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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.28
全方位遊び仕様 愉快、軽快スズキ ハスラー
ファンタジーな軽

オレンジボディはインパネも同色。新開発素材を採用
【本記事は2014年1月にベストカーに掲載された記事となります。】「なんてファンタジーな軽なんだ!!」。スズキハスラーを目の前にしてつい口をついた言葉がこれである。今や新車販売の2台に1台が軽。売れているのはいいことだが、どこか実用性てんこ盛りばかりで「楽しんでいるかい?」と声をかけづらいクルマもあったりして……。
新タイプのクロスオーバー軽

そんななか弾けまくって’13年12月24日に発表されたのがハスラー(発売は’14年1月8日)。今までになかった新タイプのクロスオーバー軽といえるが、「ヒルディセントコントロール」など4WDの新機能を軽自動車初で搭載しているあたりに、SUV寄りにシフトしたモデルだとわかる。アウトドアに連れ出したくなるクルマではあるが、もちろん日常の使い勝手も充分に備わった優等生。「開発陣全員が本当に楽しみながら作った一台」(CEの沼澤正司氏)というハスラー。その魅力とは!?
四駆の普遍性を表現

軽ワゴンと同等の広い室内、ピンクのシートパイピングがステキ ピンクボディ色の場合はこのように白インパネ。シートすべてにはボディ色のシートパイピングが入りオシャレ。また左ページ写真のように後席を畳むと広大な荷室が生まれる
■四駆の普遍性を表現ニーズが多様化する軽ユーザーに向け、スズキが出したひとつの答えがこのクルマで、既存車種にはない「新ジャンル」と堂々と宣言。確かにこんな軽、見たことない。ワゴンRとプラットフォームを共有するが、斬新でスクエアなスタイルのぶんハスラーが放つ存在感は大きい。
四駆としてのトラッドで普遍的なクルマをイメージ

「ヒルディセントコントロール」&「グリップコントロール」で、抜群の4WD走破力を発揮 フィッシングパッケージキャンプパッケージスタンバイ式4WDに設定された新機能は、滑りやすい下り坂の車速を制御するヒルディセントコントロールと、グリップコントロール。いずれも軽自動車初の搭載。インパネにあるボタンを押すだけでOK
ハスラーを語るうえでなにはなくともデザインの話だ。“レトロ調”を注入したと思っていたがさにあらず。チーフデザイナーの服部守悦氏はこう語る。「作る側としてはレトロ調を狙ったわけではない。四駆としてのトラッドで普遍的なクルマをイメージしてデザインした結果が、こういうカタチになった」。その象徴的な部分が立ったAピラーやサイドウインドウだ。ボクシーなスタイルはワゴンR同等の広い室内空間を実現。ヘッドライトの丸目はジムニーやKeiなどスズキのDNAを受け継いだものという。もうひとつ、ボディ同色のオレンジ色のインパネと白色のインパネもオシャレだ。
JC08モード26.2km/L

新アイドリングストップ機能を搭載し、低燃費を実現:スズキグリーンテクノロジーの採用と、「アイドリングストップ空調設定カスタマイズ機能」などでJC08モード29.2km/Lを達成(NA)
■JC08モード26.2km/Lついデザインに目がいきがちなモデルだが、鎬を削る軽自動車界で生きぬくための基本性能は充分備えているのも、このクルマの魅力。ワゴンRのMC時に搭載されたものと同様に、エネチャージ、新アイドリングストップシステム、エコクールといった「スズキグリーンテクノロジー」を採用。スズキが磨きぬいた燃費を抑える技術をふんだんに盛り込んだ結果、NAの2WD・CVTでJC08モード燃費が29.2km/L、ターボの2WD・CVTで26.8km/Lと低燃費を達成。燃費にこだわる奥様もこれなら納得だろう。4WDはビスカスカップリング式スタンバイ4WDで、これに備わる2つの新機能はなんと軽自動車初。「ヒルディセントコントロール」は滑りやすい急な下り坂の車速を制御してくれるもので、ブレーキ操作なしで約7km/hの一定速度で降坂。また「グリップコントロール」は雪道などで、スリップしたタイヤにブレーキをかけることでグリップ側の車輪に駆動力を的確にサポートする制御。これらがAグレードを除く4WD車に標準装備されている。なんとも豪勢ではないか。
安全技術を装備

アウトドアを楽しめるアクセサリーパッケージが4タイプある:写真の2つ以外には、サーフィンパッケージと車中泊パッケージがある
■安全技術を装備また、クルマのキャラクター上、アウトドアや寒冷地ユーザーへ振った快適装備も充実。運転席シートヒーターやヒーテッドドアミラーなどが備わり、CVT車にはCVT温水カットバルブを採用。これにより短時間で冷却水が温まり、暖かい風がより早く出てくるという仕組み。使う側の身になった工夫の数々がうれしい。ここのところ登場する新型車には先進安全技術が標準装備、あるいはオプション装備できるものがほとんどだが、ハスラーにも“手厚く”盛られている。レーダーブレーキサポート(衝突被害軽減ブレーキ)や誤発進抑制機能、エマージェンシーストップシグナルなどが標準装備(Aを除く)。凄いです!斬新なデザインながら燃費も走破性も、先進安全技術も備わる新ジャンル。鈴木修会長からも“一発GOサイン”が出たハスラー。こいつは楽しみだ。
アニメから出たようなインパクト

不肖オザワ、実は’14年の台風の目になると確信しております。“東モ”に出た時からビックリ。「これホントに売るの?」って。コンセプトカー顔負けの丸目にパステル調カラー。室内もエクストレイル顔負けのヘビーデューティーさと未来派メタル調パーツ。マジでアニメから出たようなインパクトを持ちつつ実用性は背の高いワゴンR。後席広いわ、車高は高いわメチャ便利なうえ、気を使わないし、しかもJC08モード燃費29.2km/L&驚異のお値段100万円ちょっとスタート。いまだかつてこんなに都合のいいクルマがあったでしょうか。唯一の心配はCE&デザイナーが50代で実は’80~’90年代的ロジックの再来か? ってこと。ディープパープルやレッドツェッペリンが似合うテイストが眠っている雰囲気も。だから、新ジャンルであると同時に日本パイクカー文化の集大成かも!?