車種別仕様・中古車評価・まとめ
更新日:2018.11.20 / 掲載日:2014.03.07
PIONEER OF THE PREMIUM SUV HARRIER

それまでのSUVとは一線を画すクロスオーバーモデルとして平成9年にセンセーショナルなデビューを飾ったハリアー。そんな独自のジャンルを築きあげ、世界的なブームを作ったプレミアムクロスオーバーSUVのパイオニアを徹底解剖する。
時代を先取りしたクロスオーバーSUV
SUVの優れたラフロード性能を備えながら、乗用車並みの快適性や運動性能を持つクロスオーバーSUV。いまでは世界的に人気のジャンルにまで発展し、日本国内はもとより、ポルシェやBMWといった欧州の自動車メーカーからも数多くのモデルがリリースされている。しかし、クロスオーバーSUVという新たなジャンルを築き、知名度を高めたのはトヨタ・ハリアーにほかならない。
平成9年に登場した初代は、カムリのプラットフォームをベースに開発され、高いロードクリアランスを確保しながら従来のSUVとは大きく異なるスタイリッシュなボディを採用。そして、高級サルーン並みの快適性とSUVの機能性を融合したコンセプトがウケ、国内外で大ヒットを記録したのである。また、北米にはレクサスブランドの「RX」として投入され、人気を博したのだ。
平成15年には2代目へモデルチェンジ。初代のコンセプトを受け継ぎながらも、より洗練されたデザインや先進技術を導入。いっそう快適性が高められ、プレミアムSUVとしての価値もより高められた。また、デビューの約2年後にはハイブリッドモデルを追加。プリウスで培った技術が惜しみなく投入され、優れた燃費・環境性能とパワフルな走りを両立した新世代のSUVとして瞬く間に注目を集めた。
そして、現行となる3代目が2014年11月にデビュー。このモデルから国内専売車種となり、ボディサイズは若干小型化。エンジンもダウンサイジングが図られ、時代のニーズにマッチしたクロスオーバーSUVに進化したのである。もちろんハイブリッドモデルもラインナップしており、環境性能の高さも大注目だ。
このように、新型が登場して現在注目度が上昇中のハリアー。中古車市場でも魅力的な存在で、買い得感の高い物件が多く流通している。アナタもぜひ、人気クロスオーバーSUVを手に入れてみてはいかが!?
ダウンサイジングで生まれ変わった新型ハリアー
ハイブリッド・プレミアムアドバンスドパッケージ(CVT / 4WD)
新車価格:447.0万円
ハイブリッド・プレミアムアドバンスドパッケージ(CVT / 4WD)
全長×全幅×全高:4720×1835×1690mm
エンジン:直4気筒DOHC+モーター
排気量:2493cc
最高出力:152ps
最大トルク:21.0kg m
国内専売車となりダウンサイジングを敢行
「高級・進化・新規」を開発キーワードに、昨年デビューした新型ハリアー。最大の特徴は、ダウンサイジングされたことだろう。国内専売車となったことで、全長および全幅を縮小。より日本の道路事情に適したサイズとなったのだ。それでいてパッケージングを見直すことで室内空間の居住性が向上しているのだから、ユーザーには頼もしいかぎりだ。
そしてエンジンも小排気量化。ガソリン車は全車2L直4となり、ハイブリッドも2.5L直4に2つのモーターが組み合わされるようになった。また、パノラミックビューモニターやオートマチックハイビーム、レーンディパーチャーアラートといった先進装備の数々も見逃せないポイントだ。
グレードは、ベースとなるグランド、上級シート採用のエレガンス、18インチホイール装着のプレミアム、先進装備満載の同アドバンスドパッケージの4種で、ガソリン車とハイブリッド車それぞれに設定される。
インテリアカラーはディープボルドーのほか、ブラックとアイボリーを用意。シート表皮は、本皮とファブリック+合成皮革がある。
ダウンサイジングしながらも、ゆとりある快適な居住空間を確保。もちろん、リヤシートを倒せば広いラゲッジスペースに早変わり。
ショックアブソーバーを床下に配置したリヤサスペンションにより、ラゲッジスペースは先代よりも拡大。大容量の床下収納も備わる。
対応スマートフォンなら置くだけで充電可能な「おくだけ充電」は国内初の装備。スマートフォンの普及率が高まったいま、注目の装備だ。
メッキ加飾リングで高級感を演出したメーター。ハイブリッド車は指針がブルー、ガソリン車はレッドとし、それぞれの個性を表現している。
車線逸脱の恐れがある場合に注意喚起するレーンディパーチャーアラートや車輌を見下ろすようなパノラミックビューモニターも採用。
HVシステムはTHS-II・E-Four。2.5L直4エンジンと2つのモーターを組みあわせ、力強い走りと低燃費を両立する。
HISTORY ヒストリー
・平成9年12月 初代デビュー
・平成12年11月 マイナーチェンジ
・平成15年2月 2代目(先代)デビュー
・平成16年1月 一部改良
・平成16年7月 一部改良
・平成17年3月 ハイブリッドデビュー
・平成18年1月 一部改良
・平成19年1月 一部改良
・平成25年11月 3代目(現行)デビュー
中古車市場における世代別の物件数比率

