中古車購入
更新日:2025.01.28 / 掲載日:2021.01.08
日産 シーマの狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

日産車のフラッグシップ的位置に立つ最高級セダンとして登場したシーマに関して、今回はグレード別に紹介していきます。
「それぞれどのような特徴があるの?」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらい?」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
日産 シーマの歴史
1998年にシーマは日産車のトップに位置していたセドリックおよびグロリアの上級モデルとして、華々しくデビューしました。当時販売されていた国産3ナンバー車の多くが、5ナンバーのボディを拡幅して「3ナンバー化」していたのに対し、シーマは開発当初から「3ナンバー専用」として開発されたという経緯があります。そんな国産車らしくないスタイリッシュなデザインや高い動力性能、さらにバブル景気や自動車税制の変更など時代的な要素も重なって“シーマ現象”という言葉ができるほどのヒット作になりました。
1991年に2代目が登場します。この世代から後部座席の居住性およびボディ剛性上有利なセンターピラーを持つ一般的なセダンスタイルへと変わりました。当時、トヨタから発売されていたセルシオやクラウンV8に対抗するため、VH41DE型V型8気筒エンジンを搭載しています。
1996年に3代目が登場します。先代でイギリス製の高級車をイメージしていた控えめなデザインから一転させ、ドイツ製の高級車を彷彿させる重みのあるデザインへと変更しました。このとき、日本車で初となるSRSサイドエアバッグを全車に標準装備させています。
2001年に4代目が登場します。この代から、新開発の新世代LLクラスプラットフォームを採用しています。
2010年には一度生産を終了させ、登場から22年の歴史に幕を閉じました。これにより、日本国内で販売されていた日産の8気筒エンジンを搭載した車は消滅します。
2012年に登場した現行モデルの5代目では、新たにハイブリッドシステムが採用されるようになりました。これにより、走行性能と環境性能を高い次元で両立させています。また、現行型のトランスミッションには7速ATが搭載されており、多段化したステップ式ATは滑らかでショックの少ない変速が可能です。駆動方式としては、4WDが設定されていた世代もありましたが、現行モデルにはコンベンショナルなFRのみが採用されています。
2017年にマイナーチェンジが行われ、新モデルではV6 3.5L DOHCエンジン+高性能モーター+リチウムイオンバッテリーを搭載。さらに、全方位運転支援システムを搭載し、安全性も強化されました。インテリジェント エマージェンシーブレーキやインテリジェント、FCW(前方衝突予測警報)、BSW(後側方車両検知警報)など、先進安全装備を全グレードで標準装備としています。
しかし、日本国内でSUVやEV車などの人気が高まると、高級セダンの売上が減少。シーマも大きく影響を受け、2022年に生産終了となりました。
シーマ ハイブリッド

ハイブリッドモデルの最廉価グレード「シーマ ハイブリッド」
廉価グレードとはいえ、日産のフラッグシップカーとして確固たる地位を築いているのが特徴です。シート素材こそ、ネオソフィール/ジャカード織物と本革は使用されていませんが、ハイブリッドグレードでも十分シーマならではの高級感を味わうことができます。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2012年式:129万円~239万円
2013年式:158万円~238万円
2014年式:184万円
2015年式:177万円~289万円
2016年式:240万円
2017年式:269万円
2018年式:355万円
2019年式:218万円~331万円
2020年式:流通量希少により算出不可
シーマ ハイブリッドの中古車は現時点で、全ての年式をあわせて18台しか確認できませんでした。走行距離にもよりますが、新車価格の半額以下で購入できるものがほとんどです。
先代モデルとの比較
シーマ ハイブリッドは、日産独自のハイブリッドシステムとして、パラレル方式の「インテリジェント デュアルクラッチ コントロール」が採用されています。この方式をとることで、ダイレクト感のあるレスポンスに優れた走りと低燃費を両立させているのが特徴です。
