【アウディ】昼間でもフロントライトを照らし続けるデイタイムランニングライトとは

デイタイムランニングライトは、日本より暗い時間の長い北欧の国々で普及していたものですが、事故防止効果の高さから、2011年にはドイツを含めEU各国において、その装着と点灯が義務化されました。

日本国内でもトンネル通過時や、薄暗い時間帯にヘッドライトを点灯することがあったものの、デイタイムランニングライトの装着は長い間認められていませんでした。

しかし、自動車の安全基準を国際的に調和することを目的として発足し、日本を含む主だった自動車生産国が参加する「自動車基準調和世界フォーラム」での採択を受け、国土交通省もようやく保安基準を一部改正し、デイタイムランニングライトの装着を正式に許可しました。

この流れを受け、ドイツを代表する自動車ブランド「アウディ」の日本法人であるアウディジャパンは、日本市場に参入する海外自動車メーカーとしては初めて、2017年8月以降日本へ向けて出荷する車体のすべてに、このデイタイムランニングライトを装着することを公式発表しました。

アウディが、日本に向けてデイタイムランニングライト搭載モデルを、本格的に販売開始するとニュースリリースしたことにより、ライバルであるBMWも間髪を入れず、デイタイムランニングライトの全車装備を発表しました。

アウディは、「ベントレー・ポルシェ」などといった高級車ブランドや、日本国内での普及率も高い、「ゴルフ」「ポロ」などといったコンパクト車ブランドとともに、フォルクスワーゲン（VW)グループの一角を担うブランドです。

そのため、他のVWブランドの日本向けモデルにも、このデイタイムランニングライトが全車装備されていく可能性が高いと考えられます。

また、国内メーカーに目を移すと、トヨタはこれまで自社の海外戦略ブランドである、レクサスの海外向けモデルには、しっかりとデイタイムランニングライトを搭載していました。

とはいえ、従来までの保安基準に適合しないことから、国内向けモデルでは標準装備とはしていませんが、保安基準の改正に伴い国内で販売するRC300やRC300hなどには、車体の改良のタイミングに合わせてデイタイムランニングライトを標準装備し、他のモデルでもオプション設定できるようになってきました。

もちろん、アウディの本場でもあるヨーロッパと日本では、気象条件や日照時間などに大きく隔たりがあるため、デイタイムランニングライトがどこまで日本のユーザーに認知され、安全性などが評価されるかは不透明です。

しかし、日本向けモデルへのデイタイムランニングライト全車標準装備をするという、アウディの発表によって、今後輸入車や国内高級車種を中心に日本国内を走る車にデイタイムランニングライトを搭載したモデルが増えてくることが予想されます。