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更新日:2021.10.28 / 掲載日:2021.10.28

メルセデス・ベンツ SLKの燃費や税金など気になる維持費を紹介

コンパクトサイズの2シーターオープンカー「SLK」

日本では1997年から2016年まで販売されていた2シーターオープンカーのメルセデス・ベンツ SLKについて、気になるポイントを紹介していきます。

「燃費やボディサイズは?」「税金や車検代などの維持費はいくらかかる?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。

SLKについて

メルセデス・ベンツ SLKは、脱着式ハードトップをもつクーペ&カブリオレタイプの2シーターオープンカーです。

この車種は190クラスの後継にあたるCクラスをベースとして1996年にデビューし、日本市場には翌年の1997年に輸入が開始されています。

ハンドル位置は世代やグレードによって異なりますが、基本的に小排気量グレードでは右ハンドル仕様が用意され、大排気量グレードでは左右のどちらも選ぶことが可能でした。

そんなSLKのデザインはスタイリッシュなクーペと解放感の高いオープンカーのいいとこ取りです。バリオルーフと呼ばれる電動ルーフは、気分や天候に応じて簡単に切り替えることができます。

フロントマスクは、実用性の高さが残る初代と新時代を印象づける2代目以降で大きく異なるのが特徴です。インテリアデザインも世代による印象が異なり、2代目では先代よりも全長から全幅、ホイールベースを一回り拡大させています。

さらに、フロントエンドのデザインはF1レースマシンを彷彿とさせるSLRマクラーレンをモチーフに取り入れたことでも有名です。また、最終モデルとなった3代目のダッシュボードは航空機のウイングをモチーフにしたともいわれています。

一方、歴代のSLKに共通する点としては、エクステリアとインテリアの洗練されたデザインやメルセデス・ベンツの名にふさわしい上質感、それをより際立たせる豪華装備などでしょう。上位グレードではその特徴をより高め、本革を多用したステアリングやシートなどの装備が追加されています。

3世代にわたり生産されたSLKですが、2015年に大幅改良された際にSLCクラスという名称に変更となったため、SLKの名は姿を消すことになりました。

SLKのボディサイズ

SLKのボディサイズは、一体どれくらいあるのでしょうか。

ここでは、歴代のボディサイズを比較してみましょう。

<世代:グレード:ボディサイズ>
初代
SLK320
全長4010mm×全幅1745mm×全高1280mm

2代目
SLK200コンプレッサー
全長4110mm×全幅1810mm×全高1300mm

3代目
SLK200MT
全長4145mm×全幅1845mm×全高1305mm

SLKは2シーターであり、比較的コンパクトな全長でスタイリッシュなデザインであることから、全高も1300mm前後とかなり低めです。その一方で、全幅はモデルチェンジを重ねるごとにワイドになり、最終モデルとなった3代目では1845mmまでに拡大されています。

長年3ナンバーの自動車に乗り慣れた人にとっては気にならないサイズですが、年式の古い乗用車など狭いモデルから乗り換える人は取り回しに気を遣うかもしれません。

日本のコインパーキングの駐車スペースは、長さ4800mm~5000mm×幅2400mm~2500mm程度ですが、SLKは全長が4000mm強しかないため、駐車する際のスペースは十分に余裕があります。

しかし、車の全幅が1800mm超という2代目や3代目については、駐車幅にあまり余裕がありません。このような理由から、ドアの開閉時には隣に駐車している車にぶつからないように注意したいところです。

SLKの全高は他のクーペやカブリオレなどと同様に低めにつくられており、1300mm程度に抑えられています。そのため、高さ1550mmまでしか対応できない多くの立体駐車場にも、問題なく駐車することができるでしょう。

SLKの安全装備

SLKが発売されていた当時は、現在では当たり前になった自動ブレーキを搭載するモデルが少しずつ増えている時期でした。

初代や2代目には搭載されませんでしたが、最終モデルである3代目の後期になると、「レーダーセーフティパッケージ」を搭載するグレードも登場しています。

このレーダーセーフティパッケージは、5つのミリ波レーダーセンサーと1つのカメラが障害物を検知し、衝突の危険回避をサポートする機能のことです。

1997年に投入された初代SLKにも、運転席と助手席に加え、サイドエアバッグがすでに標準装備されていました。エアバッグは衝突時の衝撃や被害を軽減する、いわゆるパッシブセーフティの機能をもつ装備です。