また、新たな塗装技術であるスクラッチシールドは、ボディに軟質樹脂を配合したクリヤー塗装で、洗車キズや日常の小さな引っかきキズ程度であれば、時間の経過とともに傷を復元させることができるという大きな特徴があります。
上級グレードとの見た目の違いはVIPエンブレムの有無程度で、電動ガラスサンルーフなどが装備されるのは同じです。インテリアでも、パーソナルドライビングポジションメモリーシステム、運転席パワーシートなどの実用的な装備が充実しており、フラッグシップモデルにふさわしい一台に仕上がっています。
シーマ ハイブリッドは登場してから10年近くが経ちますが、その中古車は現時点で18台程度しか確認できませんでした。シーマの高級感を堪能したい人は、上級グレードのシーマ ハイブリッドVIPやシーマ ハイブリッドVIP Gも視野に入れてもいいでしょう。
エンジンは3.5L V型6気筒ターボ最高出力306ps。ボディサイズは全長5120mm×全幅1845mm×全高1510mmです。
人気のあるカラー
・スーパーブラック
・ガーネットブラック
・ブリリアントシルバー
・ブリリアントホワイトパール
この中では、明るいシルバー色の「ブリリアントシルバー」と、漆黒の「スーパーブラック」と、光沢感のある黒色の「ガーネットブラック」が人気です。
シーマ 30L
ラグジュアリー感を重視した「シーマ 30L」
グレード名のLは「リミテッド」を意味しており、よりラグジュアリー感が重視されたつくりになっています。また、30という数字は排気量を示しており、3.0LのV型6気筒ターボエンジンが搭載されていました。
シーマならではの高級感に加え、スポーティーな一面やパーソナル性の高さも特徴としており、シーマの中ではベーシックなエンジン仕様ながらより手軽にその魅力を堪能できます。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
1996年式:108万円
1997年式:99万円
1998年式:流通量希少により算出不可
1999年式:61万円~160万円
シーマ 30Lは、生産が終了してから20年以上経過しています。そのため、この世代のシーマに強い魅力を感じ、高いこだわりをもっている人でない限り、流通数の少ない中古車を積極的に選ぶ理由はないかもしれません。
先代モデルとの比較
30Lというグレード名は、3.0Lエンジンのラグジュアリー仕様を意味しており、日産のフラッグシップセダンとしてもちあわせた高級感がいっそう高められています。
重厚で座り心地のいいシートに加えて、オゾンセーフフルオートエアコンやUVカット断熱グリーンガラス&プライバシーガラスなどのさまざまな装備が施され、全ての乗員に快適な移動空間を提供しているのが特徴です。
また、安全性能にもこだわっており、当時としては画期的なHID式ヘッドランプが夜間走行時の高い視認性を確保するとともに、SRSサイドエアバッグやVDCなどの装備が事故の未然防止や被害軽減に貢献していました。
シーマ 30Lは20年以上前に発売されていたグレードであるため、現時点で中古車市場に流通している中古車の台数も5台と極めて少ないです。どうしてもこの世代のシーマが欲しいというユーザーは、他のグレードも含めて根気強く探す必要があるかもしれません。
エンジンは3.0L V型6気筒ターボ最高出力270ps。ボディサイズは全長4970mm×全幅1820mm×全高1445mmです。
人気のあるカラー
モノトーン
・ブラック
・ホワイトパール
・ダークメタルブルー
・パープリッシュグレー
2トーン
・ダークブルーイッシュブラックツートーン
・ダークグリーンツートーン
・ソニックシルバーツートーン
・ホワイトパールツートーン
この中では、パール塗装が施された白色の「ホワイトパール」が人気です。
シーマ ハイブリッド VIP

快適装備が充実した「シーマ ハイブリッド VIP」
ハイブリッドならではの燃費性能や力強い加速はもちろんのこと、VIPのグレード名が示すとおり、後席の乗員がより快適に乗車できるようなエアコンディショニングシートやリアのパワーリクライニングシートなどの装備が充実しています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2012年式:128万円~233万円
