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更新日:2021.12.10 / 掲載日:2021.12.02

メルセデス・ベンツ Sクラス クーペの燃費や税金など気になる維持費を紹介

ベンツ最上級モデルSクラスのクーペタイプ「Sクラス クーペ」

Sクラスの派生モデルとして6代目の2014年に登場したメルセデス・ベンツ Sクラス クーペについて、気になるポイントを紹介していきます。

「燃費やボディサイズは?」「税金や車検代などの維持費はいくらかかる?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。

Sクラス クーペについて

メルセデス・ベンツ Sクラス クーペは、同ブランドの最上級モデルであるSクラスのバリエーションのひとつとして2014年に輸入が開始されました。Sクラスでいうところの6代目に登場したモデルです。

このとき日本で設定されたのは、フルタイム四輪駆動システム4マチックを搭載した「S550 4マチック クーペ」でした。他にも、AMG社が開発したモデルとして「S63 AMG 4マチック クーペ」や「S65 AMG クーペ」なども設定されています。

ショーファードリブン(フランス語で「お抱え運転手が運転する車」)的な使い方が想定されるSクラス セダンとは異なり、Sクラス クーペは車の保有者が自らステアリングを握ることを前提で開発されました。

そのボディはSクラス セダンより70mmほど低い全高ながら4人乗車が可能で、クーペモデルならではの流れるようなフォルムからは高い気品が感じられます。

2016年にはSクラス クーペの派生モデルとして、オープンボディのSクラス カブリオレも登場しました。

Sクラス クーペはセダンとは異なる価値観を示していますが、上質かつプライベートな空間を提供するという思想や、常に人を中心に考えて車のあるべき姿を追求している点などは、セダンと共通しています。もちろんSクラス クーペにもSクラス セダンと同様、数々の最新技術が詰め込まれているのが特徴です。

Sクラス クーペが発売開始された当時、輸入車においても右ハンドル車が主流になっていましたが、Sクラスクーペは右ハンドルのグレードだけでなく、左ハンドルのグレードも混在していました。

2021年、Sクラス セダンは7代目でフルモデルチェンジされた新型が登場していますが、今のところ新型Sクラスのラインアップにクーペの文字は見当たりません。

温室効果ガスの排出ゼロを目指すカーボンニュートラルをはじめとした今後の自動車開発への取り組みなど社会情勢が大きく変化を遂げる中、Sクラスにクーペモデルが復活する日は来ないかもしれないのは少し寂しいところです。

Sクラス クーペのボディサイズ

Sクラス クーペのボディサイズは、一体どれくらいあるのでしょうか。

Sクラス クーペは6代目のみにしか設定されていません。ここでは、代表的なグレードのボディサイズを比較してみましょう。

<世代:グレード:ボディサイズ>
6代目
S550 4マチッククーペ
全長5027mm×全幅1899mm×全高1411mm(2014年モデル)

6代目
S550 4マチッククーペ
全長5025mm×全幅1900mm×全高1420mm(2015年以降モデル)

6代目
S560 クーペ
全長5035mm×全幅1900mm×全高1420mm

グレードによりわずかにサイズが異なりますが、Sクラス クーペはいずれも5000mm超えの全長や1900mの全幅など日常的な使途には向いていないビッグサイズです。

そのため、長さ4800mm~5000mm×幅2400mm~2500mm程度のコインパーキングや全幅に制限のある立体駐車場などの一般的な有料駐車場も、Sクラス クーペのボディサイズでは駐車することが厳しいでしょう。

立体駐車場に関しては、全高は問題なくクリアできるSクラス クーペですが、日本の多くの立体駐車場が全幅は1850mm以下という制限を設けているため、1900mm前後の幅のあるSクラス クーペを駐車するのは難しそうです。

ただし、超高級マンションやビルの駐車場などの一部では全幅 2050mm以下に対応する立体駐車場があるといわれているので、このような駐車場であれば幅のあるSクラス クーペでも問題なく駐車できます。

Sクラス クーペの安全装備

メルセデス・ベンツはどのモデルにも世界最高水準の安全性能が備わっていることで有名ですが、その最高峰に位置するSクラス クーペではSクラス セダンと同様、より高い安全機能がプラスされています。

Sクラス クーペは2016年から2021年の設定されていた期間の中で、何回かの小改良が加えられていますが、その都度安全装備が見直されているため、少しずつ機能が向上しています。

