中古車購入
更新日:2025.03.26 / 掲載日:2021.03.02
アウディ A8の狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

V8の後継車として1994年に誕生したフラッグシップモデルであるアウディ A8に関して、今回はグレード別に紹介していきます。
「それぞれどのような特徴があるの?」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらい?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
アウディ A8の歴史
A8は、1988年から1994年まで生産されていたV8の後継車として誕生しました。1994年にドイツでデビューしたA8ですが、日本で販売が開始されたのは1995年です。初代は「A8 4.2 クワトロ」の1グレードのみで販売が開始されています。
この世代では4.2L V8エンジンを搭載し、全長5mを超える大型の車体からは考えられないほどの軽量化を実現しました。この軽量化を実現したのは、アウディスペースフレーム(ASF)によるものです。
AFSとは、アウディ独自の先進的なアルミニウムなど軽量素材を使ったボディフレーム技術で、初代にオールアルミニウムボディが採用されたことで、世界中から脚光を浴びました。
2003年にフルモデルチェンジが行われ、2代目が登場。この世代が誕生した当初も、グレードは先代同様A8 4.2 クワトロの1つのみで、335馬力の4.2L V型8気筒DOHC5バルブエンジンが搭載され、ミッションにはティプトロニック機構付きの6速ATが採用されました。
この世代のA8では電子制御で常にダンピングを制御することにより、スポーツ性と乗り心地を両立させる新開発の「アダプティブ・エアサスペンション」が採用されています。
2004年9月のマイナーチェンジでは、以下のグレードが誕生しました。
・エントリーグレードとなる「A8 3.7 クワトロ」
・ロングホイールベースの「A8 L 4.2 クワトロ」
2005年3月には上位グレードとなる「A8 6.0 クワトロ」と「A8 L 6.0 クワトロ」の2つが誕生しました。
2010年に3代目が登場します。この世代では従来のモデルよりひと回り大きく、ゆとりあるボディサイズに変更されました。フルLEDヘッドライトが採用され、トランスミッションが6速ATから8速ATへと変更されています。
2012年のマイナーチェンジで、「A8 L 4.0TFSI クワトロ」が追加設定されました。
2015年には、生産台数がたった8台の特別仕様車「A8 3.0TFSI クワトロ スポーツエディション」を発売しています。
2018年には現行モデルとなる4代目が登場。現行モデルのラインナップは以下の3グレードです。全車にマイルドハイブリッドドライブシステム(MHEV)が搭載されています。
・A8 55TFSI クワトロ
・A8 60TFSI クワトロ
・A8 L 60TFSI クワトロ
A8 55TFSI クワトロ

4代目のベースグレード「A8 55TFSI クワトロ」
フルオートエアコンに、19インチ標準のアルミホイールを装備しているのが特徴です。その他には、パワーウィンドウや集中ドアロック、クルーズコントロール、本革巻きステアリング、革シートなどを標準装備しています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2018年式:335万円~541万円
2019年式:360万円~522万円
2020年式:466万円~512万円
2021年式:488万円~768万円
2022年式:543万円~891万円
2023年式:806万円~1056万円
2024年式:893万円~1025万円
2025年式:流通量希少により算出不可
4代目のベースグレードであるA8 55TFSI クワトロは、現時点で50台程度の流通量を確認しています。ベースグレードとはいえ、新車価格は1000万円超えのため、まだまだ高い価格で取引されている状況です。
先代モデルとの比較
A8 55TFSI クワトロは、2018年10月の4代目へのフルモデルチェンジにより誕生したグレードです。今回のフルモデルチェンジではA8 55TFSI クワトロを含め3つのグレードが新たに設定されましたが、その中でもベースグレードにあたります。
エンジンには340馬力の3. 型6気筒直噴ターボが搭載され、トランスミッションは8速ティプトロニック(トルクコンバーター付きAT)で、フルタイム4WDが採用されました。また、48Vリチウムイオンバッテリーとそれに連結されるBAS(ベルトオルタネータースターター)によるマイルドハイブリッドドライブシステム(MHEV)という技術をエンジンに搭載したことで燃費性能を改善しています。
