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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30

対決1/コンパクトHV頂上対決 トヨタ アクアvsホンダ フィットHV

アクアのライバルはコンパクトカー

トヨタアクアS

トヨタアクアS

【本記事は2012年2月にベストカーに掲載された記事となります。】正直なトコロ、アクアの評価は難しい。プリウスという超強力なライバルが存在するからだ。例えば実用燃費。プリウスより車重250kg軽いのに6~7%しかよくなかったりする。いや、アメリカのハイウェイモード燃費なんか空気抵抗少ないプリウスのほうがいいほど。車両価格だって装備を同等にすればマイナーチェンジで12万円値上げする前のプリウスと10万円しか変わらない。開発担当者に聞いてみたら「プリウスはホントに凄いクルマです」。ということでプリウスを知っている人はアクアのハンドル握ると「う~ん!」になってしまうだろう。車格が違うのだから当然ですけど。以下、アクアのライバルはコンパクトカーだけだと割り切って紹介したい。まずホメておきたいのが動力性能。パワーユニットは2代目プリウスとほぼ同じ。それでいて200kgも軽いのだから遅いワケない。発進加速なんかホイールスピンしちゃう。フィットやヴィッツの1.5Lモデルより速いです。

表のライバルは当然の如くフィットHV

トヨタアクアS

トヨタアクアS

ハンドリングも楽しめる。フロントが重い普通のFFと違い、電池など重量物を車体の後半に搭載しており前後バランスがいい。残念ながらワインディングロードは試せなかったけれど、16インチタイヤを履く『ツーリングパッケージ』なんかスポーツモデルといっていいくらいの旋回性能だったりして。ちなみに16インチはサスペンションも専用になるから気合い入ってる。『フィットRS』や『ヴィッツRS』がライバルですね。そう考えれば高くないか?乗り心地は「コンパクトカーの平均レベル」。ヴィッツより少しよく、デミオと引き分け。フィットに少し負ける感じ。ボディから出るキシミ音もよく抑えられている。乗り心地と異音の少なさでマイナーチェンジしたプリウスに勝ててる。さらに詳しいライバルとの比較は次項でキッチリ行なってみたい。もしアクアの購入を考えているなら、最大のライバルはプリウスかもしれない。ハンコ押す前に、もう一度プリウスのハンドルを握ることをすすめておく。裏のライバルがプリウスだとすれば、表のライバルは当然の如くフィットHVでしょう。以下、ガッツリ比較してみたい。

パワーユニット・動力性能・ハンドリング

■パワーユニットハイブリッドの場合、エンジン出力+同時に使えるモーター出力の合計が『システム出力』になる。ということでアクア100psのフィットHV98ps。引き分けです。ただ連続して使えるエンジン出力はアクア74psのフィットHV88psでフィット優勢だ。ここまではアクセル全開時の評価。普通の使い方だとモーターアシストの多いアクアのほうが滑らか。スタート時の滑らかさでもアクア。国沢光宏ならどちらを選ぶか? 迷うことなくフィットHVであります。長距離ドライブの友であるクルーズコントロールがアクアには付かず。クルコンなど不要だという人はアクアの勝ち。アクア8点/フィットHV7点■動力性能ほぼ同じシステム出力なので、バッテリー容量さえ残っていれば60kg以上軽いアクア有利。けれどバッテリーを使い切ったらエンジンだけが頼りになってしまう。よ~いドンで加速競争したら、車重の軽いアクアが飛び出し、3~4km後にバッテリー切れのためエンジンパワーで負けているフィットに追いつかれるかと。また、最高速は馬力と空力の釣り合いで決まる。これまたいい勝負か? 両車180km/hには届かないらしい。ぜひ実車で勝負させてみたいですね。アクア7点/フィットHV7点■ハンドリングアクアは前後の重量配分がよく素直。どっこいフィットだって重いバッテリーを車体後部に搭載しており、これまたイケる! 乗った感じ、15インチタイヤ同士なら優劣つけ難し! 常識で評価すれば、重心が低くてリアの唐突な流れ出しのないアクアに軍配を挙げたい。 でもフィットのテールハッピーさ、好きだなぁ。タックインで自由自在にテール流せますから。横滑り防止装置はアクア標準装備でフィットHVオプション。この点を加味し、アクアの勝ちにしておく。アクア8点/フィットHV7点

乗り心地

アクア:リアシートの居住スペースはヴィッツを凌駕している

アクア:リアシートの居住スペースはヴィッツを凌駕している

■乗り心地おおいに迷う! 今回比較に持ってきたフィットHVを基準とすればアクアの勝ち。フィットHV、なんだかドタバタしており、路面からのツキ上げ感も気になった。経年変化かもしれない。こんなにボディの剛性感が低かったか? 以前試乗したフィットHVって今回試乗したアクアより滑らか。試乗車のコンディションの優劣はジドウシャヒョウロンカ泣かせ。現物で比較しろ、ということならアクアです。以前試乗したフィットHVを基準にしたら、フィットHV。ドッチなんだよ、と怒るかもしれませんが、買う時には両方試乗し、自分の好みをカミして決めてください。アクア8点/フィットHV7点

