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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27

新1.2Lにマイルドハイブリッドを搭載したソリオ コンパクトクラスの本格HVと比べて走りはどう?

新型を徹底検証

本格ハイブリッドほどの燃費性能ではないが、そのぶん価格は割安感がある

本格ハイブリッドほどの燃費性能ではないが、そのぶん価格は割安感がある

【本記事は2015年10月にベストカーに掲載された記事となります。】先代型はコンパクトカーの中でもひと回り小さいボディと広い室内空間による使い勝手のよさで、イチ押しのコンパクトカーに挙げていた自動車評論家の渡辺陽一郎氏。では、4代目となる新型をどのように評価するのか? 新搭載のマイルドハイブリッドとともに検証する。

マイルドハイブリッドとは?

「マイルドハイブリッドは、軽自動車のS-エネチャージとは違うの?」と疑問を感じたのが新型ソリオのエンジンだ。モーター機能付き発電機のISGが、電装品に電力を供給する発電、アイドリングストップ後の再始動、燃費低減のため駆動力の支援(ハイブリッド機能)を行う。S-エネチャージと同じだろう。開発者に尋ねると「機能は同じだが、軽自動車はエネチャージが広く知られたので進化版のS-エネチャージでもその名称を使った。小型車はハイブリッドが人気だからマイルドハイブリッドと名乗った」と言う。基本的な機能は同じでもソリオのエンジンは1.2L。モーターの最高出力も異なり、マイルドハイブリッドは3.1ps、軽自動車のS-エネチャージは2.2psだ。モーターアシストは発進時から時速100kmまで、最長30秒間にわたってさまざまな場面で発揮される。JC08モード燃費は27.8km/Lだ。

動力性能の違いはほぼなし

では、このマイルドハイブリッドによる走りはどうなのか? そこでマイルドハイブリッド車と非搭載車のGを乗り比べると、マイルドハイブリッドはエンジンの駆動力が低い発進直後の1500回転前後でモーターのアシストを感じた。Gよりもトルクが大きく、排気量が1.5Lに増えた印象だ。しかしエンジン回転と速度が高まると、動力性能の違いはほとんど体感できない。その意味ではアクアやフィットハイブリッドとは運転感覚が違う。特にアクアはモーターが力強く、発進して時速40km前後まではモーター駆動だけで加速することが多い。フィットハイブリッドは、アクアほどではないが、速度アップした時でもモーターの駆動力は充分に感じる。

ソリオハイブリッドは価格面でもマイルド!

ソリオハイブリッドは価格面でもマイルド!これら2車に比べると、ソリオのモーター駆動はマイルド。その代わり価格も安く、ハイブリッドMXは左側スライドドアの電動機能やエアロパーツを装着して170万円以下だ。アクアやフィットハイブリッドの中級グレードよりも10万~20万円は安い。またマイルドハイブリッド単体の価格は、ソリオGとの比較で約3万円に換算される(軽自動車のS-エネチャージは2万円少々)。フィットハイブリッドは1.5Lのノーマルエンジンに比べて約16万円高、トヨタの1.5Lハイブリッドのほうは30万~40万円も高いから、ソリオのハイブリッドは価格面でもマイルドだ。

心配だけど意外と良い

新型ソリオ’15年8月登場。現行モデルで初のマイルドハイブリッドを搭載

新型ソリオ’15年8月登場。現行モデルで初のマイルドハイブリッドを搭載

総合的な動力性能は1.2Lの平均水準だが、4000回転を超えた領域の吹け上がりは活発だ。もう少し実用域の駆動力を高めるといいが、大人3名で乗っても力不足は感じない。ソリオの全幅はコンパクトカーでは最も狭い1625mmで、全高は1745mmに達する。そのため外観は腰高だが、カーブを曲がる時の安定性と操舵感は意外にいい。高重心だと操舵に対する反応を鈍く抑えて安定性を確保する車種もあるが、ソリオは素直に向きが変わる。となれば後輪の接地性が心配だがよく粘る。ボディの傾き方は小さくないが、姿勢の変化が穏やかで不安を感じにくい。

走りの質はハイブリッド車を推奨

落ち着いたデザインのインパネだが、センターメーターを採用したのが特徴

落ち着いたデザインのインパネだが、センターメーターを採用したのが特徴

乗り心地は街中では少し硬いが、段差を乗り越えた時のショックは巧みに抑えた。運転感覚はスイフトに似ている。注意したいのは、低価格のGは走りの質が下がることだ。2WDの場合、マイルドハイブリッド車はボディの傾き方を制御するスタビライザーが前後の足まわりに装着されるがGには付かない。タイヤもハイブリッドは15インチでGは14インチになる。そのためGはボディの傾き方が少し唐突。スタビライザーを持たずに安定性を確保するため、ダンパーの減衰力を高めたから乗り心地もやや粗い。ハイブリッドのほうを推奨する。

居住性は満足

ソリオはチャコールグレーを基調にした内装色となる

ソリオはチャコールグレーを基調にした内装色となる

居住性は頭上や足元が広く小型車の最高水準。バンディットのシート表皮は若干滑りやすいが、標準ボディのMXやMZなら不満はない。スライドドアの開口幅は先代型よりも60mm広く乗降性も向上した。

優れた安全装備

2眼カメラタイプのワゴンRワイド自動ブレーキを設定歩行者も検知する2眼カメラ式自動ブレーキシステムをオプションで装備(5万9400円)

2眼カメラタイプのワゴンRワイド自動ブレーキを設定歩行者も検知する2眼カメラ式自動ブレーキシステムをオプションで装備(5万9400円)

安全装備ではデュアルカメラブレーキサポートを採用。2個のカメラが前方を監視して、高速域でも衝突の危険が生じると警報を発し、衝突不可避の時は緊急自動ブレーキも作動。歩行者を見分けることも可能だ。

高機能コンパクトカー

先代型より荷室のスペースが拡大!ラゲッジは従来型よりもドア開口部を広げて荷物の出し入れがしやすくなった。ラゲッジ側から後席を格納することも可能

先代型より荷室のスペースが拡大!ラゲッジは従来型よりもドア開口部を広げて荷物の出し入れがしやすくなった。ラゲッジ側から後席を格納することも可能

ソリオは小さなボディでも車内は広く、高重心の不利を抑え、燃費と安全性も向上させた。軽自動車の技術を随所に盛り込み、高機能なコンパクトカーに仕上げている。スズキだから開発できた小型車といえるだろう。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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