中古車購入
更新日:2025.03.26 / 掲載日:2020.10.06
トヨタ カムリの狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

トヨタ車の中でも長い歴史を持つ高級セダンのカムリ。日本国内ではそれほど販売台数を稼いでいるわけではありませんが、世界に目を向けるとカローラと共に全世界100カ国、1800万台以上を売り上げる大ベストセラーカーとなっています。そんなカムリに関して、今回はグレード別に紹介していきます。
「それぞれどのような特徴があるのか」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらいなのか」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
トヨタ カムリの歴史
トヨタ カムリは基本コンポーネンツを2代目セリカと共有するセダン「セリカ カムリ」という車種名で、1980年に登場しました。カローラより1クラス上位のスポーティセダンとして販売されます。しかし、それからわずか2年後の1982年の2代目には「カムリ」という車名に変更。この世代のカムリはFF車として設定したことで、車内空間の広くとることが可能となり、当時のクラウンより広いとの評価を得ました。また、この世代より北米を始め、世界各国に輸出が開始されます。
1986年に3代目になったカムリは当時のハイソカーブームに乗り、豪華なインテリアと流麗なボディラインに。しかし、それと引き換えにフロントウインドウの傾斜がきつくなったことなどが影響し、2代目ほどの室内空間は感じられなくなりました。
4代目は1990年に登場しており、今モデルは国内仕様と国外仕様で2種のカムリが存在。日本に逆輸入された国外仕様は「セプター」の名で販売されます。国内仕様は5ナンバーサイズ、国外仕様は3ナンバーサイズとボディが異なっているのが特徴です。
1994年の5代目の時期はちょうどバブル崩壊と重なっていた頃で、耐久性や走行性能は維持しつつも、大幅なコストダウンが図られました。先代と比較してインテリアなどが簡素なものとなり、グレード展開も削減されます。
1996年の6代目では、ボディサイズが3ナンバーサイズとなり、エンジンも2.2Lと2.5Lが搭載され、車格が上がりました。また、この世代のカムリは北米市場で4年連続乗用車販売台数1位を獲得しています。
2001年登場の7代目は国内仕様エンジンが2.4Lのみとなり、ウインダムと共通のプラットフォームを使用する姉妹車となりました。また、ツーリングと呼ばれるスポーティーグレードも登場しています。
2006年に8代目となり、エクステリアデザインが大きく変更。これはウインダムとの車種統合もあり、ウインダムの代替需要にも応えられる上質感を増したものとなります。
2011年の9代目では北米仕様ではガソリン車も存在するものの、国内仕様ではハイブリッド車のみの設定に。ハイブリッド車となったこと、さらに空力も考慮されたボディ形状の効果で、23.4km/Lのクラストップの燃費性能となっています。
2017年より販売を開始した現行型・10代目では、プラットフォームやパワートレインを一新。エクステリアデザインもこれまでの大人しいものから、アクティブでスポーティー感のあるデザインに変更しました。また、トヨタ独自の安全技術トヨタセーフティセンスを全車標準装備するなど、安全面も大きく進化しています。
2023年12月をもって、日本国内向けカムリの生産が終了し、国内での販売が終了しました。しかし、海外市場では引き続き販売され、2024年には11代目となる新型カムリが登場。ハイブリッド専用モデルとして北米をはじめとする各市場で展開されています。
国外向けの新型カムリには最新の「TNGA-K」プラットフォームを採用し、よりスポーティーなデザインと優れた燃費性能を実現。パワートレインには2.5Lハイブリッドと2.4Lターボハイブリッドの2種類を設定し、環境性能と走行性能の両立を図っています。
さらに、アップデートされた「Toyota Safety Sense」による自動運転支援技術を搭載し、安全性も向上。特に北米市場では、高級志向の内装や最新のインフォテインメントシステムが採用され、競争力を強化しています。
カムリ G

一度ラインナップから外れるも再度復活したグレード「カムリ G」
9代目では一度ラインナップから外れますが、2017年7月に登場した10代目で再登場を果たします。この世代では普及グレードとして設定され、装備面では17インチアルミホイールが装着されました。また、パワーシートやUVカットガラス、充電用USB端子を備えるなど、カムリ Xに対して差別化が図られています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2006年式:80万円~124万円
2007年式:流通量希少により算出不可
2008年式:71万円
