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更新日:2018.11.29 / 掲載日:2017.11.29
ホンダN-WGNは、広さも質感も最新基準
「新しいベーシック」を作る

ライフの後継でもゼストの後継でもない
【本記事は2013年11月にベストカーに掲載された記事となります。】
すでにN-WGN(エヌワゴン)という車名が公開されていた、N BOX、N BOX+、N-ONEに続くホンダのNシリーズ第4弾がモーターショー会場でプレスデイの11月20日に正式発表になる。
ライフの後継といわれたがライフは継続販売でNワゴンはまったくのニューモデルなのだ。開発陣も軽自動車市場で最もシェアがあり、激戦区となっているハイトワゴンのジャンルに“後発”として参入することに強い決意を持って臨んだという。「いろんな軽自動車をじっくりと見て、どんな使い方をしていらっしゃるのか、研究させてもらいました」とある開発スタッフが語っていたが、軽自動車のハイトワゴンモデルほどユーザーの年齢層も地域性も広いモデルはない。それだけいろんな使い方をされるモデルということだが、ホンダの出した結論は「新しいベーシック」を作るというものだった。具体的には、これまでのハイトワゴンになかった高い質感と広さの獲得だ。
広さでライバルに挑む

大きなラゲッジだが、200mmスライドする関係で、シングルフォールディングで段差が付いてしまう
●あえて全高1655mmを選択
ハイトワゴンといえばワゴンRであり、ムーヴであり、今年発売のデイズとeKワゴンが代表的なモデル。軽自動車はサイズが決まっているので、全長3395mmと全幅の1475mmはどのクルマも一律この数字だ。
差が出るのは全高とホイールベースとなるが、これとて全高は1620~1640mm、ホイールベースは2425~2455mmと大きな変化はなかった。ところがNワゴンの全高は1655mm、ホイールベースは2520mmとどちらも図抜けて大きいのだ。
つまり、スーパーハイトワゴン市場で、N BOXが広さによってライバルを制圧したように、Nワゴンも広さで明確な差を付け、ライバルたちに挑んできた。しかもNワゴンには“伝家の宝刀”センタータンクレイアウト採用のNプラットフォームがある。低く、フラットなフロアのおかげで、室内空間はダントツの広さ。特に後席は200mmのロングスライドが可能で、最も後ろに下げた時の居住性は1.5Lセダンをも凌ぐと思わせるほどだ。
上質にこだわったデザイン

こちらはブラック基調となるカスタムのコックピット。タコメーターもあり、派手なメーター照明は夜のドライブが楽しそうだ
●上質にこだわったデザイン
Nワゴンのもうひとつのこだわりは、上質だ。価格が安いことが軽自動車の売れるための絶対条件のようにいわれるが、マーケットの成熟性を考えた時に、ただ安いだけよりもしっかりと価値のあるモノを作ったほうが売れるとホンダは考えた。
お金がないから軽自動車を選ぶのではなく、運転しやすいことや維持費を含めた経済性の高さを考え、クレバーなライフスタイルのために軽自動車を選ぶ人が増えている。このNワゴンの上質は新鮮であり、軽自動車のイメージを変えるはずだ。
デザインではスタンダードはN-ONE同様ピアノブラックのグリルにアクセントを持たせ、カスタムは左右いっぱいにLEDライトを走らせ、切削タイプのアルミホイールを採用するなど、棲み分けされる。ただスタンダードモデルは従来のモデルがプレーン一辺倒だったのに対し、アクもあって男らしいモデルになっている。
インテリアはスタンダードが落ち着いたベージュ、カスタムがブラックが基調となりシートはどちらも大型でリラックスできる姿勢が取れる。カスタムのシートはバーガンディのダブルステッチが入り、おしゃれだ。
安全装備の充実ぶり

あんしんパッケージ装着車はシティブレーキアクティブシステムが標準装備される
●安全装備の充実ぶり
スタンダード、カスタムともに3グレードで横滑り防止装置VSAやエマージェンシーストップシグナル、ヒルスタートアシストを全車標準装備。中間グレードのG・Aグレードからは衝突軽減ブレーキであるシティブレーキアクティブシステム&サイドエアバッグを採用するなど安全性を強化。
注目の燃費性能

●注目の燃費性能
ワゴンRのJC08モード燃費、30.0km/Lを超えるか? と期待された燃費だが、どうやらムーヴと同等の29.0km/Lほどにとどまるようだ。しかしそのぶん、NAは58psとクラス最強だし、ターボも最大トルク10.6kgmはクラス最高だから、走りを重視するなら燃費の違いは目をつむれる範囲だ。これでワゴンRもムーヴもデイズもeKワゴンもウカウカできないはず。ホンダがNシリーズで天下を本気で狙っている。