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更新日:2020.10.11 / 掲載日:2020.10.11

フェラーリ 360の狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

フェラーリ 360

歴代のスモールフェラーリの中で、21世紀初頭に人気を博した車であるフェラーリ 360に関して、今回はグレード別に紹介していきます。「それぞれどのような特徴があるのか」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらいなのか」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。

フェラーリ 360の歴史

フェラーリ 360はF355の後継として、1999年に登場しました。そのルーツはディーノ206GTにさかのぼり、通称スモールフェラーリとして歴代のモデルにV8エンジンが搭載されています。360は3.6LのV8エンジンが搭載されているため、その名が冠せられました。V12エンジンほど官能的なサウンドを味わうことはできませんが、自然吸気ながら294kW(400PS)の最高出力と0-100km/h加速4.4秒という高い加速性能を誇ります。

360のデザインは、イタリアのカロッツェリアで、カーデザインに大きな功績を残しているピニンファリーナが手がけました。クーペとスパイダーという2通りのボディバリエーションがありますが、モデナとよばれるクーペモデルはタイヤ形状に合わせた前後のフェンダーや固定式のヘッドライト・丸形4灯のリアコンビランプが特徴です。また、スパイダーとよばれるオープンモデルは、優美なフォルムと優れた空力特性を両立させたソフトトップ収納部をはじめとして、随所に完成度の高さを感じさせます。

エンジンをミッドシップにレイアウトするのも360の特徴です。ドライバーの居住性や使い勝手などは一切考慮せず、純粋に走りを追求するフェラーリとしての高いアイデンティティが感じられます。360では従来からのMTに加え、パドル操作だけで変速できるセミATを搭載したグレードもあるのです。セミATの採用はより広いターゲットへ格好のアピールとなり、360の中古車はセミATモデルの方が多いという事実がそのことを物語っています。

また、それまでのフェラーリ車は左ハンドル仕様しか輸入されていませんでした。しかし、日本における輸入車事情にも対応し、360ではグレードによって日本では右ハンドル仕様が輸入できるようになっています。

360の中古車は、絶対数としては少ないながら、手軽に変える高級スポーツカーとして購入するのにさほど苦労はしません。ただし、フェラーリのメンテナンスには、さまざまな専用工具や高い専門技術が求められています。

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360 モデナ

MTならではの高い走行性能を誇る「360 モデナ」

360 モデナは、スモールフェラーリの一員として21世紀初頭に人気を博したモデルで、ロードカーとしてのトレンドを先取りするためにゼロベースで開発されました。

そんなモデナはクーペボディのマニュアルトランスミッションを搭載したグレードで、MTならではの高い走行性能を誇っています。特にボディの軽量化やシャシー剛性の向上が意識されており、二律背反ともいえるふたつの要素を高い次元で両立させているのが特徴です。

中古で購入する際の目安となる予算

360 モデナを中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

<年式:予算目安>
2000年式:777万円~1650万円
2001年式:799万円~1480万円

もともとモデナの中古車台数は多くありませんが、現時点で確認できたのは、わずか14台でした。走行距離は数万km程度ではあるものの、そこは繊細なドライビングやメンテナンスが求められるフェラーリ車、整備費用や整備を依頼する工場のことも、あらかじめ十分に確認する必要があります。

先代モデルとの比較

第1世代:1999年~2005年
360としては1世代のみのモデルライフでしたが、それまでのスモールフェラーリからボディの軽量化と高い剛性を両立させることで、より走行性能が高められています。ダブルウイッシュボーン式のサスペンションを前後に採用しているのも、その表れでしょう。

また、アルミモノコックもはじめて採用され、近代的なスーパーカーの仲間入りを果たしています。先代モデルに相当するF355との最大の違いは、ヘッドライトがリトラクタブルから固定式に変更されたことです。そのため、ボディデザインもF355の鋭角的なものから、ヘッドライトに合わせなめらかな曲線を描くものに変わりました。

モデナに搭載されるトランスミッションは6速MTで、その操作性はフェラーリのシフトレバー独特のものがあります。V8エンジンがミッドシップにレイアウトされ、オーナーしか味わえない官能的なサウンドが、フェラーリを走らせる喜びを与えているのが特徴です。ハンドル位置は、左ハンドル車のみが輸入されていました。