先代が圧倒的な比率を占めるがハイブリッドの流通量は少ない
先代が圧倒的に多く、約8割を占めている。その一方でハイブリッドは、新車での販売台数の少なさも影響して1割強しかない。このことから、エコカーブームの影響で需要は高いが、供給が追いついていない状況ということが言える。また、初代はもっとも新しい個体でも車齢は10年以上となることからかなり減少しており、今後はもっと少なくなるだろう。
※すべての価格は参考価格です

240G Lパッケージ (4AT/4WD)
新車価格:280.35万円 ※平成18年1月当時の価格です。
240G Lパッケージ (4AT/4WD)
全長×全幅×全高:4735×1845×1680mm
エンジン:直4気筒DOHC
排気量:2362cc
最高出力:160ps
最大トルク:22.5kg m
走りと安全性をいっそう高め新世代のラグジュアリーSUVに
初代からの基本コンセプトを受け継ぎつつ「ハンドリング性能と先進の安全性」を特徴とし、新世代ラグジュアリーSUVとして進化した先代。新世代プラットフォームを採用した高剛性ボディと新開発サスペンション、偏平タイヤにより、より気持ちよく安心して走ることができる卓越した走行性能を実現したことが特徴だ。また、高級感のあるデザインや上質で広い室内、先進の安全装備など、見どころは多岐に渡る。
何度か仕様変更や改良が行われたが、内外装の大きな変更はナシ。しかし、平成18年1月の一部改良では、V6エンジンが3Lの1MZ-FEから3.5Lの2GR-FEに変更された。
グレードは240Gと300G(後期では350G)が基本で、それぞれにLパッケージとプレミアムLパッケージを用意。エアサス仕様のAIRSもある。
EXTERIOR エクステリア
重厚感だけでなくスポーティ感も表現
初代のシルエットを受け継ぎつつも、より洗練されたフォルムとなった先代。シャープなキャビンのシルエットと、安定感のあるボディ下部を組み合わせることで、重厚感とスポーティ感を見ごとに両立。加えて、全長、ホイールベースともに延長されたことで、伸びやかさも増したのだ。なお、ステアリングの切れ角に連動してヘッドライトの光軸が動くインテリジェントAFCは、当時世界初の機構だ。


ステアリングの舵角や車速に応じてロービームの光軸を左右に動かして視認性を向上させるインテリジェントAFSや、3枚のガラスパネルを使用したマルチパネルムーンルーフなども設定。
平成19年の一部改良では、AIRSに新デザインの18インチアルミホイールが採用された。
INTERIOR インテリア
高級感と上質感に満たされたゆとりある空間
初代より延長されたホイールベースにより、いっそうゆとりある空間となった居住スペース。プレミアムクロスオーバーSUVらしい高い質感と高級感が特徴で、乗員全員が快適に過ごすことができる空間となっている。室内色はブラック、アイボリー、ライトグレーが用意され、シート表皮も本革、ジャガード織物、トリコットの3種が設定される。

