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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28
SUVの宝石箱ヴェゼルハイブリッド発進!!
クーペ+SUV+ミニバンHV+DCT+4WDいや~盛りだくさん!

【本記事は2014年1月にベストカーに掲載された記事となります。】クーペ+SUV+ミニバンHV+DCT+4WDいや~盛りだくさん!モーターショーで初公開されたホンダのニューカー、ヴェゼル。本誌では、ショー会場で緊急取材を行い、すでに12月26日号で生写真を掲載しているから、誌面的な新鮮味はやや薄れている。しかし、12月19日正式発表、20日発売のほやほやニューカーだ。きちんと押さえておかねばならないだろう。
ホンダ初のハイブリッドと4WDの組み合わせ

リアシートは分割可倒式でさまざまなバリエーションで使える。開口部が広くて低いリアゲートは女性でも荷物の積み下ろしがラクに行える
ヴェゼルのカタログに掲載されている最初のキャッチコピーは「ジャンルを超えて行け。」改めてそのコンセプトを紹介すると、「SUVの力強さとクーペの美しさ、ミニバンのユーティリティを融合させた新しいジャンルのニューカー」とホンダは説明する。なんと欲張りな。昔から、二兎を追うものは一兎をも得ず、というけれどなんと3ジャンル。さらに、ホンダ初のハイブリッドと4WDの組み合わせ、フィットHVで好評のDCTも装着して、燃費も走りもいいそうだ。ホンダの本気を感じさせるコンセプトである。
ボディサイズ

機能的で上質なインテリアだがドライバーシートと助手席を分割するコンソールを備えるなどパーソナル感を演出する。色はブラック、ジャズブラックのほか写真のジャズブラウンも設定
また、フィットの派生モデルといわれていたが、ボディサイズは、全長4295×全幅1770×全高1605mmで、フィットより全長300mm、全幅75mm、全高80mmも大きい。ホイールベースも2610mmでフィットより80mm長い。プラットフォームは、一部パーツを流用しているもののほぼ新設計。全体の部品流用率が約50%というから、姉妹車というのも微妙な間柄である。
欲張りコンセプトのヴェゼル

欲張りコンセプトのヴェゼルだが、ベースはやはりSUV。開発段階ではまず、SUVとしての基本性能を固めて、ほかの要素を加えていった。フィットではビスカス式を採用した4WDシステムは、CR-Vにも搭載している電子制御のインテリジェントコントロールシステムを採用。雪道などでSUVらしい高い走破性が期待できる。クーペの美しさを目指したスタイリングについては、腰高感は否めないものの、ヨーロッパ調の流麗なボディ、というような表現が適切かもしれない。もちろん、グローバル展開を意識したデザインとしての結果ではあるはずだ。ただ、辛口で知られ、ホンダのエクステリアデザインを束ねる南俊叙氏が「買いたい」とコメントしたと伝えられ、ホンダの自信作といえる。
1.5Lの直噴エンジンのハイブリッド

パワートレーンは2タイプ フィットではアトキンソンサイクルだったハイブリッドは1.5L直噴エンジンとの組み合わせ
室内の広さに定評のあるフィットよりかなり大型のボディだけに、スペースユーティリティはさすがである。さらに超低床ボディにより、適度な高さのアイポイントや乗降性向上、低い重心が実現し、操縦安定性や取り回しのよさにもつながった。パワートレーンは、1.5Lの直噴エンジン(最高出力131ps)と、それにモーターを組み合わせたハイブリッド(システム出力154ps)の2タイプ。ガソリン、ハイブリッドとも基本3グレードの設定で、4WDもラインアップする。
グレード

ハイブリッドは、ベーシックグレード同士の比較でガソリンより32万円高、4WDは21万円高となる。ガソリン、ハイブリッドともベーシックグレードのみ、衝突軽減ブレーキのシティブレーキアクティブシステム、サイドエアバッグなどをパックにしたあんしんパッケージがオプション設定(6万円)で、ほかはすべて標準装備。また、FF車のJC08モード燃費は、ハイブリッドが24.2~27.0km/L、ガソリン車は19.2~20.6km/L。装備、燃費、価格などを総合的に判断すると、ガソリン、ハイブリッドとも真ん中のXグレードが販売の中心になりそうだ。
ここが気になる ホンダ4WD技術の変遷

86年、シビックシャトルにビスカス式4WDが搭載されホンダのリアルタイム4WDがスタート
ここが気になる ホンダ4WD技術の変遷ホンダではリアルタイム4WDと呼ぶフルタイム4WDは、1986年にシビックシャトルに搭載され、登場した。ビスカスカップリング式フルタイム4WDで、’94年にはクロスオーバーSUVの先駆けとなったビーグルも誕生している。これに続くのがデュアルポンプ式4WDシステムだ。2つの油圧ポンプを用い、その圧力によって多板クラッチを圧着して駆動力を伝える方式で、オデッセイやCR-Vに搭載した。軽量コンパクト設計を特徴としたが、雪道での発進性能やコーナリング時の安定性は物足りない。そこで2000年代になると、ワンウェイカムユニットを追加して空転検知能力を大幅に向上させ、発進能力や安定性などをアップしている。また、この時期には車両の挙動を安定させる制御を備えた横滑り防止装置のVSAも組み合わせた。滑りやすい路面で左右輪の駆動力を緻密に適正化し、ホイールスピンを抑制するから、より安定した走行が可能になっている。ホンダは本格的なフルタイム4WDも手がけた。クロスオーバーSUVのアキュラMDXに採用したのは「VTM-4」と名付けた電子制御トルク可変式4WDシステムだ。緻密な制御が自慢だったが、複雑で重かったため、2代目ではレジェンドと同じSH-AWDを採用した。
デュアルポンプ式

86年、シビックシャトルにビスカス式4WDが搭載されホンダのリアルタイム4WDがスター
地道に進化を続けてきたデュアルポンプ式も、現行のCR-Vでは電子制御で後輪の駆動力をコントロールするインテリジェントコントロールシステムに進化し、このシステムが新型ヴェゼルに専用セッティングを施して採用された。SUVとしての走破性は期待できそうだ。