中古車は現時点では、10数台しかありません。操る楽しさをもつMT仕様は魅力的ですが、フェラーリのマニュアル車を乗りこなすのは至難の業です。ミッション型式にこだわらず、セミATのモデナF1を検討してもいいかもしれません。

エンジンは3.6L V型8気筒ターボ最高出力400ps。ボディサイズは全長4490mm×全幅1925mm×全高1215mmです。

人気のあるカラー

360 モデナは、20年以上前の車のため、現在では当時設定されていたボディカラーの正確な情報を確認することができませんでした。

また、人気カラーの傾向がつかめるほど流通台数は多いわけではありませんが、販売されている中古車のほとんどのボディカラーがフェラーリを象徴する発色のいい赤色の「ロッソ」です。

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360 スパイダー

クーペがベースとは思えないほど高い完成度の「360 スパイダー」

360 スパイダーは、360のオープンボディモデルです。6速MTと6速ATを搭載しているものがありますが、スパイダーはMT仕様のグレードです。

フェラーリ製フルオープンモデルの20作目にあたり、クーペがベースとは思えないほど高い完成度を誇るボディスタイルとなっています。また、ソフトトップは完全にボディに収納され、乗員の背後にある整流板で空力性能が高められているのが特徴です。さらに、走行性能を確保するため、ボディ剛性もアップされています。

中古で購入する際の目安となる予算

360 スパイダー を中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

<年式:予算目安>
2001年式:850万円
2002年式:1078万円~1300円
2003年式:1088万円~1470万円
2004年式:1050万円

スパイダーの中古車は、現時点ではトータルで10台程度しか確認できませんでした。その多くは1000万円を超える高額なものなので、普通の中古車を買う感覚では購入できないでしょう。他のフェラーリ車と同様に、メンテナンス費用や工場のことを考えておかなければなりません。

先代モデルとの比較

第1世代:2000年~2005年
360 モデナが登場した翌月の1999年10月、360 スパイダーが国内デビューを果たしました。フェラーリにとっては、20作目の節目にあたるオープンモデルにあたります。オープン走行時の安全を確保するため、ロールバーやウィンドディフレクターなどを装備しており、ソフトトップの収納部は優美なフォルムや高い空力特性を両立させました。

スパイダーは6速MT仕様のみがラインアップされており、ミッドシップレイアウトのエンジンともあいまって、フェラーリを自ら操る楽しさがとことん追求されています。搭載されるエンジンはスモールフェラーリの代名詞であるV8エンジンで、日本国内には左ハンドル車のみが輸入されました。

スパイダーは360の他グレードよりもタマ数が少なく、MTモデルの希少性もあって中古車価格も割高です。また,ロードカーとしてだけでなく、レーシングカーとしての色彩も濃いため、購入する際には他のグレード以上にメンテナンスのことを頭に入れておく必要があります。

エンジンは3.6L V型8気筒ターボ最高出力400ps。ボディサイズは全長4490mm×全幅1925mm×全高1235mmです。

人気のあるカラー

360 スパイダーも20年以上前の車のため、現在では当時設定されていたボディカラーの正確な情報を確認することができませんでした。

また、中古車市場に出回っている数も少ないため、人気カラーもわかりませんが、確認できたのは、おなじみの赤色「ロッソ」と、白色にパール塗装を施した「ビアンコ」です。

360 モデナ F1

F1カーの開発で培われた技術が活かされた「360 モデナ F1」

360 モデナ F1は、クーペモデルである360 モデナにセミATが組み合わされたグレードです。F1マチックといわれるそのミッションには、その名が示すとおりF1カーの開発で培われた技術が活かされており、ステアリング裏のパドルを操作するだけで瞬時に変速することができます。

その他、エンジンや足回り・装備などはMTの360 モデナと同様です。モデナ F1が、モデナと異なる点はトランスミッション型式の違いだけとなります。

中古で購入する際の目安となる予算

360 モデナ F1を中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

<年式:予算目安>
2000年式:678万円~1190万円
2001年式:798万円~1038万円
2002年式:750万円~988万円
2003年式:755万円~1000万円
2004年式:918万円~1048万円
2005年式:850万円

モデナF1は、現時点で40台ほどの中古車が確認できました。MT仕様のモデナよりは台数が多いものの、台数は豊富とはいえません。ただ、フェラーリの購買層がそれほど多いわけでもなく、メンテナンスの体制も万全に整える人も多いと思われるため、その点の心配は不要でしょう。

