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更新日:2020.04.23 / 掲載日:2018.06.25
トヨタクラウンハイブリッドの概要と歴史をまとめてみた

グーネット編集チーム
2008年5月に発売のトヨタクラウンハイブリッドは、2008年2月のフルモデルチェンジで13代目となったクラウンに、「ロイヤル」と「アスリート」に続く新シリーズとして設定されました。
ベースとなるクラウンは、初代が1955年1月に誕生したトヨタの伝統的看板モデルであり、「いつかはクラウン」とまで呼ばれた国民の憧れの存在でもありました。
クラウンは、初代の前輪独立懸架や自動変速機、2代目のV8エンジン、7代目のスーパーチャージャー仕様のエンジンなど、量産車として日本初の技術を数多く打ち出した革新的なモデルとしても知られています。
初代クラウンハイブリッドのハイブリッドシステムは、「レクサスGS450h」と同じプラットフォームとなっています。3.5 L V6の直噴エンジンに、FR専用2段変速式リダクション機構付き「THS II(TOYOTA Hybrid System II)」を組み合わせています。
2012年12月には、「手が届く、驚き燃費のFRハイブリッド」というキャッチフレーズのもと、2代目に移行し、フルモデルチェンジしました。
初代のエンジンは3.5L V6がベースでしたが、2代目になると2.5L 直列4気筒にダウンサイジングしたことにより、大幅に燃費を向上させています。エンジンの排気量ダウンとともに、新車の本体価格も大幅に下がりました。
初代は、独立した「ハイブリッド」のシリーズとしての位置づけであったものの、2代目からは「ロイヤル」と「アスリート」の両方がハイブリッド仕様となったので、独立したシリーズとしての「ハイブリッド」は消滅しています。
初代 トヨタ クラウンハイブリッド 200系(2008年~2012年)

グーネット編集チーム
初代 クラウンハイブリッド (200系)は、2008年2月のフルモデルチェンジで13代目となったクラウンのベースモデル発売から3ヶ月遅れで2008年5月に発表されました。
先代の12代目クラウンは「ZEROクラウン」として外観デザインを一新して若返りを図っており、そのコンセプトを継承しながらも、さらに勢いのあるデザインとなっています。
過去には11代目クラウンにて、「マイルドハイブリッド」を搭載していましたが、初代のクラウンハイブリッドでは、レクサスGS450hのハイブリッドシステムを採用しています。それに伴い、本格的なハイブリッド車として位置づけられています。
ベースモデルとの外観上の違いは、前後のランプやエンブレム、専用デザインの18インチアルミホイールなどです。メーターは全面カラーのTFT液晶画面に映し出されることになり、ハイブリッド車特有のエネルギーモニターをはじめとして、様々なインフォメーションが表示されます。
搭載されるエンジンは、3.5L V6エンジン(296ps/6400rpm、37.5kgm/4800rpm)であり、高出力のモーター(200ps、28.0kgm)と組み合わせることで、システム全体で345psの最高出力を発生します。
パワー的にはレクサスGS450hと同じものの、走行燃費は、10・15モードで15.8km/Lとなります。
ハイブリッド用のバッテリーや制御システムを搭載しているので、3.5L のアスリートより車両が重いにも関わらず、「VGRS(Variable Gear Ratio Steering:可変ギヤ比ステアリング)」や、減衰力可変式ダンパーとナビを一体化させた「NAVI・AI-AVS」によって、地図の情報からコーナーの情報を解析し、ショックアブソーバーの減衰力を最適に制御することが可能になり、スムーズなコーナリング性能を誇ります。
トヨタ クラウンハイブリッド ハイブリッド スタンダードパッケージ(2008年5月モデル)
ボディタイプ:セダン
乗員定員:5名
駆動方式:FR
ボディサイズ:4870×1795×1470mm(全長×全幅×全高)
室内サイズ:2060×1520×1205mm(室内長×室内幅×室内高)
タイヤサイズ:(前)225/45R18 91W(後)225/45R18 91W
エンジンタイプ:2GR-FSE V型6気筒DOHC+モーター
排気量:3456cc
最高出力:296ps(218kW)/6400rpm
最大トルク:37.5kg・m(368N・m)/4800rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
10モード/10・15モード燃費:15.8km/リットル
車両重量:1840kg
価格:5,950,000円
自動車税:年間58,000円 ※
※自動車税は2018年2月時点で参照したものとなります。
■初代 トヨタ クラウンハイブリッド 200系の主なグレード・主なオプション・カラーバリエーション
・主なグレード
「ハイブリッド スタンダードパッケージ」「ハイブリッド」。
・主なオプション
プリクラッシュセーフティシステム&後方プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)<ドライバーモニター・電動上下調整式プリクラッシュインテリジェントヘッドレスト[前席]・プリクラッシュシートベルト[前席]付>、マイコン制御チルト&スライド電動ムーンルーフ(挟み込み防止機能+パワーOFF後作動機能+ドアキー連動機能天井サイドイルミネーション付)、クリアランスソナー(ステアリング感応式)&サイドモニター、ナイトビュー(歩行者検知機能付)、トヨタプレミアムサウンドシステム(DVDオーディオ/ビデオ(5.1ch対応)、CD・MD+AM/FMラジオ(18スピーカー)、サウンドライブラリー)、アナログTVチューナー、リヤオートクーラー。
・カラーバリエーション
ブラック、ダークブルーマイカ、ライトブルーマイカメタリック、シルバーメタリック、プレミアムシルバーパール、ホワイトパールクリスタルシャイン。
(発売時期・グレードにより異なります)
2代目 トヨタ クラウンハイブリッド 210系(2012年~)

