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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29
ドド~ン!! バコ~ン!! いやいやズコ~ン!!GT-Rより魅力的なジュークR
ジュークR……

右にあるのがR35GT-Rそのドライブトレーンを移植した!!
【本記事は2013年10月にベストカーに掲載された記事となります。】最近では、並みいるスーパースポーツカーのどれよりも、とにかく、“いっぺん乗せてくれ!!”、と思っていたクルマである。ジュークR……。経験豊富なレーシングカーコンストラクターのRML(レイ・マロック・リミテッド)グループが、欧州日産の完全バックアップを受けて、ジュークにGT-Rの“ナカミ”をぶち込んだというからタマラナイ。とりあえずユーチューブを見て興奮するほか手がなかったマシンが、今、目の前にある。しかも、試乗できるのだ!!順番を待つ間、「どうか壊れないでくれよ」と祈るばかり。ソーカルの典型的な砂漠気候は、ジュークRにもきつくあたっているらしい。一周ごとにファンを使っての強制空冷……。
レーシングカーなんか、ナンボのもんじゃい

強大なパワーを受け止めるためのワイドタイヤを収めるためにフェンダーはグンと張り出して全幅は実に1910mmにもなる!!
同じコースに用意されたノーマルGT-Rはもちろんのこと、RのGT3でさえジュークRの漆黒のオーラを浴びて霞んでいた。少なくともボクにはそう見えた。レーシングカーなんか、ナンボのもんじゃい!!
想像を遙かに飛び越えた、強烈なインパクトに……!!

今回の試乗車は左ハンドルだったが、注文生産なので右ハンドル仕様も作ることができる。インパネにはGT-Rのスイッチが並んでいた
■想像を遙かに飛び越えた、強烈なインパクトに……!!いよいよ乗る番だ。軽いドアを開け、ロールケージをまたいでコックピットへと滑り込む。インテリアの仕上げに驚いた。GT-Rの主要な内装アイテム、メーターやモニター、デバイススイッチなどがジュークの、あのユニークなコックピットにきっちりときれいに収められていたのだ。それはGT-Rとして、筆者には見慣れた光景でもあった。逆に心が落ち着く。エンジンを掛け、気軽にDモードを選び、アクセルペダルに軽くちょんと右アシを載せてみれば……。ドドーン!! いや、バゴーン!! ちゃう、ガッツーン!! ううん、ズコーン!!……。いやはや、アノ、一瞬の加速をどう表現すりゃいいのやら。思わずアクセルペダルを緩めてしまい、隣のインストラクターから、踏め(プッシュ)!! と促されてしまったほどだ。気を取り直して徐々に速度を上げていく。加速フィールもライドフィールも、確かにGT-Rそのもの。だが、視線の高さと重量、密度感とがあいまって、いつなんどき飛びあがってしまい、そのまま空中分解してもおかしくないような気分に駆られた。地を這い路面に潜り込む……、のではなく、空を裂き、宙を貫く弾丸フィーリング。いやはや、コイツは、オソロシイ。
GT-Rの5倍の値段だけど、5倍以上目立てるぜぃ!!

エンジンはまさにR35GT-Rの3.8L、V6ツインターボ。2013年スペックで最高出力は545bhp(約552.5L)となる
■GT-Rの5倍の値段だけど、5倍以上目立てるぜぃ!!さすがにコーナリングでは、GT-Rのようにすべてをコントロールできるかのような安心感を与えてはくれなかった。密度が大きく、それなりに高さのある物体が、尋常ならざる速度で強引に曲がろうとするものだから、その完璧なコントロールはいかなGT-Rの優れた電子制御をもってしても難しい。飛ぶようにして幾つかのスラロームをクリアできたかと思いきや、最後の最後でオーバーラン。ずっと“プッシュ、プッシュ”と叫んでいた隣のインストラクターも、そこでようやくニヤリ。なるほど、これだけハイスピードでとっちらかってしまっても、少しのタイムロスで背の高いSUVスタイルを立て直す底力がコイツにはあるってわけか……。邦貨にして6500万円程度なら売るらしい。冗談で買える値段ではないけれど、冗談じゃなくGT-Rの5倍は目立つことは間違いない。同価格のアヴェンタドールよりも刺激的だ!!冷静になってジュークRを見れば、R35登場時にウワサされたSUV版や4ドア版の話を思い出す。RML&欧州日産の試みは、GT-Rユニットのフレクシビリティを証明している。