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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29
レクサスIS徹底研究!!
CHECK1クラウンよりもグンとスポーティIS300h

基本的にはクラウンに搭載されるパワーユニットと同じ。直4、2.5Lエンジン+モーターでJC08モード燃費=23.2km/Lをたたき出す
【本記事は2013年7月にベストカーに掲載された記事となります。】CHECK1クラウンよりもグンとスポーティIS300h最も売れ筋となるであろうハイブリッドユニット搭載のIS300h。直4、2.5Lエンジン+モーターというパワーユニットはクラウンと同じでエンジン出力(178ps/22.5kgm)、モーター出力(143ps/30.5kgm)ともに同じでJC08モード燃費も23.2km/Lでまったく同じ。ということで、当然のように走りの雰囲気も似ているのだろうと思ったらさにあらず!! 走り出してすぐに、ハッキリとわかるほどにクラウンよりも元気がいい!! まるで車重が軽くなったのでは!? と思うほどアクセル操作に対しクルマがリニアに反応し、小気味よくキビキビ走るのだ。
200~300cc排気量が大きくなったような印象

新型ISには2.5Lと3.5L2つのV6エンジンと直4、2.5L+モーターのハイブリッド、合計3タイプのパワーユニットが設定されている。
だけど調べてみるとIS300hの車重は1670kgでクラウンアスリートSハイブリッドの1660kgよりも10kg重たい。……ハテ!? とギア比を調べるとファイナル減速比はクラウン=2.97でIS300h=2.764でむしろISがハイギアード。ギア比を見ればむしろクラウンのほうが加速重視のセッティングだ。ますますわからなくなってきた。これはもう制御の違いということ。ISはファイナルをハイギアード化することで巡航時の燃費を稼ぎ、低中速域では逆にキビキビ走るようパワーコントロールをしているのだろう。感覚的には200~300cc排気量が大きくなったような印象だ。それでいて燃費はしっかりと「ハイブリッド基準」。JC08モードは先述のようにクラウンと同じ23.2km/L。約60分の試乗中、車載燃費計で数字を確認したが、街中主体の走りで14.5km/Lをマーク。同じような走り方でIS250は6.2km/L、IS350は5.7km/Lだったことを考えれば、燃費のよさは明確だ。
CHECK2スタンダードの安心感が魅力IS250

215ps/6400rpm、26.5kgm/3800rpmを発揮する2.5LのV6エンジン。6速ATが組み合わされる。ちょっと個性に乏しい印象だ
CHECK2スタンダードの安心感が魅力IS250ISのベーシックを担う250。エンジンは215ps/26.5kgmを発揮する2.5LのV6だ。ハイブリッドに続いて試乗すると、なんかホッとひと安心する感覚。エンジンの鼓動を感じつつ、アクセル操作に反応してエンジン回転が上下する感覚というのが「やっぱりこれでしょ!!」と心地よい。とはいえ、乗って走った印象は「必要にして充分」だけど「ちょっと個性が物足りないかな」というものでありました。V6エンジンはスムーズに吹け上がるしトルクの出方もスムーズなのでなんの不満もないのだが、「よくも悪くも印象に残らない」パワーユニット。6速ATのシフトフィールは滑らかでかなり力強く加速をさせてもシフトショックなどを感じることもないのだが、ISのようなスポーティサルーンだと「運転している実感」が欲しくなる。クラウンロイヤルだったらもちろんこれでいいのだが、ISだともうちょっと『荒さ』みたいなものがあってもいいかと思った。価格は標準グレードが420万円でFスポーツ/バージョンLが480万円。IS300hに対し60万円の価格差である。
CHECK3最もISらしいパッケージングIS350

ISらしく走らせるなら318ps/6400rpm、38.7kgm/4800rpmの3.5L、V6エンジンがいい。8速ATはロックアップ領域を拡大したタイプで「SPDS」と呼ばれる
CHECK3最もISらしいパッケージングIS350ISの最もISらしいモデルがIS350ということになろう。搭載されるV型6気筒3.5Lエンジンは最高出力318ps/6400rpm、最大トルク38.7kgm/4800rpmときわめてパワフル。「いまやダウンサイジング過給エンジンの時代でしょ!?」正直、試乗前はちょっと斜に構えていたことを白状しておこう。ベンツやBMWといった欧州のアッパーミドルクラスは軒並み2Lクラスの直4過給エンジンが中心にシフトしている。イマドキV6、3.5Lってのもないだろ!? という、いかにもギョウカイテキ思考である。だがしかし、乗って走れば自然と顔がほころんでくる。シャープに吹け上がるエンジンは回転の盛り上がりに呼応して吸気音が室内に心地よく響いてくる。「もっと回せ!!」と挑んでくるかのごときである。このエンジンに組み合わされる8速ATがまたいい。クラウンにも8ATが搭載されるのだが、IS350は「SPDS」と呼ばれる2速以上でのロックアップ領域を高めたスポーツタイプのATでベツモノ。ISFにも搭載されたダイレクトでスポーティなATを搭載する。マニュアルモードで変速すると、あたかも2ペダルデュアルクラッチMTのようにスピーディにまたダイレクトに小気味よくギアチェンジしてくれるので、3.5Lエンジンのパフォーマンスを気持ちよく引き出せるのだ。
スポーツ性能のFスポーツ

Fスポーツのインテリアは液晶式メーターパネルを採用。タコメーターと速度計がコンビになっていて、スイッチ操作で多様な表示をする。また、シート形状はスポーツタイプとなり心地よいホールド感
新型ISには標準仕様の他に特にスポーツ性能を重視した「Fスポーツ」が各モデルに設定されるが、IS350のFスポーツにのみ後輪ステアも統合制御されるLDHが装着される。LDHなしでも充分にシャシー性能の高さを実感できたが、LDH仕様だとよりいっそう高いスタビリティとシャープな操舵フィールを味わえる。