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更新日:2021.11.02 / 掲載日:2021.10.27
ミディアムクラス クーペ&カブリオレの燃費や税金など気になる維持費を紹介

1989年にクーペ、1992年にカブリオレが販売されていたメルセデス・ベンツ ミディアムクラス クーペ&カブリオレについて、気になるポイントを紹介していきます。
「燃費やボディサイズは?」「税金や車検代などの維持費はいくらかかる?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
この記事の目次
ミディアムクラス クーペ&カブリオレについて
メルセデス・ベンツ ミディアムクラス クーペ&カブリオレは、ミディアムクラスの派生モデルです。1985年にミディアムクラスが誕生した当初は、セダンのみが発売されていました。セダンは1986年から1993年にかけて輸入されていましたが、クーペの輸入が開始されたのはセダン登場から3年後の1989年のことです。カブリオレの登場はさらに遅れ、ミディアムクラスの名称が変更される直前の1992年からわずか1年ほどしか設定されていません。
W124というコードネームで開発されたミディアムクラスは、その他にもステーションワゴンやリムジンなど多くのボディが生産されました。
クーペはベースとなるセダンに優雅さが加わることで、独特の存在感を放っているのが特徴です。グレードとしては、「300CE-24」や「320CE」がクーペモデルとして設定されました。
一方、カブリオレではオープンボディならではの高い解放感を味わうことができます。このモデルのグレードには、「320CE カブリオレ」が設定されました。
1990年代後半になると、メルセデス・ベンツのデザインが大きく方向転換したため、ミディアムクラスのクーペやカブリオレは古きよき時代の終わりを告げるモデルとなりました。
その後、ミディアムクラスは1993年に「Eクラス」へと名称を変更。これにより、クーペ&カブリオレはフルモデルチェンジを受けた1995年に一旦姿を消してしまいます。
しかし、クーペもカブリオレも2002年に登場した3代目のEクラスからラインアップに復活し、その系譜は現代にも受け継がれているのです。
ミディアムクラス クーペ&カブリオレのボディサイズ
ミディアムクラス クーペ&カブリオレのボディサイズは、一体どれくらいあるのでしょうか。ミディアムクラス クーペ&カブリオレは1代限りの車種なので、ここでは代表的なグレードのボディサイズを比較してみましょう。
<世代:グレード:ボディサイズ>
初代
300CE-24
全長4655×全幅1740mm×全高1400mm
初代
320CE
全長4655×全幅1740mm×全高1400mm
初代
320CE カブリオレ
全長4655×全幅1740mm×全高1390mm
ミディアムクラス クーペ&カブリオレは全長と全幅が共通で、全高のみ異なります。
クーペは1400mm、カブリオレが1390mmになるので、それぞれセダンよりも、45mm~65mm低くなっているのが特徴です。また、1740mmという全幅は現代のコンパクトカー並みのサイズなので、取り回しについては問題ないでしょう。
コインパーキングに停める場合ですが、日本のコインパーキングは長さ4800mm~5000mm×幅2400mm~2500mmほどです。全長4655mmのミディアムクラス クーペ&カブリオレは駐車スペースに十分におさまります。
ミディアムクラス クーペ&カブリオレはミディアムクラス セダンよりも全高が低く設定されているので、高さ1550mmまでしか対応できない昔からの立体駐車場に問題なく駐車することが可能です。
さらにミディアムクラス クーペ&カブリオレは、最近増加傾向にある全高2000mmまで対応する立体駐車場にも、問題なく停めることができます。そのため、他の大柄なメルセデス・ベンツ車とは違って、駐車場探しで困ってしまうようなことはないでしょう。
ミディアムクラス クーペ&カブリオレの安全装備
ミディアムクラス クーペ&カブリオレは、生産を終了してから30年近く経つモデルです。そのため、現代のメルセデス・ベンツ車に搭載されているような装備はありませんが、それでも販売当時の開発技術の結集させた安全装備がついています。ミディアムクラス クーペ&カブリオレは登場時、すでにABSが標準で装備されていました。ABSはブレーキロックを防ぎ、ブレーキ中でもステアリング操作が可能なことから、衝突を未然に防ぐアクティブセーフティの役割を担います。
その他の基本となる安全装備としては、エアバッグが装備されていることです。エアバッグは衝突時の衝撃や被害を軽減する、いわゆるパッシブセーフティ機能をもつ装備となります。