居住性

フィットHV:フィットのリアシートの余裕は、ライバルを大きくリード

フィットHV:フィットのリアシートの余裕は、ライバルを大きくリード

■居住性ヴィッツとフィットの勝負なら比較にならない。1秒も迷うことなくフィットです。このあたりはトヨタだって充分わかっていた。アクアは全長まで伸ばし、キャビンスペースを拡大してきたから驚く。特に「あらま!」だったのがラゲッジスペース。ヴィッツだと海外旅行用スーツケース2個+2人でいっぱい。アクアなら3個+3人までイケる。されどフィットって強烈。3個+3人には変わりないが、リアシートのレッグスペース広く、スーツケース3個のほか、帰国時のお土産ぶんまで飲み込む。アクア8点/フィット9点

質感

最廉価モデルかつ最高燃費モデルのLがこれ。走り、装備、内装材、シートなどの質感は商用車的

最廉価モデルかつ最高燃費モデルのLがこれ。走り、装備、内装材、シートなどの質感は商用車的

■質感アクアの廉価グレード『L』の質感は限りなく商用車。ハンドルからして黒だし素材の質感も低い。シート素材を見ても商用車クオリティといえる。いっぽう、フィットHVはベーシックグレードでまったく不満ありません。上級モデルと同じシート素材やハンドルを使う。ベージュのインテリアなんかコンパクトカーだと思えないほど。アクアも上級グレードになれば納得のいく仕上がりになります。ハンドルもプリウスの『S』と同じ仕上げ。アクアの『L』を除くと好みの差か?アクア8点/フィットHV8点

買い得感

気になる燃費は?:今回はわずか1時間という短い試乗枠で簡易的に燃費を計測。コースはほぼフラットな一般道で渋滞はなし。走行距離にして10km程度だが、アクアが22.3km/Lに対しフィットHVが16.8km/L。両車とも信号待ちの度に必ずといっていいほどアイドリングストップ。しかし、両車の最大の違いはトヨタのハイブリッドお得意のモーターのみでの走行がある点。これがアクアの発進時のスムーズさ、瞬間燃費のよさにつながっている。ただし、バッテリーの残量により燃費が大きく変動。これは兄貴分のプリウスと同じ。アクアがBC燃費コースでどんな燃費をマークするか、乞うご期待。

気になる燃費は?:今回はわずか1時間という短い試乗枠で簡易的に燃費を計測。コースはほぼフラットな一般道で渋滞はなし。走行距離にして10km程度だが、アクアが22.3km/Lに対しフィットHVが16.8km/L。両車とも信号待ちの度に必ずといっていいほどアイドリングストップ。しかし、両車の最大の違いはトヨタのハイブリッドお得意のモーターのみでの走行がある点。これがアクアの発進時のスムーズさ、瞬間燃費のよさにつながっている。ただし、バッテリーの残量により燃費が大きく変動。これは兄貴分のプリウスと同じ。アクアがBC燃費コースでどんな燃費をマークするか、乞うご期待。

■買い得感フィットHVの159万円はお買い得感抜群に高い! 横滑り防止装置VSAを付けたら167万4000円になるけれど、アクアと同じ装備内容にしたら平均して12万円くらい安いと考えていい(フィットHVはクルーズコントロールまで標準で付く)。燃費差によるガソリン代の差額は、アクア22km/LのフィットHV16km/Lとして走行1万kmごとに2万5000円見当。ひと回り広いキャビンスペースを考えると大いに迷う。アクアの価格が10万円安かったらフィットHVも厳しい勝負になった。アクア8点/フィットHV9点

総合

アクア圧勝か、と思いきやフィットHVも大健闘!

アクア圧勝か、と思いきやフィットHVも大健闘!

■総合実力伯仲である。強いて大きな違いを挙げるなら、やっぱりキャビンスペースだと思う。アクアもずいぶん頑張ったとはいえ、フィットは広い。見事なくらい広い。長距離ドライブが多くクルコンに価値を感じる人もフィットを選ぶしかなかろう。割安感もある。アクアの優位点は「ハイブリッドらしい走行フィール」と「すばらしい燃費」。走行6万km以上になると、1万kmごとに2万5000円ずつランニングコスト削減だ。買うときはおおいに迷い、楽しんでください。アクア9点/フィットHV9点

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
誌面が主の時代から培った、豊富な中古車情報や中古車購入の知識・車そのものの知見を活かして、皆さまの快適なカーライフをサポートさせて頂きます。

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