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更新日:2020.07.21 / 掲載日:2017.11.29
最新の5LV8エンジン+6速AT搭載! シェルビー コブラがATで乗れる!?
コンセプトは「誰にでも乗りやすく」

最高速度は258km/h、0→100km/h加速は4.5秒! ボディサイズは全長3989×全幅1864×全高1183mm、ホイールベースは2380mm。乾燥重量はわずか895kg。全体の25%はフェラーリF50やエンツォフェラーリなどに使用されたことでも知られるCFRP製だ。前後重量配分はフロント38%、リア62%
【本記事は2013年11月にベストカーに掲載された記事となります。】まさに“剥き出し!”シェルビーアジアが販売する「アジアパシフィック(AP)モデル」はそんな表現がふさわしい1台だ。もともとAPモデルは「誰にでも乗りやすく」というコンセプトのもと製作されたわけだが、さらに日本に広めるためになんとATモデルのA-Lineを製作したという。さっそく試乗会が行なわれている箱根ターンパイクに向かった。
現代のクルマとは違うモンスターマシン

ミドに積まれる1750ccの直4ターボは240ps/35.7kgm。これにアルファTCT(デュアルクラッチシステム)を備える
車両重量が実に1130kgと軽量。にもかかわらず、搭載される現行のフォードマスタング用COYOTE・5LのV8は412ps/53.9kgm! というとてつもないパワーとトルクを生みだす。だからこれはもう“痛快”なんていう表現ははるかに通り越し、下品な言い方だが「マジ、ヤバい」モデルだ。じゃあどれだけヤバいのか? 読者のみなさんは「スネークダッシュ」という言葉をご存じだろうか? これは本物の蛇、コブラの凄まじさを表わした言葉。V8ユニットのあまりのトルクの太さにスタンディングスタートではまるで蛇がクネクネと地を這うようにダッシュしていく。そう、このクルマは現代のクルマとは違い、車両制御安定装置はもちろんABSすら装着されないため、ラフな操作でたちどころに暴れだすモンスターマシンなのだ。
ロケットのような加速

ダッシュボードにあまり驚きはないが、小さなメーターナセルの中には、疑似アナログメーターが映し出され、モードによってデザインが切り替わる。このデザインはバイクをイメージしているという。見映えや質感もそこそこ
AT自体は、北米で45年の歴史を持ち、ファニーカーやドラッグレースに使用されることで知られるTCI社製の6速AT。ATだからといってナメてはいけない。スタートでリアタイヤが簡単にグリップを失うほどだ。そしてダッシュはまるで背中を蹴飛ばされたような感覚で2速、3速とパドルシフトでシフトアップしても一向に加速が衰えないどころか、ロケットのように自乗で加速するのだ。ハンパじゃないパワーだがボディは軽量。しかし操作系はほぼアシストがない。だからコーナリングでは超絶に緊張する。大パワーをロスせずに効率よく路面に伝えるのは人間の役目。決して現代のクルマのように電気じかけで制御などしてくれない。ただ、だからこそシビレる。間違いなくボクが今年乗ったクルマのなかで、最も刺激的な1台だった。