッド。今年登録された中古車はまだ市場に流通してないので、このようなグラフとなっている。グレード
アコードハイブリッドは「LX」と「EX」の2グレード構成で、セダンのみ。後者は衝突軽減ブレーキやクルーズコントロールが標準装備となる。

走行距離
走行距離は、5000km未満がおよそ6割、5000km以上が4割。さらに1万kmを超えた物件はほぼ皆無。極めて良好な状態の車両が揃う。
8th(CU1・CU2/先代)販売期間:平成20年~平成25年
実用と走りをとことん追求したミディアムサルーンの秀作
中古車参考価格帯 120万~340万円 ※平成20年~平成25年式の相場です。※ツアラーを含む
ホンダ アコード 24TL(5速AT)
全長×全幅×全高:4730×1840×1440mm
車両重量:1510kg
排気量:2354cc
エンジン:直4気筒DOHC
最高出力:206ps
最大トルク:23.7kg m
燃費:11.2km/L(JC08モード)
欧州流の本格的なプレミアムセダンに
先代の8代目は、7代目から全長を65mm、全幅は一気に80mmも拡大。欧州のトレンドに従い、ボディの思い切ったワイド化を進めた。内外装の質感も大幅に高められ、FFの日本車では希少なプレミアムセダンに転身を遂げた。
エンジンもプレミアム仕様の2.4L DOHC i-VTECのみでスタート。主力は「24TL」で、トップグレードの「24iL」はナビやGPS制御偏日射コントロール式エアコン、追突軽減ブレーキなどを標準装備。
マイナーチェンジではレギュラー仕様の2Lが復活するとともに、2.4Lは「タイプS」としてシャシーや内外装のスポーツ性を高めた。
INTERIOR インテリア

高級感を高めながら実用性も両立
インパネは高密度なシボの表皮と無垢の金属を表現したパネル、外周指針メーターなどによってプレミアム感と先進感を強調。グローブボックスとコンソールボックスにはドリンクを保冷・保温できるエアコンバルブを備える。
デイリーユースの強い味方ツアラーもラインアップ

ワゴンの設定も歴代アコードの特徴だ。8代目はセダン同様、欧州勢に負けないプレミアムワゴンを標榜。絶対的なラゲッジ容量よりもリヤまわりを絞り込んだスタイリッシュ性を重視、車名もツアラーに改められた。ワゴンならではの使い勝手はもちろん確保する。
MARKET DATA ACCORD 8th
良コンディションの物件が揃う先代モデル
先代モデルは、価格とコンディションのバランスがよく、いま買いの時期を迎えている。走行距離を見ると、1万km未満の物件は全体の1割弱程度。中心となるのが3~5万kmとなっている。グレードは、「24TL」や「タイプS」の割合が多い。ボディタイプはセダン、ツアラーが存在するが、後者の方がやや多く流通する。
走行距離×年式別相場
平成20年 | 平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | 平成25年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1万km未満 | – | 185万円 | – | 212万円 | 222万円 | 268万円 |
1~3万km | 169万円 | 168万円 | 236万円 | 213万円 | 209万円 | – |
3~5万km | 163万円 | 162万円 | 158万円 | 244万円 | 250万円 | – |
5~8万km | 154万円 | 150万円 | – | – | – | – |
8万km以上 | 123万円 | 141万円 | – | – | – | – |
グレード×年式別相場
平成20年 | 平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | 平成25年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
20TL | – | – | – | 186万円 | 190万円 | 230万円 |
24E | – | 149万円 | – | – | – | – |
24TL | 159万円 | 162万円 | 171万円 | – | – | – |
24iL | 146万円 | 170万円 | – | – | – | – |
タイプS | – | – | – | 238万円 | 245万円 | 281万円 |
7th(CL7・CL8・CL9/先々代) 販売期間:平成14年~平成20年
開発コンセプトは「ニュークオリティツアラー」
ホンダ アコード 24TL(5速AT)
全長×全幅×全高:4665×1760×1450mm
車両重量:1430kg
排気量:2354cc
エンジン:直列4気筒DOHC
最高出力:200ps
最大トルク:23.7kg m
燃費:12.0km/L(10・15モード)
中古車参考価格帯 30万~240万円 ※平成14年~平成20年式の相場です。※ワゴン含む
ボディは5ナンバーの6代目から全長が30mm、全幅は65mm拡大し、欧州流のワイドプロポーションに一新。ワゴンは開発責任者が異なるのもこの代の特徴で、積載力にこだわった結果、リヤ全体が別のクルマ並みに専用設計された。エンジンはDOHC i-VTECで、プレミアム仕様の2.4Lは全車共通。量販タイプはセダンが2L、ワゴンは2.4Lのレギュラー仕様でスタートした。マイナーチェンジでワゴンも2Lを搭載。セダンは24TLに専用サスのスポーツパッケージを追加し、さらにタイプSへと発展する。
快適性を備えた“R”は今でも貴重な存在