2009年式:49万円~55万円
2010年式:流通量希少により算出不可
2017年式:154万円~299万円
2018年式:150万円~293万円
2019年式:176万円~290万円
2020年式:177万円~351万円
2021年式:208万円~335万円
2022年式:310万円~353万円
2023年式:275万円~357万円
8代目のカムリ Gでは、最終モデルでも10年落ちということもあって流通数も少なく、価格も下落傾向です。一方で、10代目は販売台数も多いため、中古車市場でも流通数が多いことから、条件に合う個体も比較的探しやすいでしょう。
先代モデルとの比較
カムリ Gは2006年に発売が開始。この頃、カムリの世界累積販売台数はすでに1000万台を超えており、グローバルモデルとして揺るぎない地位を占めていました。そんな8代目のコンセプトは「ミディアムセダンの新たな世界基準の創造」です。世界基準で満足度の高い車を目指したことに加え、同社のウインダムと車種統合もあり、ウインダムの代替モデルとして高い質感が特徴。
この世代の最終年式のものでも、登場から10年以上経過していることもあって価格も安めです。そのため、良質な車両はあまり存在しません。
エンジンは2.4L直列4気筒ターボ最高出力167ps。ボディサイズは全長4815mm×全幅1820mm×全高1470mmです。
第10世代:2017年~2023年
この世代のカムリ Gは2017年7月に登場したモデルです。10代目はTNGAの手法を取り入れた車作りが特徴で、パワートレイン、プラットフォームなどは完全新設計となり、デザイン、走行性能、快適性能、燃費性能など高いレベルでまとめ上げられています。
この世代は現行モデルということもあり、全体的に高い値段で取引されているようです。
エンジンは2.5L直列4気筒ターボ最高出力178ps。ボディサイズは全長4885mm×全幅1840mm×全高1445mmです。
人気のあるカラー
・アティチュードブラックマイカ
・エモーショナルレッドII
・プレシャスメタル
・プラチナホワイトパールマイカ
この中では、見る角度によってボディが透けて見えるような黒色が特徴的な「アティチュードブラックマイカ」が人気です。
カムリ ハイブリッド

先代を大幅に上回る動力性能と燃費性能の「カムリ ハイブリッド」
カムリ ハイブリッドは9代目のベースグレードとなるものの、インテリアや快適装備など車の格に見合う高い質感が特徴です。また、先代モデルと同程度の出力を持つエンジンにハイブリッドシステムを追加したことで、先代を大幅に上回る動力性能と燃費性能を持っています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2011年式:79万円~162万円
2012年式:63万円~163万円
2013年式:79万円~158万円
2014年式:95万円~168万円
2015年式:108万円~189万円
2016年式:129万円~202万円
2017年式:117万円
カムリ ハイブリッドはベースグレードということもあり、流通量は少ないようです。また、カムリ ハイブリッドには1グレード上位のハイブリッド Gパッケージがあるため、わざわざカムリ ハイブリッドを選択するという人もいないでしょう。
先代モデルとの比較
カムリ ハイブリッドは2011年7月に販売が開始されました。燃費性能は先代のベースグレードにあたるカムリ Gの11.4km/Lに対し、23.4km/Lと大幅に改善。同時に動力性能も向上しており、3.0Lクラスのガソリン車に匹敵する加速性能を持ちます。
車体も進化を続けており、風切り音をシャットアウトする高遮音性ガラスやロードノイズを低減するフェンダーリヤライナー、防音構造ダッシュボードなどを採用しました。これにより、クラス最高レベルの静粛性となります。
また、安全性能も強化され、全方位からのさまざまな衝突に対応した衝突安全ボディと併せて、むち打ち障害軽減フロントシートと合計7つのSRSエアバッグなどを装備しました。ボディ外板を衝撃吸収構造とすることで、歩行者に対しての安全性能も高めています。
9代目のベースグレードということもあって、中古車市場で出回っている数もそれほど多くはありません。とはいえ、登場からまだ15年近く経ったグレードですが、良質な車両もあるようです。
エンジンは2.5L直列4気筒ターボ最高出力160ps。ボディサイズは全長4825mm×全幅1825mm×全高1470mmです。
人気のあるカラー
・アティチュードブラックマイカ
・シルバーメタリック
・ホワイトパールクリスタルシャイン
・ダークブルーマイカメタリック
・グレーマイカメタリック
・ダークスチールマイカ
・トゥルーブルーマイカメタリック
・レッドマイカメタリック
この中では、高級感のある黒色塗装の「アティチュードブラックマイカ」が人気です。
カムリ プロミネント
排気量が拡大され、余裕ある走りになった「カムリ プロミネント」