ミディアムクラス クーペ&カブリオレでは、年式によりエアバッグの有無が異なるのが特徴です。1998年に販売開始された「300CE-24」では運転席エアバッグでさえオプションでしたが、1992年モデルの「320CE」では運転席エアバッグが標準装備されています。「320CE カブリオレ」になると、クーペと同じ年式でも助手席エアバッグは標準装備となりました。
また、カブリオレはクローズドボディのクーペより事故発生時の被害が大きくなるため、適切な駆動力を配分し、スリップを未然に防ぐトラクションコントロールの機能もつけられているのが特徴です。
ミディアムクラス クーペ&カブリオレの走行性能
ミディアムクラス クーペ&カブリオレは、ミディアムクラス セダンと同様、走行性能優れているのが特徴です。例えば、ステアリングにはリサーキュレーティングボール式を採用しているため、絹のようになめらかな操作感を実現させています。
駆動方式にはFRを採用しており、ミディアムクラス セダンのような四輪駆動を採用したグレードはありませんでした。
クーペは右ハンドル仕様も選べたのに対し、カブリオレは当時の輸入車では当たり前だった左ハンドルのみが輸入されています。
エンジンからの動力を車軸に伝えるトランスミッションには、オーソドックスなステップ式ATが搭載されていました。
セダンやステーションワゴンには4速が採用されていましたが、ミディアムクラス クーペ&カブリオレでは5速化されています。
ミディアムクラスのエンジンとしては、クーペの場合は年式により2,996ccと3,199ccのガソリンエンジンが使い分けられていました。カブリオレに搭載されていたエンジンは、後期のクーペに採用されていたものと同じ3,199ccのものです。
トランクルーム・ラゲッジスペースの広さ
ミディアムクラス クーペ&カブリオレのトランクルームの広さをご紹介したいところですが、ミディアムクラス クーペ&カブリオレは2021年現在販売を終了しており、メルセデス・ベンツの公式サイトからも情報が削除されているため、詳細は不明です。<世代:容量>
初代
不明
正確な容量は確認することができませんでしたが、ミディアムクラスの系譜を継ぐEクラスの最新モデルでは、4ドアセダンが540Lなのに対し、クーペのトランクルームは405Lと少し控え目です。カブリオレにいたってはソフトトップをかけた状態でも360L、ソフトトップを収納するとわずか285Lしかありませんでした。このことから、同じ程度の容量を確保していた可能性が高いでしょう。
また、ミディアムクラス クーペ&カブリオレには分割可倒式のリヤシートが採用されていないので、シートアレンジによる容量の拡大もできません。
もともとこの車種に実用性を求めるオーナーはそんなに多くはないと考えられるので、必要最低限の荷物を積むことができれば十分なのかもしれません。
ミディアムクラス クーペ&カブリオレの燃費
ミディアムクラス クーペ&カブリオレの燃費性能を見ていきましょう。基本的に測定モードに関しては、時代が下がるごとに実走行に近い走行条件になります。当時採用されていた10・15モードは実燃費と大きな乖離があるので、参考程度に公表データを見ておくようにしてください。
<世代:グレード:燃費>
初代
300CE-24
不明
初代
320CE
6.7km/L(10・15モード)
初代
320CE カブリオレ
6.2km/L(10・15モード)
現在のWLTCモードより条件が甘い10・15モードでも、ミディアムクラス クーペ&カブリオレの燃費データは一桁です。当時の同排気量エンジンより極端に悪かったわけではありませんが、後継モデルに相当する現在のEクラスと比較すると、燃費性能は大きく見劣りするでしょう。
そもそもミディアムクラス クーペ&カブリオレが生産されていた当時は、現在ほど大気汚染を懸念して燃費性能を追求する声は大きくなかったため、高出力を求めるためにはエンジン排気量のアップが一般的でした。
当時のターボチャージャーがピークパワーを追求していたこともあり、高性能すぎることで扱いに手を焼いたという事情もあります。
大排気量のNA(自然吸気)エンジンはアクセルレスポンスのよさがメリットです。しかし、排気量が大きい分エンジン重量がかさむため、どうしても燃費にはマイナスになってしまいます。
ミディアムクラス クーペ&カブリオレの税金
現在、日本での自動車に関する税金としては、購入時の消費税や自動車税環境性能割に加えて、毎年納める自動車税、車検の都度支払う自動車重量税などがあります。このうち自動車税は排気量ごとに額が決まっていますが、初回登録から13年経過すると、税額が15%程度割増になります。ミディアムクラス クーペ&カブリオレは、販売終了から30年近く経過している車種です。そのため、初回登録13年以降に該当します。割増後の税額は、以下のとおりです。
<世代:グレード:年額(5%程度割増後)>
初代
