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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27

フィールダーの牙城にシャトルが挑む!! コンパクトワゴン頂上決戦

シビックシャトルに感銘

【本記事は2015年7月にベストカーに掲載された記事となります。】子どものときからステーションワゴンや商用のバンが身近にあった。だからだろうか? セダン感覚で快適に運転でき、ラゲッジルームの使い勝手もいいワゴンが好きだ。だからレガシィなどのワゴンを愛車にしている。ホンダ車ではシビックカントリーが好きだった。また、1983年10月にハイトパッケージで登場したシビックシャトルも感銘を受けたワゴンだ。

これが'83年登場の初代シビックシャトル

これが’83年登場の初代シビックシャトル

最新のシャトルを手がけた開発チームも初代のシビックシャトルを実際に見て、ベースとなったワンダーシビック(3代目)と異なる価値観を持っていることに気づかされたという。30年以上前の作品だが、パッケージングは絶妙だ。ラゲッジルームにも工夫が行き届いている。

保守的なフィールダーに対し新しさを感じるシャトルの外観

フィールダーに比べ、引き締まった印象の足回りで、操舵の気持ちよさもよいと片岡氏

フィールダーに比べ、引き締まった印象の足回りで、操舵の気持ちよさもよいと片岡氏

保守的なフィールダーに対し新しさを感じるシャトルの外観最新のシャトルはフィットの名が消え、独立車種になった。4枚のドアにフィットの面影が残るのは個人的には悔しいが、車格感は大幅にアップしている。エクステリアデザインは、制約の多いなか、上手にまとめた。フロントマスクは凛々しいし、LEDヘッドライトも先進性を感じさせる。いっぽうのフィールダーはコンサバなデザインだ。典型的なワゴンシルエットだが、フロントマスクだけは若返りを図った。サイドビューはそのままだからアンバランスに見えてしまう。ただし、どの立体駐車場でも使えることは間違いない。

パワートレーン

同じハイブリッドでも異なる特性を持つ2台のパワートレーン

同じハイブリッドでも異なる特性を持つ2台のパワートレーン

パワートレーンは、両車ともガソリンエンジンとモーターを加えたハイブリッド車を設定している。どちらも1.5Lのアトキンソンサイクルエンジンにモーターの組み合わせだが、シャトルは1モーターのパラレル式、カローラは2モーターのスプリット式だ。ミッションはシャトルが7速DCT、カローラは電気式無段変速機(CVT)を採用する。バッテリーはシャトルがリチウムイオン電池、カローラはニッケル水素電池だ。ゴーストップの多い街中の走りでEV走行を楽しみやすいのはカローラである。丁寧に乗ればモーターだけで走行できるなど、モーターの守備範囲が広い。タコメーターも見やすい位置にあるから運転状況も把握しやすかった。郊外の道や高速道路では滑らかな加速を披露する。動力分割機構の制御も巧みでメリハリが利いた走りを引き出しやすい。出力は低くてもスポーティと感じられるのだ。エンジンがかかっても静粛性は高かった。が、インバーターや風切り音などのノイズが耳に付くのが残念だ。

走ってわかった両車の異なる個性

カローラフィールダー:カローラフィールダーハイブリッドはモーター出力が大きいTHSⅡによって力強いモーターのアシストで、加速感はいい。しかし、パワステのフィール面では課題も……

カローラフィールダー:カローラフィールダーハイブリッドはモーター出力が大きいTHSⅡによって力強いモーターのアシストで、加速感はいい。しかし、パワステのフィール面では課題も……

走ってわかった両車の異なる個性シャトルのハイブリッド車はシステム出力137psで100psのフィールダーに比べると優位に立っていることもあり、パンチ力を実感できる。パーシャル域からアクセルを踏み込んでも力強い加速を見せた。Sモードを選べばスポーティエンジンと呼べるシャープさが際立つ。モーターの存在感はカローラより薄い。が、自然な感覚で、気持ちいい加速フィールはシャトルの魅力だ。トラブルを払拭した7速DCTは驚くほど滑らかに変速した。応答レスポンスが鋭く、加速も減速も思いのままだ。売りだったダイレクト感とリズミカルな変速フィールはマイルドになり、物足りなく感じる場面もある。が、洗練度はかなり高い。パドルシフトを駆使すれば、さらに刺激的な走りを堪能できる。高速道路を走ってみると、静粛性に並々ならぬ注意を払ったことがわかる。遮音材と吸音材をおごり、ガラスの板厚も増やした効果は絶大だ。カローラフィールダーも静かだが、シャトルの静粛性はその上を行く。前席だけでなく、後席でも上級クラスのハイブリッド車と遜色ない静かさを手に入れていた。気になる燃費は、高速道路を主体にした往路のステージで両車とも24km/L台をマーク。復路は多少のアップダウンや市街地走行があったが、このステージでもともに20km/Lを超えた。シャトルはきめ細かい改良により、実用燃費を向上させている。ECONモードでも、それほど非力と感じないのがいい。