快適性をそのままにスポーツ性を引き上げたユーロRも6代目から進化。8000rpmで220馬力を絞り出す専用の2L DOHC、6速MTにヘリカルLSDを搭載。足まわりも当然ハードな専用チューン。エアロバンパーやレカロシートなどの内外装も魅力。
MARKET DATA ACCORD 7th
アコードの中古車の大半を占める先々代
中古車の割合で見ると、この世代はかなり物件が豊富で価格もリーズナブル。ただし走行距離は5万km以上の物件が多い。また走りの「ユーロR」は人気が高く、高値で取引される。
走行距離×年式別相場
平成14年 | 平成15年 | 平成16年 | 平成17年 | 平成18年 | 平成19年 | 平成20年 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1万km未満 | 50万円 | – | – | – | – | – | – |
1~3万km | – | 72万円 | 59万円 | 70万円 | 90万円 | 149万円 | 84万円 |
3~5万km | 65万円 | 65万円 | 85万円 | 89万円 | 128万円 | 136万円 | 194万円 |
5~8万km | 52万円 | 71万円 | 89万円 | 84万円 | 89万円 | 130万円 | 145万円 |
8万km以上 | 56万円 | 73万円 | 89万円 | 62万円 | 105万円 | 129万円 | – |

ジャーナリスト・戸田宏治氏の歴代
アコードインプレッション
9th(現行)

頼もしく洗練されたi-MMD重厚かつ上質な走り味も両立
i-MMDは完全にモーターが主役。バッテリーが十分ならEV走行は高速の100km/h巡行までカバー。急加速の俊足ぶりは約199馬力のシステム出力を実感させる。ジェネレーターを駆動するエンジンもホンダらしくハイレスポンス。電動サーボブレーキはフィーリングがじつに自然だ。電動パワステは手ごたえがいまひとつだが、走り味は上質。
8th(先代)
プレミアムセダンにふさわしい走りのスポーツ性と質感
2.4Lは先代と同じK24A型だが、ほぼ全面的な見直しによってトルクが底上げ。プレミアム仕様は5000rpmでVTECが高回転カムに切り換わり、206馬力のパワーを堪能させる。ステアリングはクイックかつダイレクト。「タイプS」は18インチタイヤの性能をロール剛性の高いサスがフルに引き出す。156馬力の2Lでも実力は十分だ。
7th(先々代)
欧州勢に見劣りしない走りユーロRも刺激的のひと言
200馬力の2.4Lは5速ATでも文句なくパワフル。ワゴンのレギュラー仕様でも同様のトルクが得られるが、パワーは160馬力で迫力と切れ味が全然違う。前後ダブルウィッシュボーンのサスは強かさとしなやかさを兼ね備え、スポーティな走りと上質な乗り心地を両立。「ユーロR」はトルクが今一つだが、8000rpmまで回せるパワーバンドは刺激的だ。
※すべての価格は参考価格です