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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28

断然、クラストップの出来映え!トヨタ ノア&ヴォクシー

ガソリンとハイブリッド

精悍なエアロフォルムが特徴のヴォクシーZS。リアからの眺めも低重心を強調したワイドボディが迫力

精悍なエアロフォルムが特徴のヴォクシーZS。リアからの眺めも低重心を強調したワイドボディが迫力

【本記事は2014年3月にベストカーに掲載された記事となります。】1月20日発表された新型ヴォクシー/ノア。しかし、マスコミ向け試乗会を待っていては今号では試乗記事を紹介することができない、ということで急遽、ネッツトヨタ東京新宿店のご協力で貸していただいた試乗車でレポートしていきたい。新宿店では1月30日現在、ガソリンとハイブリッドの割合は7:3と、2月24日発売になるハイブリッド車よりも増税前に間に合う車両もあるガソリン車のほうが売れているとのこと。とはいえ、どちらも驚くほど販売好調というヴォクシー、そのZS(2WD)の試乗レポートをお送りしていこう。

障害物も発見しやすい

インパネ中央の手前にシフトレバーとエアコンスイッチを配置

インパネ中央の手前にシフトレバーとエアコンスイッチを配置

「代わり映えがしないね」という印象も受ける新型ヴォクシー/ノアだが、背の高いミニバンの宿命だ。ウインドウを寝かせたり背を低くすれば、車内が狭まってしまう。アルファードなども変化が乏しい。そこを考えるとヴォクシー/ノアは確実に進化した。サイドウィンドウの下端を約60mm低く抑え、側方の視界が向上している。運転がしやすく、障害物も発見しやすいから安全だ。

使い勝手は徹底した先代モデルの欠点潰しで進化!

7人乗り:2列目席は、8人乗りが幅広いベンチシート、7人乗りは左右分割でスライドできるセパレートシートを採用

7人乗り:2列目席は、8人乗りが幅広いベンチシート、7人乗りは左右分割でスライドできるセパレートシートを採用

■使い勝手は徹底した先代モデルの欠点潰しで進化!スライドドアを開くと、床が先代型よりも平均して85mm低い。乗降ステップも省いた。床面の地上高は、スライドドア開口部の前端で360mm、後方は380mmだ。低床設計のステップワゴンよりも低く、乗降性は抜群。薄型燃料タンクを開発し、プラットフォームもエンジンの下側を除けば新設計になる。室内も広がり、全高は先代型より25mm低いのに、室内高は60mm拡大した。開放感があって車内の移動もしやすい。全長は標準ボディで100mm拡大し、ホイールベースも25mm伸びた。1/2列目の着座姿勢と足元空間を先代型と同等に調節すれば、3列目の膝先空間は新型が55mm上まわる。さらに低床化で各シートの床と座面の間隔も拡大。3列目は55mm増したから、膝の持ち上がる窮屈な姿勢になりにくい。座面の奥行も10mm増やした。これらはすべて「先代型の欠点潰し」だ。先代型はセレナ、ステップワゴンのライバル2車に比べて、側方が見にくく3列目は窮屈だった。乗降性はセレナと同等だが、ステップワゴンには劣った。新型はこれらの欠点を一挙に解決している。そのいっぽうで、従来型の特徴は受け継いだ。3列目席はレバーを引けば左右に跳ね上がり、重いシートを持ち上げる必要がなく格納できる。ステップワゴンの床下格納と違って、畳んだシートが荷室の両側に張り出すが、新型は薄型化した。左右独立して畳めるから、乗員の数や荷物の量に応じた調節もしやすい。パンク修理キットの代わりに、スペアタイヤを装着できるメリットもある。インパネは中央を張り出させ、ATレバーとエアコンスイッチを装着した。1列目から2列目への移動性は悪化したが、ATレバーやエアコンは操作頻度が高いため、操作性のメリットのほうが上まわるといえよう。メーターは先代型ではインパネの中央に装着したが、新型はハンドルの奥に移した。先代型は目の焦点移動が少ない半面、前方視界を遮りやすかったからだ。新型は視界が開け、ミニバンでは珍しくボンネットも手前が少し見える。車幅やボディの先端位置がわかりやすい。

低床化により居住性のアップだけじゃなく走りも向上!

ハイブリッドシステムが設定されたのも大きな魅力となるヴォクシー/ノア

ハイブリッドシステムが設定されたのも大きな魅力となるヴォクシー/ノア

■低床化により居住性のアップだけじゃなく走りも向上!そこで2LガソリンエンジンのヴォクシーZSを試乗すると実用回転域の駆動力が高まっていた。最大トルクの発生が600回転下がった効果も大きい。フル加速時の性能は大差ないが、坂道などでは余裕があり、前述のライバル2車に勝る。走行安定性も進化した。先代型は腰高感が伴い、セレナほど操舵感は鈍くなかったが、危険回避時には後輪の接地性が削がれやすかった。新型は操舵感が素直で後輪も踏ん張る。走りのバランスが向上した。乗り心地は路面の状況によって少し硬く感じるが、細かなデコボコは伝えにくい。ミニバンは基本的に国内専売だ。特に※5ナンバーボディを用意する2Lミニバンは、ヴォクシー/ノア、セレナ&ランディ、ステップワゴンだけ。しかもミニバンの中心的な存在だから、ヴォクシー/ノアは限られたライバルに勝てばトップに立てる。負ければ販売が必ず低迷する。そして勝つための必然的な手段が低床設計だった。床が低ければ、乗降性/居住性/走行性能/乗り心地など、すべての機能が向上するからだ。

コストパフォーマンスは?

■コストパフォーマンスは?ただし勝つには価格も重要で、ライバル車と同等以下に抑える必要がある。ヴォクシーZSの8人乗りは、エアロパーツ、アルミホイール、スマートエントリーなどを備えて257万円。セレナハイウェイスターSハイブリッド(256万8300円)と同等で、ステップワゴンスパーダS(252万円)よりは装備が充実する。ヴォクシーは特に割安ではないが、ライバル車には対抗できる。今後の課題は、衝突回避の支援機能を設けることだ。セレナは時速80kmが上限ながら、カメラ方式だから車線逸脱の警報も行う。ステップワゴンもミリ波レーダー方式を採用するが、装着車の価格は350万円弱。上級車のみの設定だが、’14年中に登場する次期型は安価に設定するだろう。ヴォクシー/ノアも装着が急務になった。最近はトヨタの新型車を試乗すると、乗り心地や内装の質に不満を感じることが多かった。その点でヴォクシー/ノアは、さまざまな部分を進化させている。思い返せば、かつてのトヨタは、新型ヴォクシー/ノアのようなフルモデルチェンジを繰り返して今の地位を築いた。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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