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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28
ヴィッツ1.3L 意外に軽快な新エンジン! ハンドリングも向上した
新エンジンを順次導入

燃費が大幅に向上した新開発1.3Lエンジン
【本記事は2014年6月にベストカーに掲載された記事となります。】ハイブリッドばかりに熱心で、基本となる内燃機関の改良が遅れちょる!とかく批判の絶えなかったトヨタのエンジン戦略だけど、巨艦がようやく動き出したというところ。4月10日の報道発表で「2015年までに全世界で合計14機種の新エンジンを順次導入する」ことを表明。その市販モデル第一弾として、ヴィッツ/パッソの試乗会が行われた。
予想以上の好印象

大注目の新開発1.3Lエンジン。実用域でのトルクが太く使いやすいエンジンに仕上がっている
まず乗ったのは、1NR-FKE型1.3Lを搭載したヴィッツだが、とっつきは予想以上の好印象。これなら、従来型エンジンからの乗り換えで、ほとんどの人から「よくなったネ!」といってもらえると感じた。具体的にどこがよくなったのかというと、まずいちばんハッキリわかるのが実用トルクが太くなって、走りが力強くなったのを実感できるところ。
予想以上の力強さ

意外に軽快な新エンジン!ハンドリングも向上した
不思議なのは、カタログの最大トルクは121Nmで従来型とまったく同じ。しかも、発生回転数は4400rpmと400回転上がってる。なのに、明らかに「ドライバビリティが向上している」と感じられるから面白い。これは、部分負荷時に優れたトルク特性を発揮するようにデザインされたエンジンと、効率のいいCVTがともに“いい仕事”をしているから。カタログスペックというのは全開時に計測した数字。ヴィッツの新型エンジンは、カタログ数値に表れないところで、予想以上に力強さを発揮してくれるってわけだ。パーシャルスロットル時のトルク特性が向上している理由は、アトキンソンサイクルを採用することで可能となった圧縮比(というより膨張比)アップ(11.5→13.5)や、積極的にスロットルを開けて運転するクールドEGRが効果をあげているものと思われるが、おそらくもっとも寄与率が高いのは4-2-1エキゾーストマニフォールドによるスカベンジ効果。NAのドライバビリティ向上には、今後この技術が重要なトレンドになりそうだ。
シャシーの質感が着実に向上している

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また、エンジン以外で乗ってすぐ好感をいだいたのは、シャシーの質感が着実に向上していること。ここも新型ヴィッツの魅力のポイントになっている。シャシー面ではダンパーの特性変更以上の改良アナウンスはないのに、「アレッ?」とすぐ気づくくらい乗り心地の質感が向上しているのだ。まぁ、本音をいえば「このくらいは新車デビューの4年前に達成してくれよ」とは思うけど、足がよくなったのはメデタイ。シャシー面でもトヨタのような巨大な会社は動き出すのに時間がかかるってことなんだろうけど、今後もこの調子で頑張ってほしいと思った次第でございます。