4代目で登場したばかりのA8 55TFSI クワトロの中古車は、現時点で50台程度が流通していますが、価格はまだまだ高めです。新車で購入するよりかはお得に手に入れることはできますが、それでも300万円以上は確実であるため、よく考えた上での購入することをおすすめします。
エンジンは3.0L V型6気筒ターボ最高出力340ps。ボディサイズは全長5170mm×全幅1945mm×全高1470mmです。
人気のあるカラー
・ブリリアントブラック
・ミトスブラックメタリック
・グレイシアホワイトメタリック
・フロレットシルバーメタリック
・ファーマメントブルー メタリック
・ウルトラブルー メタリック
・マデイラブラウン メタリック
・マンハッタングレー メタリック
・クロノスグレー メタリック
・デイトナグレー パールエフェクト
・スペシャルボディカラー(Audi exclusive)
・スペシャルボディカラーマット(Audi exclusive)
この中では、重厚感のある黒色の「ミトスブラックメタリック」と、パール塗装が施された白色の「グレイシアホワイトメタリック」が人気です。
A8 60TFSI クワトロ
4代目の中間グレード「A8 60TFSI クワトロ」
デュアルエアコンや20インチ標準のアルミホイールを装備しているのが特徴です。その他にも、パワーウィンドウやクルーズコントロール、本革巻きステアリング、革シートなどを標準で装備しています。
さらに、Audiスマートフォンインターフェイスも装備されており、スマホと接続することでスマホ内のアプリをディスプレイに表示させることが可能です。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2018年式:359万円~532万円
2019年式:375万円~495万円
2020年式:流通量希少により算出不可
2021年式:541万円~769万円
2022年式:949万円~1076万円
2023年式:988万円~1284万円
2024年式:流通量希少により算出不可
2025年式:流通量希少により算出不可
A8 60TFSI クワトロの新車価格は、1500万円以上という高級車です。発売からまだそれほど日が経っていないことから、中古車でも1000万円を超えるものも多くあります。
先代モデルとの比較
A8 60TFSI クワトロは4代目で新たに設定されたグレードで、2018年10月に誕生しました。今回新たに設定されたグレードは3つありますが、A8 60TFSI クワトロはちょうど中間グレードという位置づけとなっています。
エンジンには460馬力の4.0L V型8気筒直噴ツインターボが搭載され、トランスミッションは8速ティプトロニック(トルクコンバーター付きAT)で、フルタイム4WDが標準装備されました。このパワフルなエンジンが車両重量2tを超える大きな車体を自由自在に操る原動力となっています。
走行中は、エンジンが停止したことも、再始動したこともほとんどわからないうえに振動も伝わってこないなど、非常に静粛性に優れているのが特徴です。
このグレードは登場から7年ほど経過しましたが、それでも15台程度しか流通していません。また、もともと1500万超えの新車価格で販売されているので価格は総じて高めです。どれも350万円以上はするので、中古車としてはなかなか手を出しにくい価格でしょう。
エンジンは4.0L V型8気筒ターボ最高出力460ps。ボディサイズは全長5170mm×全幅1945mm×全高1470mmです。
人気のあるカラー
・ブリリアントブラック
・ミトスブラックメタリック
・グレイシアホワイトメタリック
・フロレットシルバーメタリック
・ファーマメントブルー メタリック
・ウルトラブルー メタリック
・マデイラブラウン メタリック
・マンハッタングレー メタリック
・クロノスグレー メタリック
・デイトナグレー パールエフェクト
・スペシャルボディカラー(Audi exclusive)
・スペシャルボディカラーマット(Audi exclusive)
この中では、A8 55TFSI クワトロの人気色と同様に、重厚感のある黒色の「ミトスブラックメタリック」と、パール塗装が施された白色の「グレイシアホワイトメタリック」が人気です。
A8 L 4.0TFSI クワトロ
2012年のマイナーチェンジで登場した「A8 L 4.0TFSI クワトロ」
エンジンには4.0L V型8気筒DOHCインタークーラー付バイターボを搭載し、電子制御付きティプトロニック機構付きの8速ATが設定されました。同じエンジンを搭載しているA8 4.0TFSI クワトロよりも、ホイールベースが13cm長い仕様になっているのがこのグレードの特徴です。
パワーウィンドウや集中ドアロック、本革巻きステアリングなどを標準装備しています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2012年式:流通量希少により算出不可