先代モデルとの比較

第1世代:1999年~2005年
360 モデナ F1は、MTモデルの360 モデナと同様のボディスタイルを持っており、流れるような美しいフォルムが特徴です。また、俗に「スモールフェラーリ」と呼ばれることから、走行性能が過小評価されがちですが、最高速は295km/h、0-100km/hは4.5秒という優れた加速性能を誇ります。

モデナF1に搭載される6速セミATは、「F1マチック」という名が冠せられました。その名が示すとおりF1での開発技術が応用されており、1989年にナイジェル・マンセルとゲルハルト・ベルガーがドライブしたフェラーリ640に搭載されたものをルーツとしています。ステアリング裏のパドルシフトを操作するだけでシフトチェンジができるため、シフト医チェンジのロスタイム減少やドライバーの負担軽減につながり、ドライビングをイージーに楽しむことが可能です。

そんなモデナF1の中古車は、MT仕様の360 モデナよりも多くの台数が販売されています。価格は応談のものもあり、中古車とはいえ20年近く前の年式でも700万円もするものも確認できました。

エンジンは3.6L V型8気筒ターボ最高出力400ps。ボディサイズは全長4490mm×全幅1925mm×全高1215mmです。

人気のあるカラー

360 モデナ F1も20年以上前の車のため、現在では当時設定されていたボディカラーの正確な情報を確認することができませんでした。

中古車市場で多く出ているカラーとしては、フェラーリの代名詞である赤色「ロッソ」、さらにディーノ 206/246のイメージカラーとして知られるイエローの「ジャッロ」も確認できています。

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360 スパイダー F1

スポーツ性の高い走りが楽しめる「360 スパイダー F1」

スパイダー F1は、360 スパイダーに6速のセミオートマチックのトランスミッションが搭載されたグレードです。グレード名のF1が示すとおりF1のレースで培われた技術が活かされており、ドライバーのシフト操作を軽減することでよりスポーツ性の高い走りが楽しむことができます。

ロールバーやウィンドディフレクターの装備はMTのスパイダーと同様で、ソフトトップ収納部は優美なフォルムと優れた空力特性を両立させました。

中古で購入する際の目安となる予算

360 スパイダー F1を中古で購入する際の目安となる予算をご紹介します。

<年式:予算目安>
2001年式:898万円~1130万円
2002年式:988万円~1140万円
2003年式:778万円~980万円
2004年式:878万円~1090万円
2005年式:1080万円

スパイダー F1の中古車は30台弱と、360 モデナと同様、MT仕様より販売されている中古車の数はわずかに多いです。ただし、メンテナンスフリーの車種とはいえないため、単に高級車がほしいという人にはなかなか手が出せないモデルといえます。

先代モデルとの比較

第1世代:2000年~2005年
スパイダー F1は2002年のジュネーブモーターショーで公開され、同年日本への輸入が開始されました。スパイダーと異なるのは搭載されるトランスミッションで、F1のレース現場で培われた技術が活かされた6速のセミATです。シフトチェンジ時のロスが少なく、ドライバーのシフト操作の負担を軽くできるため、フェラーリをドライブする喜びをより手軽に感じられます。

エンジンのレイアウトは他の360と同様、ミッドシップで高い旋回性能につながりました。また、サスペンション型式も走行性能にこだわり、前後ともにダブルウイッシュボーン方式を採用しています。ステアリングの位置は左ハンドル仕様が標準でしたが、オーナーの希望により右ハンドル仕様を輸入することもできました。

中古車はそれほど多くはないものの、MTモデルの360 スパイダーよりは台数が多く、比較的購入しやすくなっています。ただ、同じセミATの360 モデナ F1より若干高めの価格設定で、なおかつ購入後のランニングコストも無視できないので、値段だけでは購入を決められないモデルです。

エンジンは3.6L V型8気筒ターボ最高出力400ps。ボディサイズは全長4490mm×全幅1925mm×全高1235mmです。

人気のあるカラー

360 スパイダー F1も20年以上前の車のため、現在では当時設定されていたボディカラーの正確な情報を確認することができませんでした。

中古車で確認できるボディカラーは、シルバーの「グリジオアロイ」や、深みのある青色の「ブルー・ツールドフランス」などがありますが、やはりフェラーリのイメージカラーとして定着している赤色の「ロッソ」が特に多いようです。

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※本記事は、2020年9月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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