ラゲッジスペース下には、ふたつの大型デッキアンダートレイを装備。散らかりやすい小物や、汚れ物の収納に大変便利で、トノカバーを収めることも可能。
上級グレードには、インパネのスイッチまたはリモコンでバックドアの開閉が可能なパワーバックドアを採用。AIRSのみ標準装備となる。
MECHANISM メカニズム
V6エンジンは後期で3Lから3.5Lに変更
先代のパワーユニットは、220馬力の3L V6と、160馬力の2.4L直4でスタート。しかし、平成18年の一部改良でV6ユニットは3Lから280馬力を発揮する3.5Lに変更された。組み合わされるミッションは、前期、後期に関わらずV6が5AT、直4が4ATを採用。サブゲートが備えられ、マニュアルライクなシフト操作も可能だ。


エンジンは全部で3種。パワーと静粛性が魅力のV6は、前期が3Lで後期は3.5L。実用性と経済性に長けている直4はすべて2.4Lだ。
圧倒的な存在感を発揮する特別仕様車
中古車相場:448万円 ※平成10年式の相場です
ハリアーザガート
イタリアの名門カロッツェリアであるザガートとのコラボモデル。ブリスタータイプのオーバーフェンダーや専用エアロ&18インチホイールを装着し、内装にも本アルミパネルなどを採用。目立つこと間違いなしの1台だ。
MARKET REPORT HARRIER 2nd
流通量が多く好みの1台も探しやすいはず
人気SUVということもあり、中古車市場には多くの物件が流通している。それゆえ、グレードや排気量、ボディカラーや装備など、各々の好みに合った1台を選ぶことができるだろう。そのなかでも、経済的な2.4L、とくにFFの流通量が多く、ほどほどの予算で人気SUVを楽しむことができるはずだ。ただし、もっとも古いと車齢は10年にもなるので、整備記録簿を確認するなど、コンディションのチェックはじっくりやっておきたいところだ。
走行距離×年式別相場
平成15年 | 平成16年 | 平成17年 | 平成18年 | 平成19年 | |
---|---|---|---|---|---|
3万km未満 | 144万円 | 150万円 | 163万円 | 188万円 | 199万円 |
3~5万km | 134万円 | 138万円 | 153万円 | 179万円 | 192万円 |
5~8万km | 118万円 | 130万円 | 140万円 | 164万円 | 174万円 |
8~10万km | 113万円 | 122万円 | 127万円 | 150万円 | 156万円 |
10万km以上 | 102万円 | 104万円 | 113万円 | 121万円 | 137万円 |
平成20年 | 平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | |
---|---|---|---|---|---|
3万km未満 | 215万円 | 227万円 | 250万円 | 254万円 | 271万円 |
3~5万km | 207万円 | 226万円 | 235万円 | 241万円 | 240万円 |
5~8万km | 189万円 | 218万円 | 218万円 | 232万円 | – |
8~10万km | 163万円 | – | – | – | – |
10万km以上 | 156万円 | 200万円 | – | – | – |
新型が登場したとはいえ少し前までは現行モデルだっただけに、値落ち幅はそれほど大きくはない。しかし、前期の5万km以下なら150万円以下の予算でも十分に手が届くぞ。
グレード×年式別相場
平成15年 | 平成16年 | 平成17年 | 平成18年 | 平成19年 | |
---|---|---|---|---|---|
240G(FF) | 115万円 | 127万円 | 136万円 | 161万円 | 175万円 |
240G Lパッケージ(FF) | 118万円 | 135万円 | 139万円 | 164万円 | 180万円 |
240G Lパッケージ(4WD) | 133万円 | 132万円 | 152万円 | 179万円 | 181万円 |
300G Lパッケージ(4WD) | 108万円 | 109万円 | 138万円 | – | – |
350G プレミアムLパッケージ(FF) | – | – | – | 159万円 | 184万円 |
AIRS(3.0/4WD) | 134万円 | 136万円 | 144万円 | – | – |
平成20年 | 平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | |
---|---|---|---|---|---|
240G(FF) | 189万円 | 213万円 | 229万円 | 240万円 | 266万円 |
240G Lパッケージ(FF) | 198万円 | 222万円 | 240万円 | 255万円 | 259万円 |
240G Lパッケージ(4WD) | 208万円 | 238万円 | 242万円 | 251万円 | – |
300G Lパッケージ(4WD) | – | – | – | – | – |
350G プレミアムLパッケージ(FF) | 188万円 | 202万円 | – | – | – |
AIRS(3.0/4WD) | – | – | – | – | – |
もっとも値落ち率が低いのは240G・Lパッケージ。その一方で、3Lおよび3.5L系は新車時の価格を考えると非常にお得。維持費を気にしないのであれば、V6モデルがオススメ。
年式
平成20年まではどの年式も大差ないので、走行距離と同じように予算に合わせて年式を設定することができるはず。また、前期と後期では、やや後期のほうが多いようだ。グレード
街乗り志向のSUVだけあり、トップ5はすべてFFという結果に。また、3L/3.5Lよりも維持費の安い2.4L車の流通量が多い。なかでも約3割を占めるLパッケージに注目。