2013年式:150万円~269万円
2014年式:107万円
2015年式:127万円~258万円
2016年式:139万円~261万円
2017年式:125万円~262万円
2018年式:215万円
2019年式:207万円~216万円
2020年式:379万円
2021年式:流通量希少により算出不可
2022年式:流通量希少により算出不可
シーマ ハイブリッド VIPは年式や走行距離に比例して価格は下がっています。スポーツカー的に乗られたものは少ないと考えられるため、車両コンディションをチェックした上であれば、過走行車でも比較的安心して購入できるモデルでしょう。
先代モデルとの比較
シーマ ハイブリッド VIPは、現行型シーマの中間グレードとしてハイブリッドならではの走行性に加え、充実した装備でさらにプレミアム感をアップさせています。
そんなシーマ ハイブリッドVIPには、現代の乗用車に求められる安全機能も備わっているのが特徴です。2021年11月から順次必須となる自動ブレーキ機能として、インテリジェントエマージェンシーブレーキが装備されており、これにより衝突防止や衝突時の被害軽減につなげています。
この他、インテリジェントBSI/BSWやインテリジェント アラウンドビューモニターなど、先進安全装備の「ニッサン インテリジェント モビリティ」が危険の予防・回避や安全運転をサポートしてくれる機能も備わっています。
インテリアではセミアリニン本革シートが標準装備され、シーマ ハイブリッドと比べて一層高級感が増しています。
このグレードの中古車の流通台数は、現時点で35台ほどと決して多くありませんが、下級グレードのシーマ ハイブリッドよりは流通しているようです。また、この世代では比較的古い年式にあたる2012年式でも、状態のよいものだと200万円を超える中古車も確認できます。
エンジンは3.5L V型6気筒ターボ最高出力306ps。ボディサイズは全長5120mm×全幅1845mm×全高1510mmです。
人気のあるカラー
・スーパーブラック
・ガーネットブラック
・ブリリアントシルバー
・ブリリアントホワイトパール
この中では、漆黒の「スーパーブラック」と、光沢感のある黒色の「ガーネットブラック」といった黒系のカラーに人気が集中しているようです。
シーマ 41LV VIP
4.1LのNAエンジンを搭載した「シーマ 41LV VIP」
4.1LのNA(自然吸気)エンジンを搭載しており、4速ATを介してFRの駆動方式を採用する点はスポーティーな上級グレードであったシーマ 41LVと同じですが、VIPという名のとおり後席の快適性がいっそう高められているのが特徴です。
中古で購入する際の目安となる予算
シーマ 41LV VIPは生産終了から20年以上経過しており、2020年の中古車市場でも流通量は2台のみ。このときの車両状態は、走行距離が10万kmを超えているものばかりでした。運よくシーマ 41LV VIPが見つかったとしても、状態をよく確認してから検討することをおすすめします。
先代モデルとの比較
シーマ 41LV VIPはベースとなるシーマ 41LVに高級サルーン要素を強めたグレードとして登場します。
VIPという名のとおり、後席乗員を重視したつくりになっているのが特徴です。ボディサイズこそ同世代のシーマの他グレードと同じですが、後席のサイドSRSエアバッグをはじめとしたさまざまな装備が、後席の乗員をより安全・快適に移動させるための工夫が随所になされています。
シーマ 41LV VIPの中古車は、現時点でたった2台しか確認することができませんでした。生産が終了してから、すでに20年経過しており、より装備や性能が高くなった次世代以降のモデルに乗り換えているユーザーが多いのかもしれません。
エンジンは4.1L V型8気筒ターボ最高出力270ps。ボディサイズは全長4970mm×全幅1820mm×全高1445mmです。
人気のあるカラー
モノトーン
・ブラック
・ホワイトパール
・ダークメタルブルー
・パープリッシュグレー
2トーン
・ダークブルーイッシュブラックツートーン
・ダークグリーンツートーン
・ソニックシルバーツートーン
・ホワイトパールツートーン
この中では、青みがかった黒色の「ダークブルーイッシュブラックツートーン」が人気です。
※本記事は、2025年1月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。