中古車購入
更新日:2025.01.28 / 掲載日:2020.10.06
BMW Z4の狙い目グレードや特徴と価格相場を紹介

BMWのZ4は、プレミアムセグメントのロードスターとして高い人気を誇っています。新車には手が出なくても、中古車なら手頃な価格で購入することもできるかもしれません。そんなZ4に関して、今回はグレード別に紹介していきます。
「それぞれどのような特徴があるのか」「中古で購入する場合に目安となる予算はどれくらいなのか」といった実際に購入を検討されている方に必要な情報を掲載していますので確認してみてください。
BMW Z4の歴史
BMW Z4はBMWのオープン2シーターとして2002年のパリ・モーターショーで発表されました。日本国内では2003年に発売を開始します。20世紀末に発売されていたZ3の後継モデルに相当しますが、Z4とひとつ格上の名称が付けられました。Z4は一目でBMWとわかるロングノーズや低いドライビングポジション・乗員を包み込むようなインテリアなどを特徴とし、ロードスターらしさが随所に散りばめられています。
当初はオープンボディのみでしたが、のちにクーペボディも加わり、より幅広くZ4ならではのスポーティーさを楽しめるようになりました。特に先代のオープンモデルではBMW初のリトラクタブル・ハードトップが採用されています。そのため、オープン状態では高い爽快感が味わえるとともに、クローズ状態にすればクーペモデルのように快適なドライビングを堪能することが可能です。
Z4の駆動方式は、BMWこだわりのFR。現代の自動車は駆動方式の違いをさほど感じなくはなりましたが、緊急時における操作性やドライビングプレジャーの高さは、他の駆動方式では真似できない長所です。
組み合わされるトランスミッションは、最新のモデルでこそATが一般的になりましたが、以前はMT仕様を選ぶこともでき、意のままに操る喜びも楽しめました。もちろん現行モデルに搭載されるAT仕様からその喜びが奪われたわけではなく、俊敏性とドライビングダイナミクスを高い次元で融合させた走りを楽しむことが可能です。
また、2019年に発売を開始したZ4の3代目である現行モデルは、トヨタ GR スープラと兄弟車の関係にあります。シャシーやエンジンをはじめ90%の部品を共通にしながら、BMWとトヨタのそれぞれの個性が活かされた味付けになっています。製造は、オーストラリアの自動車製造業者マグナ・シュタイアが担当しました。この世代は先代とは異なり、ソフトトップのオープンカーのみが設定されています。
Z4 sDrive35is

スポーティーなデザインが特徴の「Z4 sDrive35is」
E89型のモデルチェンジに遅れること1年、2010年にZ4の最上級モデルとして登場しました。同じ3.0L直列6気筒ターボエンジンを搭載するsDrive35iをベースにしながらも、専用のチューニングによりエンジン出力が大幅にアップしています。
Mスポーツ・パッケージに含まれる様々なオプションを標準で装備しているのも、このグレードの特徴です。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2010年式:218万円~288.9万円
2011年式:335万円
2012年式:288万円~353.7万円
2013年式:398万円
2014年式:309万円
2015年式:流通量希少により算出不可
2016年式:流通量希少により算出不可
Z4 sDrive35isは中古車市場においては希少モデルであり、市場に流通している台数はまだ少ない状況です。しかしながら、価格相場を気にして購入するモデルではないため、購入する際は他のモデル以上に入念なコンディションチェックが必要となるでしょう。
先代モデルとの比較
Z4 sDrive35isは、Z4 sDrive35iのエンジンにチューニングを施し、最高出力を340psにアップさせています。アダプティブMサスペンションも相まって、走行性能が向上しました。
外観上のアクセントとしては、MエアロダイナミクスパッケージやMライトアロイホイールなどがあり、スポーティーな雰囲気がより高められています。インテリアもスポーツシートやパドルシフト付きのマルチファンクションMスポーツ・レザーステアリングなどが装備され、スポーティーなデザインと高い機能性を両立させました。
また、0→100km/h加速が4.8秒という極めて高い加速性能を誇りながらも、JC08モードで10.0km/Lと、sDrive35iと同様の燃費性能を持つのも特徴です。このため、Z4により高い力強さと速さを求める人におすすめのグレードといえます。Z4 sDrive35isは、Z4の生産が一旦終了された2016年にモデルライフに幕を閉じました。