3代目ではプロミネントの名のとおり「際立つ」ものとしてこのグレードのみ2.0L V6エンジンが搭載されました。そのため、V6らしい滑らかな回転フィーリングが特徴です。
4代目では国内専用モデルとなり、エンジンも先代に同様V6エンジンが搭載されますが、2.0Lと2.5Lのラインナップとなります。排気量が拡大されたことで、余裕ある走りが可能となりました。
中古で購入する際の目安となる予算
先代モデルとの比較
カムリ プロミネントは3代目に設定されたグレードです。先代の販売不振の反省からV6エンジンを搭載し、上級感のあるモデルとなりました。
エクステリア・インテリアは、当時ソアラやクレスタに代表されるハイソカーの流れに則ったものとなり、ボディタイプは4ドアハードトップが選択可能に。インテリアカラーはワインレッドとバーガンディのコンビで、バブル期の設計ということもあり豪華なものとなっています。
1986年の発売から40年近く経った世代のため、中古車市場には流通していませんでした。
エンジンは2.0L V型6気筒ターボ最高出力140ps。ボディサイズは全長4650mm×全幅1690mm×全高1370mmです。
第4世代:1990年~1994年
1990年に登場した4代目も、先代同様上級グレードに位置しています。エンジンは当初2.0LのV6が搭載されましたが、1991年に2.5L V6が追加され、2.0L V6は「プロミネントE」のみの搭載となりました。
エクステリアでは先代と打って変わり、曲面を多用した柔らかなデザインに。インテリアは先代同様豪華なものとなり、オプションであるもののレザーシートやパワーシートが選択可能となっています。
先代同様、1990年の発売から35年近く経過している世代のため、中古車市場では確認できませんでした。
エンジンは2.5L V型6気筒ターボ最高出力175ps。ボディサイズは全長4670mm×全幅1695mm×全高1380mmです。
人気のあるカラー
・スーパーホワイトII
・ダークグリーンマイカ
・グレイッシュグリーンマイカ
・オリーブブリーズトーニング
・ダークブルーイッシュグレーマイカ
・グレイッシュパープルメタリック
・グレーシャスパールトーニング
・ライトベージュメタリック
この中では、ソリッド系ホワイトの「スーパーホワイトII」が人気です。
カムリ ルミエール
静粛性やインテリアの質感の高さは一線を画す「カムリ ルミエール」
カムリ ルミエールはカムリの普及グレードであり、エンジンもディーゼルターボエンジンに2.0Lと1.8Lのガソリンエンジンの計3種のエンジンがラインナップされています。
また、トヨタのミドルクラスセダンとして、静粛性やインテリアの質感の高さなど、カローラやスプリンターなどとは一線を画すものとなりました。
中古で購入する際の目安となる予算
先代モデルとの比較
カムリ ルミエールは1986年に登場した3代目から設定されたグレードです。エクステリアでは、直線を基調としたスタイリッシュなデザインが採用されました。インテリアも、シンプルながらも上品にまとめ上げられています。
登場から40年近く経過しているため、中古車市場には出回っていませんでした。
エンジンは2.0L直列4気筒ターボ最高出力140ps。ボディサイズは全長4530mm×全幅1690mm×全高1395mmです。
第4世代:1990年~1994年
1990年に登場した4代目も先代同様、普及グレードとして登場しています。エクステリアは先代から大きく方針転換し、丸みを帯びたふっくらとしたデザインに。インテリアでは先代同様、コストを抑えつつも高い質感となっています。
この世代も先代同様、中古車市場には出回っていません。
エンジンは2.0L直列4気筒ターボ最高出力140ps。ボディサイズは全長4670mm×全幅1695mm×全高1395mmです。
第5世代:1994年~1996年
1994年の5代目が登場した時期はバブル崩壊後の時期と重なり、先代、先々代とは違い、大幅なコストダウンを受けて開発されています。カムリ ルミエールも例外ではなく、エクステリア・インテリアの各種パネル類などグレードダウンされものが採用されました。
カムリ ルミエールの中でも最も新しい世代ですが、30年以上経過しているため、中古車市場には出回っていませんでした。
エンジンは2.0L直列4気筒ターボ最高出力140ps。ボディサイズは全長4625mm×全幅1695mm×全高1410mmです。
人気のあるカラー
・スーパーホワイトII
・ダークグリーンマイカ
・マジェスティックグレートーニング
・シルキーパールトーニング
・フラクセンマイカメタリック
・ダークブルーマイカグラファイト
この中では、ほぼ同時期に販売されていたカムリ プロミネント同様、ソリッド系ホワイトの「スーパーホワイトII」が人気です。
※本記事は、2025年2月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。