中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27
期待どおりか?初試乗5連発!! アルトラパン女心に刺さった!?
「カワイイ」

「まる、しかくい」とってもカワイイ!!
【本記事は2015年7月にベストカーに掲載された記事となります。】いまやカラオケに次いで世界に通用する日本語「カワイイ」。そして同じ日本人だというのに、オヤジ世代にはさっぱり感覚が理解できない「カワイイ」である。スズキもついにその事実を認めて女子力を全面的に採用し、ふっきれたようにカワイイ3代目ラパンである。丸くてシンプル。だけど温かい。ボディサイドやリアに入れられたプレスラインが秀逸で、どの角度から見ても表情ゆたかに見せてくれる。ボンネットの前端が左右のボディサイドに向かってちょこっとだけカーブを描いているあたりなども、女心に刺さるというものだ。
街を走らせたときのかわいさ

部屋にいる感覚で乗ってね!(女子力、さらに増大)
うまいバランスを見せているのが、タイヤのフェンダーアーチやバンパーモールである。屋根が白い2トーンタイプもあるけれど、デザイナーはこのモールのダークカラーを含めた3トーンで構成していったという。カワイイはずのクルマにダークな色ってどうよ? と最初は疑心暗鬼だったものの、グレーやネイビーという「黒」ではない色味を使い、表面積も控えめでSUVっぽくならないようにうまくまとめている。いや、それよりもここにダークカラーがあるおかげでボディカラー部分がきゅっとコンパクトにまとまって見えて、街を走らせたときのかわいさといったらない。後ろ姿など、ウサギがオシリをぴょこんとあげながら走る様子を想像して口元がゆるむほどだ。モールは少しこすっても精神的ダメージの少ない素材ゆえ、これまた女性には心強い。
女子心をくすぐる仕掛けと工夫が満載の車内

女性の部屋の空間や小物類をイメージさせるインパネ。こだわりが凄すぎる。使い勝手はもちろんいい!
女子心をくすぐる仕掛けと工夫が満載の車内インテリアも大胆にカワイイを押し出している。なんたって車内に板のテーブルなのである。色合いは女子の大好きなメイプル風。これだけで萌える。テーブルの表面を指でなぞると単に水平なのではなく、端っこの部分がわずかに盛り上がっているのがわかり、たったこれだけで置いたものが落ちにくいかも? と思わせる安心感がある。前後左右にゆれるクルマの中では、この程度の凹凸で落下防止になるはずもないのだが、それでも、このわずかな盛り上がりが心遣いを感じさせ、気持ちをほんのり温かくしてくれるのだから価値は高い。フォトフレームのようなカーナビの存在感といい、エアコン噴出し口の、抜け感のある造形といい、そうそう、女子ってこういうのが好きなんだよねと、膝をたたきたくなる思いである。
カバーや小物がオプションで用意

「旅するアクセサリー」をコンセプトに、北欧やNYなど各地がテーマのアイテムが充実
洒落たステッチの効いたシートに座り見渡すと、クルマの外の景色がよく見える。サイドミラーとAピラーの間に作られたわずかな隙間が効果を現わしているのに加え、ウェストラインが抑えられているために、首をふっての斜め後ろの景色が見やすいのである。もちろん、ウィンドウが大きいおかげで車内が明るいのはいうまでもない。車内外ともにデザインアレンジとしては、さまざまなカバーや小物がオプションで用意されているので、こちらは必ずチェックしていただきたい。
エンジン音

ブレーキのタッチはいいが、エンジン音がやや耳をつくJC08モード燃費は驚きの35.6km/L。それを可能にしているのがエネチャージとアイドリングストップ。アイドリングストップは、赤信号に向かって減速すると、時速13km以下になるとエンジンが停止するのだが、その瞬間に速度計のなかのディスプレイにウサギが登場し、楽しませる工夫が心憎い。このディスプレイ、例えばバッテリーの残量が減り勝手にエンジンがかかる前にも教えてくれるし、降りる前は「SEEYOU!」とカワイイ声もかけてくれる。おひとりさまで乗っていても心温かい気分になれる。アクセルを踏んだ瞬間から意外にもトルクがある走りで、期待する速度域までスムーズに上がっていく。ただインテリアの質が上がったぶん、エンジン音が相対的に気になるのと、コーナリングの時にもう少し遠心力を感じないようになるといいのに、と欲がでてくる。ブレーキのタッチ感はスムーズでなめらか。スイッチのようにブレーキを踏みがちな女子でも、安心してブレーキを踏める。デザイン、装備、操作性。基本がアルトという完成されたクルマだからこそ、ラパンの自由なカワイさが活きる。そしてカタログにも載せていない隠れラパンがあちこちにいるらしいので、ぜひ探していただきたい。