主な装備としては「インテリジェントドライブ」機能があり、ドライバーの負担を軽減し、安全性や快適性、効率性などを高い次元で融合させています。

加えて、安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」はSクラス セダンと同様の機能をもち、安全で快適な運転をサポート。このパッケージの具体的な装備内容としては、センサーが車両や歩行者などを感知して作動するPRE-SAFEブレーキ、安全な車線変更をサポートするアクティブブラインドスポットアシストなどが挙げられます。

また、メルセデスの四輪駆動として知られる4マチックはハイパワーを確実に路面へ伝えるだけでなく、雪道などの滑りやすい路面でも威力を発揮するのが特徴です。

このようにSクラス クーペには最新の安全装備が惜しみなく投入され、ドライバーや乗員の被害を最小限に食い止めています。

Sクラス クーペの走行性能

Sクラス クーペは、メルセデス・ベンツブランドの最高峰であるSクラスの名にふさわしく、優れた走行性能を誇っているのが特徴です。

Sクラス クーペのエンジンとしては、さまざまな排気量のガソリンエンジンが搭載されていましたが、V型エンジンとターボの組み合わせという点が共通しています。

搭載されるターボチャージャーは近年のダウンサイジングターボとは明らかに異なる方向性をもち、低回転域と高回転域を効率よく過給するツインターボが採用されました。スペックはグレードにより異なりますが、その出力は300kW(約400ps)を超え、最上級モデルにふさわしいパワーを発揮します。

エンジンからの動力を車軸に伝えるトランスミッションには、大排気量モデルでスタンダードなステップ式ATが採用されました。初期モデルでは7速ATが採用されていましたが、その後の一部改良で「9G-TRONIC」という9速ATが搭載されています。

サスペンションは油圧を使ってボディの動きをコントロールする「マジックボディコントロール」というメルセデスオリジナルの方式で、優れた操縦性とフラットな乗り心地を実現させました。

トランクルーム・ラゲッジスペースの広さ

Sクラス クーペの広さをご紹介したいところですが、Sクラス クーペは2021年に7代目のフルモデルチェンジを受けた際に販売を終了しており、メルセデス・ベンツの公式サイトからも情報が削除されているため、その詳細は不明です。

<世代:容量>
6代目
不明

Sクラス クーペのトランクルームについて公式なデータは確認できませんでしたが、およそ400Lの容量があるといわれています。

これは、現行のSクラス セダンで最も容量が少ないモデルの485Lと比べても、かなり控え目な容量です。ゴルフバッグであれば2個程度しか積むことができないでしょう。

この少ない容量からみても、Sクラス クーペはあくまでクーペならではの美しいフォルムを重視していることがわかります。

また、メルセデス・ベンツの他のクーペモデルと同様、そもそもトランクルームの利便性を高めるという発想がありません。シートアレンジ機能の代表ともいえる分割可倒式のリヤシートも採用されていないことからも、このグレードに実用性を求めるのは少し酷でしょう。

Sクラス クーペの燃費

Sクラス クーペの燃費を見ていきましょう。

6代目のみの設定となるSクラス クーペの測定モードは、JC08モードのみです。この測定モードは、時代が下がるごとに実走行に近い走行条件になります。

しかし、同じ条件になることはないため、カタログデータと実燃費には必ず差があることを理解しておきましょう。あくまでも参考として見ておくことが大切です。

<世代:グレード:燃費>
6代目
S550 4マチック クーペ
9.1km/L(JC08モード)

6代目
S400 4マチック クーペ
10.6km/L(JC08モード)

6代目
S450 4マチック クーペ
9.9km/L(JC08モード)

Sクラス セダンでは5代目以降、直噴エンジンが搭載されており、4代目までと比較して燃費性能が向上しています。Sクラス クーペはセダンでいう6代目にあたるモデルのため、セダンと同様直噴エンジンの恩恵を受けています。そのため、排気量の大きさの割には燃費がいいといえるでしょう。

この世代ではセダンにダウンサイジングターボも搭載されるようになりましたが、Sクラスクーペでは採用されていません。排ガスや扱いやすさを意識したダウンサイジングターボではなくツインターボを採用しているという点をみても、「クーペに搭載されるターボはあくまでも高出力を追求したもの」という傾向がうかがえます。

Sクラス クーペの税金

現在の日本での自動車に関する税金としては、購入時の消費税や自動車税環境性能割に加えて、毎年納める自動車税、車検の都度支払う自動車重量税などがあります。このうち自動車税は排気量ごとに額が決まっていますが、初回登録から13年経過すると約15%割増されます。

