ホンダN－WGNはNシリーズの真打ちN ONEよりも安くて広い！

【本記事は2013年12月にベストカーに掲載された記事となります。】「N-WGNのテーマは、最強欲張りハイトワゴンです」絶好調のホンダNシリーズ、その4作目となるN-WGN（Nワゴン）の開発責任者を務めた人見康平氏（二代目フィットの開発責任者）は高らかに宣言した。軽自動車というボディサイズの制約のなかで、妥協や諦めなく「すべてを高く満たした軽」を作り上げたという。いやいや、立派な志であり、自信にあふれた言葉だと思う。実際、N-WGNは軽自動車のなかでも最も競争が厳しいといわれるハイトワゴン市場に参入するわけで、このくらいの自信がないとチャレンジできないだろう。では、新型軽自動車N-WGNの詳細をチェックしていこう。

■パッケージングN-WGNの開発で、ホンダがこだわったのが室内空間の広さだという。当然、得意のセンタータンクレイアウトを採用して室内の高さを稼いだ。さらに、エンジンレイアウトを見直し、機械部分を徹底的に小さくすることにより、エンジンルームのミニマム化も目指した。その結果、室内スペースの前後方向に余裕が生まれ、乗員の足元や膝回りのスペースが広がっている。さらにリアシートは200mmスライドし、前後シートの間隔は1100mmにもなる。N-BOXのユーザーの最大の不満が、固定式のリアシートにあるといわれている。ホンダは、N-WGNですぐにユーザーの声を反映させたのだ。リアシートがスライドすることで、乗員と荷物のさまざまな状況に対応可能になった。

■JC08モード燃費いうまでもないが、ハイトワゴンのカテゴリーにおいて、広さ以上に熾烈な争いになっているのが燃費である。ワゴンRとムーヴの0.1km／Lをめぐる抜きつ抜かれつの攻防は、後世に語り継がれるかもしれない。そのなかにあえて飛び込むN-WGNのJC08モード燃費は、NAエンジンのFFで29.2km／L。このカテゴリーの燃費トップのワゴンRにはわずかに及ばないが、先発のデイズ／eKワゴンと並ぶ好燃費だ。搭載されるエンジンは、ほかのNシリーズと同じだが、新たに多くの部品を作り直して改良したほか、ハイテン材の採用による軽量化や空気抵抗の低減などで燃費向上を図っている。また、軽量化はボディ剛性の向上にもつながり走りのパフォーマンスアップを実現した。このあたりはホンダの真骨頂で、エンジンパワーを落としてまで燃費一番を狙うことはせず、ホンダらしい走りと燃費のバランスを優先した設計といえる。■安全性安全性もN-WGNの特徴のひとつ。軽自動車で初めて衝突実験JNCAPで5つ星を獲得した点が光る。もちろん、横滑り防止装置は全車標準だし、低速域での衝突軽減ブレーキ、シティブレーキアクティブシステムも設定した。さらに、運転しやすい前方視界、後方視界は3モードカメラでチェックと、運転に不慣れなドライバーでも安心の装備を満載している。Nシリーズの4番、N-WGN、なかなかいい欲張りぶりだ。

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