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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29
重厚な速さの585ps搭載、ハイパフォーマンス、メルセデスベンツSクラス
最高級ラグジュアリーセダン

ベースモデルとなるSクラスは今回ロングボディがスタンダードとなるが、本国ではロングボディを基準にショートやスーパーロングモデルなどのボディバリエーションを展開
【本記事は2013年10月にベストカーに掲載された記事となります。】8月23日に日本で発表になったメルセデスベンツの新型Sクラス。最新の電子制御技術を駆使し安全性と快適性を高めたメルセデスの最高級ラグジュアリーセダンだ。そして、そのハイパフォーマンスモデルであるS63AMGに早くもオーストリアで試乗することができた。Sクラスといえば、この新型からロングボディがスタンダードとなり、日本に導入されるAMGモデルもロングボディのみとなる。
新開発の『AMG4MATIC』を搭載

エンジンは5.5L V8ツインターボを搭載し、585psを発揮
新型S63AMGに搭載される5.5L、V8直噴ツインターボエンジンのパフォーマンスは従来モデルに比べ41ps/10.1kgm上がった585ps/91.7kgm。これを7ATと組み合わせ、その駆動方式は従来のFRに加え、今回はSクラスのAMGモデルとして初となる新開発のAMG専用4WD『AMG4MATIC』を搭載。エンジンのハイスペック化にともないその動力を受け止める手段として4WD化が進むのはメルセデスも同じなのだ。また先代に対し100kgの軽量化も図られている。サスペンションはS63AMGロングには『マジックボディコントロール』ベースのAMGスポーツサスペンションを、S63AMG 4MATICロングには専用開発の電子制御エアサスペンション『AMGライドコントロールスポーツサスペンション』を採用。マジックボディコントロールは新型Sクラスから採用された新機構。システムとしては前後の路面の凸凹をステレオカメラで捉え状況に応じてサスペンションを制御し、フラットな乗り心地を実現するというものだ。
重厚なボディとエンジンとのシナジー効果

AMG専用のステッチが使われているのが特徴のレザーとウッドに包まれた贅沢な内装
試乗会ではロングボディの4MATICモデルとショートボディのFRモデルのハンドルを握ることができた。最初に試乗したのはAMG 4MATIC採用モデル。街中を抜けるまではパワフルなエンジンの存在感を忘れるほど、専用シートのホールド感も乗り心地もいい静かな車内で、AMG専用のダイヤモンドステッチが施されたレザーやウッドに包まれる期待どおりの贅沢なドライブがゆったり味わえた。いっぽうで速度制限の厳しいオーストリアであっても郊外に出れば制限速度100km/hでのドライブが可能だ。アクセルをグッと踏み込めば極太のトルクとエンジン音から期待以上のトルク感と加速フィールにニンマリできる。これはまさに重厚なボディとエンジンとのシナジー効果。4MATICのハンドリングは例えば緩いコーナーでアクセルを踏み続けた際に、重厚なボディと路面を繋ぐ4輪がビタ~ッと張り付くようなフィーリングを少々重めのステアリングから感じとることができる。
メルセデスらしい走りへのこだわり

AMG 4MATICの前後トルク配分は33:67。リア重視で固定されているのはメルセデスらしい走りへのこだわりだ。全長約5.3m、幅2m、車重2t以上あるボディを“操縦する”というイメージからすれば安定感が頼もしいジェントルな安心感がSクラスらしい。が、いっぽうのFRモデルでは4MATICよりもステアリングフィールはやや軽く、身のこなしもより自然な印象を抱いた。ロングボディであってもメルセデスらしさはFRのほうが強いように感じた。トランスミッションの制御スイッチを標準の“C”から“S”モードに切り替えれば、シフトマネージが変わるほかにエグゾーストフラップが開き、加速時やシフトダウンのブリッピング時などに野太いエンジンサウンドを楽しむこともできる。
運転席が最も楽しい場所

S63AMGは精悍さを強めるエクステリアには迫力と品格が保たれていて、Sクラスにさらにスポーティさと贅沢さを加えたインテリアのどこに身を委ねても私は構わないと思う。それでも運転席が最も楽しい場所であるのはAMGモデルならではといえるだろう。