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更新日:2019.01.06 / 掲載日:2017.11.28

トヨタ ハリアーハイブリッのド驚異的な人気のヒミツ

新型は日本市場をしっかり見てる。

使い勝手のよさも魅力 開口部の広いラゲッジ、大きく開く前後ドアなど、乗降性、積載性にも優れている

使い勝手のよさも魅力 開口部の広いラゲッジ、大きく開く前後ドアなど、乗降性、積載性にも優れている

【本記事は2014年2月にベストカーに掲載された記事となります。】新型ハリアーの受注がエラく好調らしいけど、その大きな理由のひとつとして「今度のハリアーは日本市場向けに作った」という事実が大きい。SUV、それもハリアークラスは北米市場で生まれたジャンルだけに、先代までは北米仕様をベースに国内向けが作られてきた。が、今度の新型は最初から日本市場をしっかり見てる。それともうひとつ、ハリアー→レクサスRXへと分離する過程で、先代モデルが10年に渡って“据え置き”となったのも国内ユーザーの目線からは不満だった。「日本のユーザーはどーでもイイのかい?」と、嫌味のひとつも言いたかったほどだ。 そのあたり、今度のハリアーはキチンと「借りを返してくれた」という満足感がある。そのあたり、今度のハリアーはキチンと「借りを返してくれた」という満足感がある。

スタイリング

新型ハリアーはこのクラスのSUVとしては珍しく日本専売モデル。これも売れている要因

新型ハリアーはこのクラスのSUVとしては珍しく日本専売モデル。これも売れている要因

ボディサイズは従来型と10~15mm程度しか違わないが、スタイリングはすっきり贅肉を削ぎ落とした精悍なイメージ。骨格部分はRAV4系の新MCプラットフォームを使ってホイールベースを55mm短縮し、ヒップポイントを30mmも引き下げるなどパッケージングの考え方を日本での使い勝手を重視した方向にシフトしてきている。

燃費性能がイイのは当然

2Lガソリンエンジンか、2.5Lハイブリッドか?:2.5Lハイブリッドは、システム出力は197psとパワフル

2Lガソリンエンジンか、2.5Lハイブリッドか?:2.5Lハイブリッドは、システム出力は197psとパワフル

パワートレーンも、標準エンジンを2L、直4(3ZR-FAE型151ps)にダウンサイズするとともにCVTもユニットを新型に換装。ハイブリッドの燃費性能がイイのは当然としても、2LモデルのFF仕様でJC08燃費16.0km/Lと良好。で、誰もが気になる問題は、「実際のところ車重1.6tのハリアーに2LNAエンジンでOKなの?」ということ。そこで、まずは最もベーシックな2LのFFを走らせてみる。スペックからすると、コイツには正直あんまり期待してなかった。だってこの2Lエンジン、カタログスペックは微妙に異なるものの、ノアヴォクシーなんかでおなじみのヤツ。「車重もほとんど同じだし、似たようなごく平凡な走りでしょ」と勝手に予想しちゃったわけだ。

文句なしの進化

2Lガソリンエンジンか、2.5Lハイブリッドか?:2L直4は151ps/19.7kgmと非力に感じるが軽快!

2Lガソリンエンジンか、2.5Lハイブリッドか?:2L直4は151ps/19.7kgmと非力に感じるが軽快!

ところが、試乗会場の富士スピードウェイのパドックからスッと走り出した瞬間、「アレ? 意外に軽快じゃん」という嬉しいサプライズ。アクセル開度とクルマの動き出しにきちんとリンクした躍動感があって、思いのほか“イイ感じ”に仕上がっているのだ。もちろん、そこから全開まで開けてもカタログMAXトルクは19.7kgmだから、それを大きく踏み出すようなパワフルさはない。しかし、日常的に多用する0~60km/hや100km/h未満の追い越し加速など、実用域のドライバビリティがとってもストレスなく気持ちいい。これは、2.4Lでも全体に重苦しいドライバビリティだった先代ハリアーに比べたら文句なしの進化と評価できる。

CVT

内外装の質感の高さが魅力的!走りのポテンシャルも満足感が高い!:ハリアーのインテリアはデザイン、使っている素材にこだわりを見せる。

内外装の質感の高さが魅力的!走りのポテンシャルも満足感が高い!:ハリアーのインテリアはデザイン、使っている素材にこだわりを見せる。

この優れたドライバビリティを実現するのに、新しいCVTユニットが重要な役割を果たしているのは間違いない。この新型CVT、制御特性もなかなか考えられていて、全開加速を試みると有段ATのようにステップを刻んで加速していく。最初は「アレ? 7速AT?」と思わず勘違いしそうになった。加速性能だけを考えればアクセル全開で即最大トルク点をキープし続けるほうが速いが、それが「なんか滑ってるみたいで気持ちワルイ」と嫌われるのがCVTの悩みどころ。そこで、今回は全開時には効率よりドライバー心理を優先、敢えてわざわざシフトアップ感のある加速特性を作り込んでいるのだ。もちろん、普段の走りではなるべくエンジンの最高効率点近くを粘り強くキープするのはこれまでどおり。前述のとおりそういった領域でのレスポンスも良好で、燃費チューンで走りがモッサリという心配も無用だ。ついでに、マニュアル操作する際のレスポンスもこれまでのCVTよりずっと歯切れがよくてシャープ。とにかく、このCVTがかなりの“スグレモノ”であることは間違いない。

ハイブリッド

いっぽう、ハイブリッドに関しては「どうせすごくイイんでしょ?」と思っていたからむしろ予想どおり。チョイとひと踏みすればシステム出力197psというスペックを裏切らない力強い加速感を発揮し、燃費もいい(JC08燃費21.8km/L)。走りと燃費を両立しているのも立派。静粛性や重厚な乗り心地など、車格感というか貫禄というか、乗り味は明らかに2Lモデルより一枚上手ですごく高級感がある。ただし、価格的には“プレミアム”で比較してハイブリッドはFF2の87万円高と、けっこうな開きがある。今時のクロスオーバーSUVとして街中でカジュアルに使うなら、軽快な2L仕様も捨て難い。今回、ハイブリッドはすべて4WDとなったこともあるし、街乗り=FF2L、雪道=ハイブリッドと使い分けてはいかがでしょう?

乗り心地の質感が劇的な向上

特に旧型ハリアーオーナーにはぜひ乗り比べて、乗り心地のよさを堪能してほしい。その差は歴然だ

特に旧型ハリアーオーナーにはぜひ乗り比べて、乗り心地のよさを堪能してほしい。その差は歴然だ

最後に足回り。新型ハリアーは北米で販売している新型RAV4とプラットフォームを共有するとは思えないほど、乗り心地の質感が劇的な向上を見せている。資料によれば「周波数感応型ダンパーを使いました」とか、それなりのことは書いてあるけど、とてもそんなレベルの向上シロではないことに驚いた。ボクはずいぶん長いこと「トヨタ車最大の弱点は乗り心地の質感」と書いてきたけど、ようやく長いトンネルの出口が見えてきた印象。この点だけでも、今度のハリアーは試乗してみる価値があると思いますぞ!

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グーネットマガジン編集部

ライタープロフィール

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
グーネットでは軽自動車から高級輸入車まで中古車購入に関する、おすすめの情報を幅広く掲載しておりますので、皆さまの中古車の選び方や購入に関する不安を長年の実績や知見で解消していきたいと考えております。

また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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