走行距離
もっとも古いと車齢は10年を超えるだけに、走行距離は5~8万kmが中心。しかし年式なりと言えるので、コンディションさえしっかりしていれば不安になる必要はないはず。
先代ハイブリッド
運転する楽しさも味わえるパワートレーンを用いたエコと走りを高次元で両立するハイブリッドモデル。
プレミアムSパッケージ(CVT/4WD)
新車価格:462.0万円 ※平成17年3月当時の価格です。
プレミアムSパッケージ(CVT/4WD)
全長×全幅×全高:4755×1845×1680mm
エンジン:V型6気筒DOHC+モーター
排気量:3310cc
最高出力:211ps
最大トルク:294kg m
相反するエコとパワーを高い次元で両立する
先代のデビューから約2年遅れで登場したハイブリッド。圧倒的な加速性能や低燃費性、さらに走る楽しさを満喫できる操縦性や走行性能など、従来のSUVのイメージを覆す先進的な1台に仕上げられた。
注目のハイブリッドシステムはTHSIIで、前後のタイヤを別々のモーターで作動させるE-Fourを採用。グレードは、基本となるハイブリッド、インテリジェントAFSやパワーバックドアなどを装備するLパッケージのほか、スポーツサスペンションや本革シート、カラードリアスポイラーを装着するプレミアムSパッケージもラインナップされる。
EXTERIOR エクステリア
前後に専用パーツを採用して独自性を演出
「高級と洗練」を際立たせる専用デザインを採用したエクステリア。フロントまわりでは、中央に設けられた開口部と丸形フォグランプが特徴のバンパーと格子状グリルを組み合わせて独自性を表現。リヤまわりは、LED使用個所を増やしたテールランプを採用し、被視認性と省電力化を高めているのだ。

INTERIOR インテリア
メーターや加飾パネルでスポーティさと高級感を表現
インテリアでの特徴は、パワーメーターとマルチインフォメーションディスプレイを装備した専用独立3眼メーターと、センターコンソールとドアトリムに採用された緻密で繊細なコスモファインパターン加飾。これらにより、さらなるスポーティさと高級感が付加されたのだ。