シャトルのサスペンションはフィットと基本的に同じだ。フロントがマクファーソンストラット式、リアはH型トーションビーム式である。が、新設計としたところも多い。ベースグレード以外のハイブリッドモデルはザックス製の振幅感応バルブ付きダンパーを採用し、ハイブリッド車には液体封入式のトレーリングアームブッシュを採用した。16インチタイヤと15インチタイヤを用意しているが、どちらもしなやかな乗り味でコントロール性も優れている。粘り腰で踏ん張りが利くのは16インチタイヤを履くハイブリッドZだ。速い走りでもリアが安定し、操舵の気持ちよさも一歩上を行く。乗り心地はちょっと硬質だが、ケース剛性が高く、フットワークは冴えている。これに対し15インチタイヤを履くハイブリッドXは少し穏やかなハンドリングだ。バランス感覚がいいのが魅力で、タウンスピードを中心とした走りでの快適性も高かった。カローラフィールダーも最新モデルは剛性をアップし、足の動きもよくなった。わかりやすいスポーティ感が身上で、キビキビとした走りを披露する。また、乗り心地もよくなった。が、シャトルと比べると、一世代前の操縦性と感じてしまう。とくに不満だったのが電動パワーステアリングだ。軽くて扱いやすいが、切り始めにあいまいなゾーンがある。速い走りでは路面からのインフォメーションも希薄と感じた。シャトルは軽すぎることがなく、舵の動きも正確だからロングドライブを楽しもうという気分になる。高速直進安定性も悪くない。

キャビン・ラゲッジ性能はシャトルに大きなアドバンテージ

荷室容量もクラストップのシャトルだが、実用面だけでなくリゾートにも似合う上質さを持つ

荷室容量もクラストップのシャトルだが、実用面だけでなくリゾートにも似合う上質さを持つ

キャビン・ラゲッジ性能はシャトルに大きなアドバンテージキャビンスペースに代表されるワゴンとしての実用性能は、シャトルが大きく引き離している。キャビンは広く、開放的だ。インパネはとりたてて上質ではないが、フィットよりは見栄えがよくなっている。インパネは奥行きがあるから小柄な人だと前方の車両感覚がつかみづらい。だが、後席でも膝元には充分すぎる余裕があり、寛げる。また、フラットフロアだから3人掛けしても窮屈ではない。カローラフィールダーはすべてがフツーだ。インパネは先代のようにソフトパッドではなく樹脂の打ちっぱなしだし、メーターもビジネスライクで面白みに欠ける。前席はサポート性がよく、座り心地がいい。後席も不満のない広さだが、頭上空間は今一歩だ。リクライニングの自由度はシャトルを上回る。ラゲッジルームの広さと使い勝手、これもシャトルの圧勝だ。カローラフィールダーよりフロアは低いから荷物を出し入れしやすいし、高さ方向も10㎝の差をつけている。奥行きは大差ないが、後席を畳んだ時にはフラットになり、荷物を積みやすい。カローラフィールダーは、ゲート側から後席をワンタッチで畳めるのがいい。快適装備と安全装備は互角だが、カローラフィールダーのトヨタセンシングは衝突回避に加え、車線逸脱や先行車発進お知らせなどの機能もある。とはいえ、トータル性能において一歩リードしているのは、実用性の高さが光るシャトルだ。

走ってわかった両車の実燃費はどう?

実用燃費は、両車ほぼ互角の値をマーク。ただ、市街地が主体のシチュエーションとなればモーター出力が大きいフィールダーが有利か!?

実用燃費は、両車ほぼ互角の値をマーク。ただ、市街地が主体のシチュエーションとなればモーター出力が大きいフィールダーが有利か!?

走ってわかった両車の実燃費はどう?さて一番の関心事といえる実燃費はどうだろうか? テストを行った両車は、それぞれシャトルが「HYBRID X」(JC08モード燃費32.0km/L)、フィールダーが「HYBRIDG」(同33.8km/L)とカタログ上ではフィールダーが優勢。経路は横浜みなとみらいのランドマークタワーから、逗子マリーナまで(距離=33.5km)で、道中は首都高横羽線から横浜横須賀道路に入り、朝比奈峠を越え、逗子郊外を通るという高速+一般道、さらにはアップダウンもあるという経路。結果は下のとおりフィールダーの勝利となったが、その差は0.4km/Lと僅差。今回のようなシチュエーションでは燃費性能は両車ほぼ互角といえる!!

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グーネットマガジン編集部

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