300CE-24
58,600円(2,960cc)
初代
320CE
66,700円(3,199cc)
初代
320CE カブリオレ
66,700円(3,199cc)
自動車税には、グリーン化特例の制度があります。この制度では、初回登録の翌年度のみ税額が75%減額されますが、ミディアムクラス クーペ&カブリオレで対象になるグレードはありません。
続いて重量税ですが、こちらは初回登録から13年を超えたときと18年以上経過したときに税額が割増されます。ミディアムクラス クーペ&カブリオレは販売終了から30年近く経過しているため、最も税率が高くなってしまうでしょう。
日本に輸入されているミディアムクラス クーペ&カブリオレの場合、全てのモデルの車重が1,500kgから2,000kg以下なので、重量税は割増後で2年分の税額が50,400円になります。
従来あった自動車取得税は2020年10月に廃止され、新たに自動車税環境性能割が導入されました。これは燃費基準や環境性能に応じて税額が変わるものですが、この対象に入らないミディアムクラス クーペ&カブリオレの場合は取得価額の3%が課税されます。しかし、取得価額は販売額と必ずしも一致しないので、取得価額が50万円以下になれば課税されることはありません。
自賠責保険や任意保険料
続いて、ミディアムクラス クーペ&カブリオレの自賠責保険や任意保険料の額をご紹介します。自賠責保険料は、車種による違いはなく、白ナンバーの登録車の場合24か月分20,010円を、車検時にまとめて支払うことになります。
任意保険料は、契約の条件や保険会社、補償の内容により大きく差が出るものです。ドライバーの年齢や車種なども保険料を左右するので、正確な相場を出すことはできません。
ここでは、損害保険料算出機構のホームページで確認できた初代の料率クラスを確認しておきましょう。
※いずれも保険始期2021年1月1日~12月31日の場合です。
初代
300CE-24
対人賠償責任保険13・対物賠償責任保険4・搭乗者傷害保険9・車両保険14
初代
320CE
対人賠償責任保険13・対物賠償責任保険6・搭乗者傷害保険9・車両保険17
初代
320CE カブリオレ
対人賠償責任保険13・対物賠償責任保険3・搭乗者傷害保険9・車両保険15
※料率クラスは損害保険料算出機構のサイトで算出しました。
ミディアムクラス クーペ&カブリオレの車検代
ミディアムクラス クーペ&カブリオレの車検時にかかる経費としては、大きく分けて法定費用と整備点検費用がありますが、法定費用は国産車と輸入車による違いはなく、排気量や車重で決まっています。初代の「320CE」で見た場合、以下の費用がかかります。
・重量税・・・2年分で50,400円
・自賠責保険料・・・24か月分で20,010円
・印紙代・・・1,200円
ミディアムクラス クーペ&カブリオレは初回登録から18年以上経っているため、重量税は大幅に割増されています。
車検整備を一括してディーラーや整備工場に依頼する場合、かかる経費に整備点検費用があります。これは整備や修理の内容によって工賃が大きく異なります。
ただし、年式が古いミディアムクラス クーペ&カブリオレの場合、一般的な相場よりも費用がかさむ可能性が高いでしょう。特にカブリオレはルーフ関連の消耗パーツも多いので、一般的な相場よりも多めに見積もっておくことが大切です。
ミディアムクラス クーペ&カブリオレの維持費
前述した項目を含め、ミディアムクラス クーペ&カブリオレの中古車を購入した場合の維持費についてまとめてみましょう。使用場所や目的による差もありますが、年額に換算したおおよその目安として、初代の「320CE」の年間維持費は以下のとおりです。
・自動車税・・・66,700円
・重量税・・・25,200円(2年分÷2)
・自賠責保険・・・10,005円(24か月分÷2)
・任意保険・・・約50,000円
・ガソリン代(年間1万km走行)・・・約280,000円
・駐車場代・・・約96,000円(全国平均)
上記以外にも、オイル代やタイヤ代などの経費が突発的に発生することもあります。
また、ミディアムクラス クーペ&カブリオレは販売終了から四半世紀以上経過しているため、パーツの供給自体が不安なところです。場合によっては国内でパーツの調達ができず、海外からの取り寄せになる可能性も。
特にカブリオレの場合は、パーツの費用以上にパーツを調達する手間がかかる可能性があることを覚悟しておきましょう。
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※本記事は、2021年10月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。
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