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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.27

洗練という名の進化をとげた日産GT-R

日産のスーパースポーツ

3.8L、V6ツインターボは550ps/64.5kgmで変わらないが、フリクションなどが大幅に低減

3.8L、V6ツインターボは550ps/64.5kgmで変わらないが、フリクションなどが大幅に低減

【本記事は2015年1月にベストカーに掲載された記事となります。】続いて日産のスーパースポーツ、GT-Rの’15年モデル(MY15)とスペシャルモデルのGT-R NISMOに試乗!GT-RのMY14、ボクはあまり好きになれなかった。その理由は、なんだか運転しやすくなってしまったから。というと、変な表現だが、ハンドリングが画一的になり最終的にはアンダーステアを出してチャンチャン、って感じだったから。つまり、なんというかMY13までの何が起こるかわからないワクワクドキドキするような緊張感がなくなってしまったのだ。大げさな言い方をすればカリスマ性を失ったGT-Rに思えて仕方がなかった。というわけで、今回のMY15にそれほど期待してはいなかったのです。何はともあれ、ドライビングポジションをセット。GT-Rのポジションはなかなかいい感じだ。ちょっとだけ膝の裏のサポートが足りないような気がするけれども、これは好みの問題か。エンジンを始動するとなんだか耳障りなGT-R特有のノイズが感じられない。なかなか快適なキャビンになっている。走り始めると明らかに静粛性が増している。アクセルのON/OFFのたびにギヤボックスあたりからのバックラッシュの音がほとんどせず、アクセルレスポンスに駆動系が間髪いれず反応する。これはエンジンとトランスミッションの制御のチューニング、及びトランスアクスルやドライブシャフトなどの構造上の隙間を最適化することで、アクセルペダルのON/OFF時の振動を改善、走行中の音や振動を抑え、フライホイールハウジング内のベアリングの仕様を変更し、静粛性を向上させた、という。これらが功を奏してハンドリングはとてもシュアなものになっている。MY14が見せた不用意なアンダーステアも影を潜めている。これならサーキットも楽しそうだ。なんだか高級車に乗っているみたいだ。いやGT-Rは充分に高級車なんですが。リリースには上質な乗り心地、どこまでも気持ちよく走り続けられる性能と、圧倒的な速さという2つの要素の高次元での両立を目指したとある。なるほど、確かにこれまでの野暮ったさは消え、明らかに身のこなしが上品に感じる。フェラーリやランボルギーニが持つブランド性質感に一歩近づいた感があるのだ。試乗したのは箱根ターンパイク。ちょっと試してみたくなるGT-Rの本性というやつを。いや、もちろん法定速度内で。

上質な大人の乗り味

MY14では必要以上にアンダー傾向が強かったが、MY15では大きく改善され、走りの質感は大幅アップ

MY14では必要以上にアンダー傾向が強かったが、MY15では大きく改善され、走りの質感は大幅アップ

で、MY15が目指した走りの性能とは、圧倒的なパフォーマンスを維持しながら、より上質な大人の乗り味を実現。ドライバーが思い描くラインを思いどおりにトレースできる性能を高め、低速域から高速域まですべての速度域での操縦安定性を向上させたとのこと。そのために何をしたかというと、既述した音振対策のほかにショックアブソーバーの減衰力特性を変更しマネージメントを行うECUをチューニングしている。また、タイヤの内部構造を見直し、轍などでもハンドルを取られにくくしている。

GT-R NISMO

ところでGT-R NISMOにも新たに試乗できたのでリポートしよう。ベースとなっているのはMY14。期待するのは600ps/66.5kgmの暴力的な加速。なんといってもニュル北コースで7分08秒という記録を作ったマシンのベース車なのだ。600psは主にターボを大径タービンにしていることで絞り出している。だから、ある程度エンジン回転を上げなくては本性は見えてこない。1速でフルスロットルにすると、4000rpmあたりで急激にパワーが盛り上がる。リアタイヤが空転する。1速だとあっという間の出来事だ。2速に入れるととてつもない加速に変わる。4WDは余すことなく路面を蹴飛ばすのだ。しかし、少しでもコーナリングをしていると話は別。制御系をRモードにしておけば、トルクピークにさしかかると急激にリアタイヤがブレークする。しかし、ある程度で電子制御されクルマは平静を取り戻す。ドキドキする瞬間、これがレーシングマシンなのだ。ダンパーは特注のビルシュタインで電子制御による減衰力可変システムは装備していない。それゆえにスパルタンなサスペンションからの情報は、常にドライバーに頑張れ! と励まし続けているかのようだ。洗練という名の進化を遂げ、ある意味癒し系を得たMY15とは明らかに違いのあるもの。GT-R NISMOに乗れば、当初のGT-Rが目指していたものが見えてくる。対して新たな面を見せてくれたのがMY15。次のMY16が目指すものは何なのか? 今はまだ見えないがGT-Rは進化し続ける!

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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