また、ABSはもちろん、ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)により安定した挙動を可能にしていました。これらの装備はアクティブセーフティという考えにもとづくもので、操作性を高めることで事故自体を未然に防ぐ機能です。

その他にも、衝突時にシートベルトを瞬時に巻き取ることで、シートベルトの効果を高めるフォースリミッター&テンショナー付きシートベルトも搭載されています。

SLKの走行性能

日本に輸入されていたSLKには、基本的にオートマチックトランスミッションが組み合わされていました。いずれの世代もオーソドックスなステップ式ATでしたが、2代目まではグレードにより5速と7速が使い分けられています。

3代目になると9速へ多段化が進むとともに、ダイナミックなレスポンスと高い静粛性を同時に実現させた伝達ロスが少ない「9G-TRONIC」が搭載されました。

また、この世代では、6速MTを搭載したSLK 200MTもラインアップされています。マニュアル車ならではの操作の楽しさに加え、ヒルスタートアシストやアイドリングストップなどの機能も付いていました。

SLKの駆動方式は、この当時のメルセデス・ベンツで一般的だったFRを採用しており、四輪駆動を採用したグレードはありません。搭載されるエンジンはガソリンエンジンのみで、世代によって排気量だけでなく型式や過給器の有無など多くの点に違いがあります。

トランクルーム・ラゲッジスペースの広さ

SLKのトランクルームの広さをご紹介したいところですが、SLKは2021年現在販売を終了しており、メルセデス・ベンツの公式サイトからも情報が削除されているため、詳細は不明です。

<世代:容量>
初代
不明

そもそもSLKのトランクルームは、クーペ&カブリオレタイプの2シーターオープンカーとして最低限の容量しか備えられていないと考えられます。正確なデータを確認することはできませんでしたが、約4000mmという全長からもトランクルームの容量の小ささが分かります。

SLKでは、ルーフに着脱式のハードトップが採用されているのが特徴。ハードトップのルーフの場合、ソフトトップのルーフよりも頑丈だというメリットがありますが、その一方でオープンカーとして利用する際はトップ部分を収納するのに多くの場所を取ってしまいます。そのため、その分トランクルームは容量が少なくなってしまうというデメリットがあるのです。

さらに、SLKは2人乗りのため分割可倒式のリヤシートは設定されておらず、シートアレンジによる拡大もできません。

もともとSLKのような2シーターに実用性を求めるオーナーは決して多くないため、緊急時など最低限の荷物を積めれば十分ともいえます。

SLKの燃費

SLKの燃費性能を見ていきましょう。

SLKに限らず、車は世代によって測定モードが異なります。SLK販売時に採用されていた測定モードは10・15モードとJC08モードですが、いずれのモードも実燃費と大きな乖離があるため、公表データは参考程度に見ておいたほうがいいでしょう。

<世代:グレード:燃費>
初代
SLK230コンプレッサー
9.8km/L(10・15モード)

2代目
SLK200コンプレッサー
11.6km/L(10・15モード)

3代目
SLK200トレンド+
14.2km/L(JC08モード)

世代ごとに比較してみると、似たような排気量のエンジン搭載グレードでも、フルモデルチェンジが行われるごとに燃費が向上していることが分かります。

初代のSLK200に関しては一桁の燃費性能でしたが、2代目ではスタートストップ機能をはじめ、燃費性能を向上させるための技術が投入されたため、優れた走行性能と低排出ガスを両立させていました。

3代目になるとダウンサイジングターボが組み合わされていることで、さらに燃費性能が高くなっています。この当時のJC08モードは以前よりも厳しい測定条件になっていますが、それでもカタログ値は大幅にアップしました。

ダウンサイジングターボは、小排気量のエンジンにターボを組み合わせることで従来よりも豊かなトルクとハイパワーを発生させ、同時にクリーンな排ガスも実現させています。

SLKの税金

現在の日本の自動車に関する税金としては、購入時の消費税や自動車税環境性能割に加えて、毎年納める自動車税、車検の都度支払う自動車重量税などがあります。このうち自動車税は排気量ごとに額が決まっていますが、初回登録から13年経過すると、税額が15%程度割増になります。

SLKの自動車税ですが、初代は全てのモデル、2代目もモデルの大半が初回登録から13年以上経過しています。そのため、SLKの税額は以下のとおりです。

<世代:グレード:年額(初代と2代目は5%程度割増後)>
初代
SLK230コンプレッサー
51,700円(2,294cc)