中古車はほとんど流通していませんので、このグレードの中古車を探すのは困難を極めます。
エンジンは3.0L直列6気筒ターボ最高出力340ps。ボディサイズは全長4255mm×全幅1790mm×全高1285mmです。
人気のあるカラー
・ブラック・サファイア
・アルピン・ホワイトIII
・ミネラル・ホワイト
・グレイシャー・シルバー
・メルボルン・レッド
・エストリル・ブルー
・ミネラル・グレー
この中では、サファイアのような煌めきを放つ「ブラック・サファイア」が人気です。
Z4 sDrive20i
Z4 sDrive23iの跡を継ぐ「Z4 sDrive20i」
従来のZ4に搭載されるATは7速が最高でしたが、Z4で初めて8速ATが採用されました。また、ダウンサイジングターボと呼ばれる新型の直列4気筒ターボエンジンの搭載やエンジン・電装系を総合的にコントロールするECO PROモード機能などが走行面での特徴です。そのため、高い走行性能と燃費性能が、高い次元で両立されています。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2011年式:149.5万円~188.4万円
2012年式:170万円~305万円
2013年式:105万円~298万円
2014年式:170.9万円~340.3万円
2015年式:195.9万円~312.6万円
2016年式:211.9万円~318万円
2019年式:369.6万円~495.5万円
2020年式:437.6万円~538万円
2021年式:468.8万円~547.1万円
2022年式:493万円~605万円
2023年式:542.4万円~686.5万円
2024年式:616万円~687.1万円
Z4 sDrive20iは現在の中古車市場ではかなり流通しているといえます。十分な選択肢がありますので、希望に近い中古車を購入できるでしょう。
先代モデルとの比較
Z4 sDrive20iは、第2世代が登場した2年後の2011年に発売開始されました。それまで初愛されていたZ4 sDrive23iの後継にあたるモデルですが、23iの2.5L直列6気筒から2.0L直列4気筒ターボにエンジンが変更されています。
また、吸排気バルブタイミグ可変機構である「ダブルVANOS」、吸気バルブの可変リフト機構として「バルブトロニック」が搭載されました。このエンジンから発生するパワーをパドルシフト付きの8速スポーツATを介し、FRの駆動方式で動かします。
中古車価格は200万円~300万円程度ですが、タマ数がほとんどありません。Z4の中古車を購入する場合は他のグレードを選ぶか、どうしてもZ4 sDrive20iにこだわるのであれば相当根気強く探す必要があります。
エンジンは2.0L直列4気筒ターボ最高出力184ps。ボディサイズは全長4250mm×全幅1790mm×全高1290mmです。
第3世代(現行モデル):2019年~
Z4の中でもベーシックなグレードに位置付けられていますが、現代の乗用車に必要とされる装備はひととおりそろっているのが特徴です。その中には衝突回避・被害軽減ブレーキも含まれており、車線逸脱警告システムなどのドライビングアシスト機能で安全運転をサポートします。
現行のZ4 sDrive20iには、先代に引き続き、ダウンジングターボとして2.0Lターボエンジンを搭載。320N・mの最大トルクを1450~4200rpmという幅広い回転域で発生させることで、扱いやすいエンジン特性に仕上がりました。
この世代の中古車は、年式の割に新車価格よりも低い額で売られているのを見かけますが、流通台数は数台しか確認できませんでした。
エンジンは2.0L直列4気筒ターボ最高出力197ps。ボディサイズは全長4335mm×全幅1865mm×全高1305mmです。
人気のあるカラー
・ブラック・サファイア
・アルピン・ホワイトIII
・サンフランシスコ・レッド
この中では、明るく澄んだトーンの白色が印象的な「アルピン・ホワイトIII」と情熱的な赤色をした「サンフランシスコ・レッド」が人気です。
Z4 sDrive23i
BMWで初めてリトラクタブル・ハードトップを採用した「Z4 sDrive23i」
また、ダイナミック・ドライビング・コントロールの機能は、ギアシフトやアクセル・ステアリングの特性を3段階のモードに設定できるという特徴を持っています。運転する状況に応じて操作性を変えることができるため、より高いドライビングプレジャーを感じることが可能なグレードです。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2009年式:89万円~225万円
2010年式:90万円~204.9万円
2011年式:92.6万円~198万円