2013年式:流通量希少により算出不可
2014年式:193万円~320万円
2015年式:290万円
2016年式:流通量希少により算出不可
2017年式:流通量希少により算出不可
2018年式:流通量希少により算出不可
A8 L 4.0TFSI クワトロの中古車は、現時点でわずか4台しか流通していません。選択肢はほとんどありませんが、もともとの販売価格が1500万円だったことを考えるとお得なのではないでしょうか。
先代モデルとの比較
A8 L 4.0TFSI クワトロは、2012年9月のマイナーチェンジで新たに設定されたグレードのひとつです。
エンジンには4.0L V型8気筒DOHCインタークーラー付バイターボを搭載し、ミッションは電子制御付きティプトロニック機構付きの8速ATが設定されています。
また、このグレードに採用されたランプ類には最新のLED技術が惜しげもなく投入されているのが特徴です。特にマトリクスLEDヘッドライトはフロントガラス上部のカメラで車両前方の状況を認識して、片側25個のLEDハイビームを個別に点灯・消灯させる世界初の「幻惑防止ハイビーム」です。このヘッドライトはロービーム用のLEDと25個の小さなLEDによって構成されるハイビームユニットとなっており、ハイビーム時にカメラでセンシングを行い、必要に応じてLEDを個別に点灯・消灯させます。
その他にも、インテリアに3色のLEDインテリアアンビエントライティングやBOSEサラウンドサウンドシステムなどが標準装備されました。
現時点の中古車の流通量は4台と、かなり少ないです。新車価格が1500万円を超える車種であることを考えると、流通している中古車の価格はかなりお手頃でしょう。
エンジンは4.0L V型8気筒ターボ最高出力435ps。ボディサイズは全長5275mm×全幅1950mm×全高1465mmです。
人気のあるカラー
・ハバナブラックメタリック
・ミトスブラックメタリック
・ブリリアントブラック
・グレイシアホワイトメタリック
・ウーロングレーメタリック
・アーガスブラウンメタリック
・ムーンライトブルーメタリック
・モンスーングレーメタリック
・フロレットシルバーメタリック
A8 L 4.0TFSI クワトロの流通台数が少なく、人気のカラーを特定できませんでした。ただ、3種類のブラックカラーが展開されていることもあり、現時点の中古車市場では黒系が多く見られています。
A8 3.0TFSI クワトロ スポーツエディション
生産台数たった8台の特別仕様車「A8 3.0TFSI クワトロ スポーツエディション」
A8 3.0TFSI クワトロをベースとして作られたモデルで、アルカンターラブラックヘッドライニングやサンルーフ、5アームローターデザインのマットチタンルックポリッシュド21インチアルミホイールなどが標準装備されています。
また、A8 3.0TFSI クワトロではオプションとなっているマトリクスLEDヘッドライトが標準装備されているのも特徴です。
中古で購入する際の目安となる予算
もともと、A8 3.0TFSI クワトロ スポーツエディションは2015年5月に設定された限定8台のみ生産という特別仕様車です。新車で購入することも難しい車種ですから、中古車市場で流通していないのも当然の結果といえるでしょう。
先代モデルとの比較
A8 3.0TFSI クワトロ スポーツエディションは、2015年5月に設定された限定50台のスポーツエディションのひとつです。
スポーツエディションは「A8 3.0TFSI クワトロ」と「A8 4.0TFSI クワトロ」をベースとして開発したグレードで、A8 3.0TFSI クワトロ スポーツエディションが限定8台、A8 4.0TFSI クワトロ スポーツエディションが限定42台生産されました。
エンジンにはベースとなるA8 3.0TFSI クワトロと同じく310馬力の3L V型6気筒スーパーチャージャーDOHCが搭載され、右ハンドルのみの設定となっています。
エクステリアは、サンルーフと5アームローターデザインのマットチタンルック ポリッシュド21インチアルミホイールが標準装備されました。また、インテリアにはアルカンターラブラックヘッドライニングが採用されています。
限定8台のみの生産という数量の少ないモデルであることから、現時点の中古車市場では1台も流通していません。そのため、手に入れることは非常に厳しいでしょう。
エンジンは3.0L V型6気筒チャージャー最高出力310ps。ボディサイズは全長5145mm×全幅1950mm×全高1465mmです。
人気のあるカラー
・ファントムブラックパールエフェクト
1色のみしか設定されていないため、パール塗装が施された黒色の「ファントムブラックパールエフェクト」が必然的に人気色となります。
※本記事は、2025年2月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。