初代
SLK320
66,700円(3,199cc)

2代目
SLK200コンプレッサー
45,400円(1,795cc)

2代目
SLK350
66,700円(3,497cc)

3代目
SLK200トレンド+
39,500円(1,991cc)

自動車税にはグリーン化特例の制度もあり、初回登録の翌年度のみ税額が75%減額されますが、SLKで対象になるグレードはありません。

続いて重量税です。こちらも初回登録から13年を超えたときと18年以上経過したときに税額が割増されますが、SLKは初代と2代目が13年以上に該当します。さらに初代の一部は18年以上経過しているため、最も税率が高くなってしまうのです。

日本に輸入されていたSLKは、全ての世代、グレードの車重が1,000kgから1,500kg以下となります。そのため、重量税は13年未満で24,600円、13年経過したもので34,200円、18年以上では2年分の税額が37,800円になるのです。

従来あった自動車取得税は2019年10月に廃止され、新たに「自動車税環境割」が導入されました。これは燃費基準や環境性能に応じて税額が変わりますが、SLKの場合は軽減税率の対象に入らないので取得価額の3%が課税されます。

しかし、取得価額は販売額と必ずしも一致するものではないため、取得価額が50万円以下になれば課税されません。

自賠責保険や任意保険料

続いて、SLKの自賠責保険や任意保険料の額をご紹介します。

自賠責保険料は、車種による違いはなく、白ナンバーの登録車の場合24か月分20,010円を、車検時にまとめて支払うことになります。

任意保険料は、契約条件や保険会社、補償内容で差が出てしまうものです。ドライバーの年齢や車種なども保険料を左右するので、保険料の正確な相場を出すことは難しいでしょう。

そこで、その保険料を算定する目安となるのが「型式別料率クラス」です。ここで算出された数字が低いほど、保険料は安くなります。

ここでは、損害保険料算出機構のホームページで確認できた各世代の料率クラスを確認しておきましょう。
※いずれも保険始期2021年1月1日~12月31日の場合です。

初代
SLK230コンプレッサー
対人賠償責任保険7・対物賠償責任保険2・搭乗者傷害保険11・車両保険9

2代目
SLK200コンプレッサー
対人賠償責任保険7・対物賠償責任保険5・搭乗者傷害保険7・車両保険11

3代目
SLK200トレンド+
対人賠償責任保険7・対物賠償責任保険1・搭乗者傷害保険7・車両保険11

※料率クラスは損害保険料算出機構のサイトで算出しました。

SLKの車検代

SLKの車検時にかかる経費としては、大きく分けて法定費用と整備点検費用がありますが、法定費用は国産車と輸入車による違いはなく、排気量や車重で決まっています。

3代目の「SLK200トレンド+」の場合、以下の費用がかかります。

・重量税・・・2年分で24,600円
・自賠責保険料・・・24か月分で20,010円
・印紙代・・・1,200円

3代目の場合は増税されませんが、初代や2代目の中古車を購入する際は税額がアップするため注意が必要です。

整備や修理の内容により車検費用は異なりますが、年式が古いSLKの場合は相場よりも多額の費用がかさむ可能性があります。なぜなら、SLKは「バリオルーフ」と呼ばれる電動のハードトップを使用している車で、古いモデルだと雨漏りなどのトラブルに見舞われることがあるからです。

雨漏りをしている場合はパッキンの交換などが必要になるため、万一に備えて費用は多めに用意しておくことをおすすめします。

SLKの維持費

前述した項目を含め、SLKの中古車を購入した場合の維持費についてまとめてみましょう。

使用場所や目的による差もありますが、年額に換算したおおよその目安として、3代目の「SLK200トレンド+」の年間維持費は以下のとおりです。

・自動車税・・・39,500円
・重量税・・・12,300円(2年分÷2)
・自賠責保険・・・10,005円(24か月分÷2)
・任意保険・・・約50,000円
・ガソリン代(年間1万km走行)・・・約142,000円
・駐車場代・・・約96,000円(全国平均)

上記以外にも、オイル代やタイヤ代などの経費が突発的に発生します。もちろん、エンジンなどが故障したときの修理費用も見込んでおかなければなりません。

特に初代と2代目のSLKに関しては年式がかなり古いため、故障やトラブルを想定してメンテナンスにかける費用は多く見積もっておくことが大切です。

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※本記事は、2021年10月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。

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