基本的な意匠はガソリン車と変わらないが、細部で差別化。リヤシート下にバッテリーを設置するので、荷室に使い勝手も同様だ。
MECHANISM メカニズム
ハイパワーと低燃費を両立する次世代のパワーユニット
3.3L V6に2つのモーターをドッキングするハイブリッドシステム「THSII」。システム出力272馬力というハイパワーを発生させながら17.8km/Lという燃費性能を達成し、優れた静粛性も実現。次世代のクロスオーバーSUVを目指したモデルにふさわしいパワーユニットとなっている。

「圧倒的なパワー」「圧倒的な操縦安定性」「圧倒的な環境性能」を融合するために最新のハイブリッド技術を結集。走る楽しさも味わえるのだ。
MARKET REPORT HARRIER Hybrid 2nd
走行距離×年式別相場
平成17年 | 平成18年 | 平成19年 | 平成20年 | |
---|---|---|---|---|
3万km未満 | 198万円 | 236万円 | 259万円 | 266万円 |
3~5万km | 205万円 | 230万円 | 233万円 | 264万円 |
5~8万km | 177万円 | 198万円 | 209万円 | 223万円 |
8~10万km | 165万円 | 173万円 | 178万円 | 211万円 |
10万km以上 | 145万円 | 156万円 | 163万円 | 159万円 |
平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | |
---|---|---|---|---|
3万km未満 | 298万円 | 311万円 | 331万円 | 343万円 |
3~5万km | 296万円 | 278万円 | 312万円 | – |
5~8万km | 236万円 | 274万円 | – | – |
8~10万km | 238万円 | 269万円 | – | – |
10万km以上 | 159万円 | – | – | – |
昨今のエコカーブームもあり、相場はやや高めで推移している。ただし、5~8万kmあたりなら200万円前後でもねらうことが可能だ。なお、3万km未満に絞ってしまうと、250万円ほどの予算はほしいところだ。
グレード×年式別相場
平成17年 | 平成18年 | 平成19年 | 平成20年 | |
---|---|---|---|---|
プレミアムSパッケージ | 181万円 | 206万円 | 218万円 | 252万円 |
Lパッケージ | 171万円 | 185万円 | 204万円 | 224万円 |
ベースグレード | 156万円 | 183万円 | 198万円 | 222万円 |
平成21年 | 平成22年 | 平成23年 | 平成24年 | |
---|---|---|---|---|
プレミアムSパッケージ | 265万円 | 290万円 | 338万円 | – |
Lパッケージ | – | 289万円 | 303万円 | 339万円 |
ベースグレード | 259万円 | 270万円 | 304万円 | – |
新車時のベースグレードとプレミアムSパッケージの価格差は約60万円。しかし中古車となって、現在はその差が最大で30万円にまで狭まっているので、プレミアムSパッケージのほうが断然お得感は高い。
グレード
最上級のプレミアムSパッケージが半数以上を占めており、それに続くのがLパッケージとなっている。このようなことから、上級グレードに人気が集まっているということがわかるだろう。走行距離
走行距離はほぼ年式相応といえるものとなる。5万km以下の物件も4割近くあるので、低走行車ねらいの人でも安心してクルマ選びができるはずだ。オススメは3~5万kmあたりか。
初代
高級クロスオーバーSUVというカテゴリーを創出しのちのSUV市場に大きな影響をもたらしたパイオニア。
3.0Gパッケージ(4AT/FF)
新車価格:287.5万円 ※平成12年11月当時の価格です。
3.0Gパッケージ(4AT/FF)
全長×全幅×全高:4575×1815×1665mm
エンジン:V型6気筒DOHC
排気量:2994cc
最高出力:220ps
最大トルク:31.0kg m
新たな市場を開拓した革新的なSUV
高級サルーンの基本性能にSUVの機動性や機能性を融合させたクロスオーバーSUVとして、平成9年に登場した初代ハリアー。この斬新なコンセプトは、セダンは使い勝手が悪く、クロカン4WDでは乗り心地が不満・・・というユーザーにピタリとハマり、瞬く間に大人気車種の仲間入りをした。そして海外でも話題を呼び、高い評価を得たのである。
なお、シリーズ中でもっとも大きな変更は、平成12年のマイナーチェンジ。直4エンジンが2.2Lから2.4Lとなり、フロントグリルの意匠を変更。欧州仕様の足まわりを組んだiRバージョンも設定された。
EXTERIOR エクステリア

