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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28
最新SUV多角的徹底CHECK!! 日産 新型エクストレイルvs SUVライバル比較
がっぶり四つのSUV徹底比較!!

【本記事は2014年3月にベストカーに掲載された記事となります。】昨年末にエクストレイル、ハリアーがデビューして、ミドルサイズSUVがいま、熱いバトルを繰り広げている。CX-5、フォレスターを交えてがっぶり四つのSUV徹底比較!!ここ数年の市場傾向を分析すると、SUVの売れゆきは「基本横ばい」なのだという。しかし、2012年後半にはスバルフォレスター、三菱アウトランダーがモデルチェンジし、マツダCX-5がデビューするなど、ミドルサイズSUVの魅力的なニューモデルが相次いで登場。さらにひとクラス下のカテゴリーでは昨年末にホンダヴェゼルが登場したり、ちょっと古くなったとはいえ日産ジュークが安定した人気を誇るなど、「感覚的」にはSUVマーケットが活況な印象。そんなタイミングで昨年10月には日産エクストレイルが3代目へとモデルチェンジを発表し、11月には、10年間継続生産された2代目が一時販売休止されていたトヨタハリアーが新型に進化して復活するなど、ガチンコでライバル関係となるミドルサイズSUVが出揃った。というわけで、じっくりとミドルサイズSUVの最新ライバル関係を比較してみたい。
スタイリッシュに変身した3代目エクストレイルはどんなクルマ!?

スタイリッシュなフォルムに変身した3代目エクストレイル。2代目よりも全体的にひと回り大きくなった
■スタイリッシュに変身した3代目エクストレイルはどんなクルマ!?昨年12月に特設オフロードコースでの試乗レポートはお届けしたものの、一般公道での試乗のチャンスがなかなかなかった新型エクストレイルだが、やっと試乗がかない、インプレッションをお届けすることができる。まずは概要。初代→2代目とスクエアなボディフォルムで存在感をアピールしたエクストレイルだが、今回の3代目ではガラリとイメチェンを図り、グンとスタイリッシュな印象となった。ボディサイズは全長4640mm、全幅1820mm、全高1715mmで全長はプラス5mm、全幅はプラス30mm、全高はプラス15mmそれぞれ2代目に対し大きくなっている。2代目のほうが背が高いように思えるが、実は新型が高いのはちょっと意外。全体に大きくなっていることと、曲線を使ったフォルムの印象により、さほど背を高く感じさせないのだ。CX-5、ハリアー、フォレスターなどと比較しても全高は最も高く、ホイールベースも最長。全長、全幅はハリアーがちょっとだけ大きいのだが、実際に運転した時のサイズ感は各車ほぼ同じと考えていい。エンジンは147ps/21.1kgmを発揮する直4の2Lガソリンエンジンのみ。2代目ではクリーンディーゼルをいち早く搭載したエクストレイルだが、新型にディーゼルの設定はなく、2代目を継続販売中。クリーンディーゼルがアピールポイントとなっているCX-5、ハイブリッドも搭載するハリアー、2L直噴ターボを用意するフォレスターと比べると、パワートレーンのアピールはやや乏しいといわざるを得ない。もちろん、2L NAエンジンは普通に一般道を走らせて何の不満もなく、実用上文句はいっさいないのだが、それでもディーゼルターボの圧倒的なトルクや、ハイブリッドがもたらす独特のドライブフィールと燃費、直噴ターボのパワフルな走りと比べると、「選択肢がない」のは残念。エクストレイルには『1年後にハイブリッドが追加される』とアナウンスされているが、ハイブリッドの登場を心待ちにするユーザー予備軍も多かろう。
SUVとしての実力は!?

フロントオーバーライダーやアンダーカバーなどでよりタフなエクステリアを纏った「エクストリーマーX」も用意される。価格は264万9150円からとなる
■SUVとしての実力は!?新型エクストレイルの4WDメカは基本的に2代目から継承したオールモード4×4i。いわゆるスタンバイ4WDだが、電子制御タイプで、オートモードの他にFF固定モード、4WD固定モードを備え、雪道などでも力強いトラクションを発揮してくれる。このあたり、細かい制御の違いはあれど、基本的なメカニズムの考え方はCX-5もハリアー(ハリアーハイブリッドは後輪をモーターで駆動する4WDを採用)も同じ。通常はFF状態で走行、アクセル開度や舵角、ヨーレートなどをセンシングし、必要に応じて後輪にトルク配分をする。通常の雪道であれば、充分なトラクションと走破性を実感できる。最低地上高は205mmあり、昨年12月のオフロード試乗会でも高い悪路走破性を実体験することができた。とはいえ4WD性能で一歩以上抜きんでるのはフォレスター。CVT車はアクティブトルクスプリット4WDを採用するが、常に後輪にもトルク配分されているため、やはりトラクション、エンジンブレーキ時ともに路面をとらえる力強さがある。また、MT車はセンターデフ方式フルタイム4WDなので、こちらは圧倒的なトラクションとスタビリティを得ることができ、本格派SUVの4WD性能。「もう一歩踏み込んだ」悪路走破性を求めるのなら、フォレスターが安心感がある。
エクストレイルだけの魅力は3列シートの7人乗り

このクラス唯一の3列シート
■エクストレイルだけの魅力は3列シートの7人乗り新型エクストレイルには3列シート、7人乗り仕様が設定されるのがポイント。実際にサードシートに座ってみたけれど、あくまでもエマージェンシー。身長176cmの編集部梅木が座ってみたが、「何とかギリギリ座れないことはないけれど、長距離はキツイな」というのが正直な感想。3列シート車では2列目シートがスライドするので、1段前に出して何とか足が収まるスペース。ただ、意外だったのは、ヘッドクリアランスはしっかりと確保されていて、普通に座って頭が天井に当たることはなかった。3列使用状態で2列目シートに座ってみたが、若干膝頭が前席に接触する程度で、充分に2列目のスペースは確保されている。このクラスのSUVに3列シート車はないので、これはエクストレイルの大きなアピールポイント。ちなみに、3列シートモデルは受注全体の約30%だという。
普通に乗っての評価は!?

新型エクストレイルはディーゼルを廃止した エクストレイルはディーゼルを廃止して2Lガソリンのみの設定。白いボディはCX-5のディーゼルだ
■普通に乗っての評価は!?基本的にはフラットライドで快適な印象。SUVというと、最低地上高が高く、サスペンションストロークが大きく、タイヤが大きく重いこともあり、どうしてもバタバタした印象を持つ人もいるだろうが、特にそのようなネガはなく、普通の4ドアサルーンに乗っているかのような印象。フォレスターは『バタバタ』はしないものの、やはりSUVライクな乗り味だし、CX-5はやや硬い乗り心地。乗り心地についてはハリアーとエクストレイルが一歩リードする。
かくして結論。ミドルサイズSUVは魅力いっぱい!!

■かくして結論。ミドルサイズSUVは魅力いっぱい!!新型エクストレイルはエマージェンシーブレーキ装着グレードが設定されるなど、先進安全装備も満載され、スバルのアイサイトやマツダのスマートシティブレーキサポートなどと肩を並べる。ハリアーのプリクラッシュセーフティは完全停止までをサポートしておらず、一歩遅れている印象。さて、アナタはどれを選びますか!?