<世代:グレード:年額>
6代目
S550 4マチック クーペ
年額88,000円(4,663cc)

6代目
S400 4マチック クーペ
年額51,000円(2,996cc)

6代目
S560 クーペ
年額66,500円(3,982cc)

Sクラス クーペは、一番古い年式が2014年と比較的最近のため、13年超の割増対象になるモデルはまだありません。さらに自動車税にはグリーン化特例の制度もあり、初回登録の翌年度のみ税額が75%減額されますが、Sクラス クーペは対象外です。

続いて重量税ですが、こちらも割増の制度があり、初回登録から13年を超えたときと18年以上経過したときに税額が割増されます。日本に輸入されているSクラス クーペはすべてのグレードが2,001kgから2,500kgの間に入り、まだ13年を経過していません。そのため、原則として2年分で41,000円を車検時に納付することになります。

一方で重量税にはエコカー減税の制度もあり、車重により決められた基準燃費をクリアすれば減税対象に入ります。これに該当するS550クーペ(FRモデル)は、2年分の税額が25,000円に減税されるでしょう。

従来あった自動車取得税は2020年10月に廃止され、新たに自動車税環境性能割が導入されました。これは燃費基準や環境性能に応じて税額が変わるものですが、この対象に入らないSクラス クーペの場合は取得価額の3%が課税されます。これは取得価額が50万円以下になれば課税されませんが、現時点においてSクラス クーペの中古車で該当するものはありません。

自賠責保険や任意保険料

続いて、Sクラス クーペの自賠責保険や任意保険料の額をご紹介します。

自賠責保険料は、排気量や車種による違いはなく、白ナンバーの登録車の場合24か月分20,010円を、車検時に2年分まとめて支払うことになります。

任意保険料は、契約条件や保険会社、補償内容に加え、ドライバーの年齢や車種、用途などさまざまな要素があるため、正確な相場を出すのは極めて困難です。保険料を算定する基準に型式ごとの事故実績に基づいた「型式別料率クラス」があり、数字が低いほど保険料は安くなります。

ここでは、損害保険料算出機構のホームページで確認できた6代目の料率クラスを確認しておきましょう。
※いずれも保険始期2021年1月1日~12月31日の場合です。

6代目
S550 4マチック クーペ(2015年式)
対人賠償責任保険9・対物賠償責任保険9・搭乗者傷害保険7・車両保険17

6代目
S560 クーペ(2018年式)
対人賠償責任保険11・対物賠償責任保険9・搭乗者傷害保険7・車両保険17

※料率クラスは損害保険料算出機構のサイトで算出しました。

Sクラス クーペの車検代

Sクラス クーペの車検時にかかる経費としては、大きく分けて法定費用と整備点検費用がありますが、法定費用は国産車と輸入車による違いはなく、排気量や車重で決まっています。

6代目の「S550 4マチック クーペ」で見た場合、以下の費用がかかります。

・重量税・・・2年分で41,000円
・自賠責保険料・・・24か月で20,010円
・印紙代・・・1,200円

また、一般的には車検整備もあわせてディーラーに依頼するため、法定費用のほかに整備点検費用が必要となります。

整備や修理の内容により工賃は大きく異なりますが、最高級車を代表するSクラス クーペの場合、一般的な相場はあてになりません。おそらくは、想像の域を遙かに超える額になる可能性があります。

車検自体の手続きを依頼する場合は代行手数料もかかりますが、金額はディーラーごとに設定されるため、どの程度の金額になるのか確認しておきましょう。

Sクラス クーペの維持費

前述した項目を含め、Sクラス クーペの中古車を購入した場合の維持費についてまとめてみましょう。

使用場所や目的による差もありますが、年額に換算したおおよその目安として、6代目のS550 4マチック クーペの年間維持費は以下のとおりです。

・自動車税・・・88,000円
・重量税・・・20,500円(2年分÷2)
・自賠責保険・・・10,005円(24か月分÷2)
・任意保険・・・約50,000円
・ガソリン代(年間1万km走行)・・・約65,000円
・駐車場代・・・約96,000円(全国平均)

上記以外にも、オイル代やタイヤ代などの経費が発生する他、故障したときの修理費用も見込んでおかなければなりません。

特にメルセデスの最高峰であるSクラス クーペは、いったん修理が必要になったときの費用は一般のユーザーの想像をはるかに超えるということをあらかじめ想定しておきましょう。

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※本記事は、2021年11月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。

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