都会的、スポーティ、力強さをテーマに、フォーマルでもアウトドアでもマッチするプレステージ性と力強さを表したデザインを採用。ボディサイズは完全な3ナンバーで、全長は4.6m以下だが全幅は1.8mを優にオーバー。後期では、フロントまわりの意匠が変更された。
INTERIOR インテリア

機動性と機能性を追求したパッケージにより、大人4人がゆったり座れるスペースを確保。ラゲッジルームは、国産同クラストップレベルの広さを誇る。また、センタークラスターを前方に傾斜させ、シフトレバーを中央下部に配した先進的なインパネデザインが特徴だ。
MECHANISM メカニズム

デビュー当初のエンジンラインは、2.2L直4の5S-FEと3L V6の1MZ-FEの2タイプ。しかし平成12年11月のマイチェンで、2.2Lの代わりに2.4Lの2AZ-FEにチェンジ。パワーはもちろん、燃費性能も向上している。
MARKET REPORT HARRIER 1st
グレード×年式別相場
全年式平均相場 | |
---|---|
ベースグレード | 42万円 |
Gパッケージ | 54万円 |
Sパッケージ | 45万円 |
3.0Gパッケージ | 50万円 |
3.0FOUR Gパッケージ | 53万円 |
すべての個体の車齢が10年を超えているため、全体的に相場はかなり手ごろ。なかには20万円台の物件もあるほどだ。3L車は値落ち幅が大きいので、お得感は2.2と2.4Lよりも高いはず。
グレード
上位2グレードはともに上級のGパッケージだが、どちらもFF。このデータから、先代同様FFの物件数が多いということがわかる。また、4WDは3L車のほうが圧倒的に多いようだ。

ジャーナリスト・戸田治宏氏の歴代
ハリアーインプレッション
先代
直4は軽快、V6はしっとり
直4は2.4Lエンジンと4ATを初代から踏襲。3L V6はATが5速に進化し、滑らかでトルクフルな加速フィールに磨きをかけた。プラットフォームは一新され、シャシーは操縦性のリニアリティが向上している。240Gは直4らしい軽快さ、300Gはしっとり落ち着いたハンドリングが特徴だ。V6専用のAIRSは安定感抜群のフットワークと上質な乗り心地を両立する。V6は後期型になると3.5Lに換装、280psを実感させる加速力は圧倒的のひと言だ。
先代ハイブリッド
オススメはプレミアムLパッケージ
3.3L V6エンジンはハイブリッド用チューンでも3L並みの実力を備える。これに強力なフロントモーターとリダクションギヤを組み合わせ、システム出力は272ps。この怒涛のトルクがもたらす加速は、4L V8に匹敵するすさまじさだ。E-Fourではリヤモーターが駆動力をさりげなく後輪に伝える。ワインディングでこの速さと2トン近い車重、そして高い重心を受け止めるには、スポーツサスとサマータイヤ装着のプレミアムLパッケージが必須。
初代
高級セダン顔負けの滑らかさ
カムリ系をベースに開発された初代は、世界初の高級クロスオーバーSUVを提案。車重は3.0Fourで1750kgになるが、3L V6の動力性能はその重さをまるで感じさせない。滑らかさと静粛性は高級セダン顔負けの仕上がりだ。2.2L直4もカムリと共通だが、フルタイム4WDの車重には少々非力。ただしマイナーチェンジで2.4Lに換装され、トルク不足が解消された。サスはストローク感豊かで、ハンドリングはV6が重厚、直4は軽快感が持ち味。
※中古車平均相場は2014年2月Goo-net調べによる
※すべての価格は参考価格です