Z4 sDrive23iは、現時点で中古車市場に出回っている台数も多く、選択肢は多いといえます。ただし、このグレードは生産終了から10年近く経過しているため、コンディションがよい車両をじっくり探すことをおすすめします。
先代モデルとの比較
Z4 sDrive23iはベーシックグレードに相当しますが、ダイナミック・ドライビング・コントロールが標準装備されています。この機能では、シチュエーションに応じてシフト特性やアクセル・ステアリングなどを「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ・プラス」の3段階に変えることが可能です。特にスポーツモードでは、ダイレクトなステアリング操作・アクセルレスポンスの早さなどにより、スポーティーな走行が可能となります。
また、オプション設定になりますが、アダプティブMサスペンションではノーマルより10mm車高が低くなり、ショックアブソーバーの伸縮幅が4輪独立でセッティングできるのが特徴です。インテリアは機能性を追求し、ドライバーの感性を呼びさますものとなっています。さらにオプションでZ4 sDrive35i同様の上質インテリアとなる「Hi-Lineパッケージ」を選ぶことができました。日本仕様としては、右ハンドルのみが用意されています。2011年にZ4 sDrive20iが登場したことに伴い、ラインナップから消えました。
このグレードは生産が終了してから10年近く経過しているため、価格は手頃です。
エンジンは3.0L直列6気筒ターボ最高出力204ps。ボディサイズは全長4250mm×全幅1790mm×全高1290mmです。
人気のあるカラー
・ブラックII
・ブラック・サファイア
・アルピン・ホワイトIII
・ハバナ
・スペース・グレー
・チタン・シルバー
・クリムゾン・レッド
・ディープ・シー・ブルー
・オリオン・シルバー
この中では、ソリッド系ブラックの「ブラックII」や明るめの白の「アルピン・ホワイトIII」が人気です。
Z4 Mクーペ

高い次元でスポーツ走行を楽しめる「Z4 Mクーペ」
BMWの子会社で、同社のスポーツモデルを手がけるM Gmbh(M社)により手が加えられており、エンジンや専用サスペンションの採用により、スポーツ走行を高い次元で楽しめるという特徴があります。トランスミッションや駆動方式はスポーツモデルらしく6速MT・FRというもので、車を操る楽しさもドライバーに提供しているグレードです。
中古で購入する際の目安となる予算
<年式:予算目安>
2006年式:流通量希少により算出不可
2007年式:748万円
2008年式:437.9万円
2009年式:357.9万円
Z4 Mクーペの中古車はわずか数台数しか確認できませんでした。上記の販売価格は確認できましたが、相場といえるほどの数はそろっていません。また、個体差も大きいため、Mクーペが欲しい人は十分なチェックをしながら根気強く探す必要があるでしょう。
先代モデルとの比較
Z4 MクーペはM Gmbh(M社)が手がけたスポーツモデルとして、通常のZ4と比べ走行性能がより高められたグレードです。
特に、エンジンやサスペンションへ本格的に手が加えられています。このモデルのために新設計されたフロントサスペンションは徹底的に軽量化が図られており、リアサスペンションには剛性の高いM3のものを流用しました。搭載エンジンは一般グレードよりも排気量が拡大された3.2Lのシルキーシックスで、7900rpmという高回転域で最高出力を発生。このエンジンからの動力は6速MTを通じて後輪に伝え、ボディを駆動しています。
Z4 Mクーペは、走行性能自体の高さに加え、コーナリング・ブレーキ・コントロールやダイナミック・スタビリティ・コントロールによる安定した走行のサポート機能も充実しているのが特徴です。2009年にZ4がフルモデルチェンジされるにあたり、Z4 Mクーペはラインナップから消滅します。
現在、中古車はほとんど流通しておらず、探し出すのは非常に難しいです。どうしてもMクーペが欲しい人は、探す時間と手間を十分にかけて、根気強く見つける必要があります。
エンジンは3.2L直列6気筒最高出力343ps。ボディサイズは全長4113mm×全幅1781mm×全高1287mmです。
人気のあるカラー
・ブラック・サファイア
・アルピン・ホワイトIII
・モナコブルー
・スペース・グレー
・チタン・シルバー
・イモラ・レッド
・インテルラゴス・ブルー
・セパン・ブロンズ
この中では、他のグレードでも人気のある明るい白の「アルピン・ホワイトIII」や深みのある青の「インテルラゴス・ブルー」が人気です。
※本記事は、2025年1月時点の情報になります。現在の相場価格と異なる可能性がございます。