グーネット編集チーム
2代目 クラウンハイブリッド (210系)は、2012年12月に発売されました。
先代までは、「ロイヤルサルーン」「アスリート」「ハイブリッド」の3つのシリーズの展開でしたが、2代目からは、「ロイヤル」と「アスリート」の2つのシリーズとなりました。
また、2シリーズにハイブリッド仕様が搭載されることになったため、「ハイブリッド」としての単独シリーズは消滅しました。
外観的な特徴としては、「ロイヤル」「アスリート」の両方とも、王冠(クラウン)のグリルが挙げられます。
特に「ロイヤル」と大きく差別化が図られた「アスリート」のフロントグリルは、エッジの効いた大胆でアグレッシブなデザインとなっており、革新を目指すクラウンの象徴というべきフロントマスクになっています。
インテリアは、外観のようなアグレッシブさはなく、先代からの高級感や上質感を継承したものとなっています。
モチーフとなっているのは、日本の伝統的な造形美や先進のハイテクシステムであり、それらが高い次元でバランス良く両立しています。
なお、「ロイヤル」「アスリート」の2つともシートを除いてベースとなるデザインは共通であるものの、木目パネルが「ロイヤル」は金糸柄入りの茶木目、「アスリート」は幾何学柄入りの黒木目となっています。
搭載されるエンジンは、直列4気筒DOHC2.5Lの新開発の2AR-FSE型となっています。
さらに「Dual VVT-i(吸・排気連続可変バルブタイミング機構)」とエンジンの燃焼を抑えながら排出ガスを冷却し、再循環させる「クールドEGR(Exhaust Gas Recirculation:排出ガス再循環)」が搭載されています。
筒内噴射には次世代の「D-4S(Direct injection 4 stroke gasoline engine Superior version)」システムを採り入れています。
このエンジンと高トルクモーター(143ps、30.6kgm)との組み合わせによって、ハイブリッドシステム全体の最高出力は220psとなりました。
ほかにもJC08モードでの燃費は23.2km/Lという優れた環境性能となり、先代の14.0km/Lと比較すると大幅に向上させることができました。
安全装備としては、前方や対向車両に合わせてヘッドライトを操作する「アダプティブハイビームシステム」や周囲の状況を映し出す「パノラミックビューモニター」などが新たに加わりました。
ほかにもミリ波レーダーによる「プリクラッシュセーフティシステム」、ペダルの踏み間違いなどによる衝突被害を軽減する「インテリジェントクリアランスソナー」が加わっています。
トヨタ クラウンハイブリッド(CROWN_HYBRID)ロイヤル(2013年1月モデル)
ボディタイプ:セダン
乗員定員:5名
駆動方式:FR
ボディサイズ:4895×1800×1460mm(全長×全幅×全高)
室内サイズ:1975×1510×1190mm(室内長×室内幅×室内高)
タイヤサイズ:(前)215/60R16 95H(後)215/60R16 95H
エンジンタイプ:2AR-FSE 直列4気筒DOHC+モーター
排気量:2493cc
最高出力:178ps(131kW)/6000rpm
最大トルク:22.5kg・m(221N・m)/4200~4800rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
JC08モード燃費:23.2km/リットル
車両重量:1630kg
価格:4,100,000円
自動車税:年間45,000円 ※
※自動車税は2018年2月時点で参照したものとなります。
■2代目 トヨタ クラウンハイブリッド 210系の主なグレード・主なオプション・カラーバリエーション
・主なグレード
「ロイヤル」「アスリート」「ロイヤルサルーン」「アスリートS」「ロイヤルサルーンG」「アスリートG」。
・主なオプション
インテリジェントクリアランスソナー、リヤフォグランプ(左右)、SRSサイドエアバッグ(後左右席)、前席シートベンチレーション、前席シートヒーター、スーパーUVカットガラス(フロントドア)、T-Connectナビ(NSZT-W66T)、エントリーナビ(NSCD-W66)、カーオーディオ(USB/CDチューナー CP-W66)、セーフティモニター(バックガイドモニター)、ドライブレコーダー DRD-H66、カメラ一体型ドライブレコーダー DRT-H66Aなど。
・カラーバリエーション
ブラック、プレシャスブラックパール、ダークブルーマイカ、シルバーメタリック、プレシャスシルバー、ダークレッドマイカメタリック、ホワイトパールクリスタルシャイン。
(発売時期・グレードにより異なります)
初代クラウンハイブリッドは、クラウンでシリーズの一翼を担う存在として誕生し、静粛性に特化したモデルでした。室内のこもり音に対して逆位相となる信号を発する「アクティブノイズコントロール」という仕組みや、内部に吸音スポンジを組み込んだ専用タイヤによって、高い次元で音がコントロールされ、高級車と呼ぶにふさわしい1台です。
そして、2代目クラウンハイブリッドは、発売から約1ヶ月の販売のうち66%をハイブリッドモデルが占めるなど、販売の主力モデルへと成長しています。
また、V6 気筒3L 車並みの優れた動力性能と、JC08モード走行燃費リッターあたり23.2kmという環境性能も両立しています。
今後も安全性能や環境性能が進化を続けることが期待されています。