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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29
CHECK&TEST日産シルフィ走りはしっとり、静か
“ワンランク上”が合言葉

わずかにうねるキャラクターライン。落ち着きのなかに光る個性
【本記事は2013年2月にベストカーに掲載された記事となります。】セダン市場がにわかに活気づくなか、ブルーバードシルフィ改め“シルフィ”として生まれ再スタート。先代より65mm車幅が大きくなった3ナンバーサイズだが、「海外市場を見るより、ひとクラス上を目指すセダンを追求した結果です」(田川博英CPS)と、デザインにも快適性にも、そして走りにおいても“ワンランク上”が合言葉となっているのが新型シルフィだ。
走行性能もワンランク上を目指す

「シャープで立体感のあるデザイン」がテーマ。フロントの6連のランプが目力を発揮。リアはすっきりまとまっている
落ち着きと洗練を求めるスタイルは奇をてらったところはないが、ゆったりうねるようなキャラクターラインやライト下の6連LEDランプなど、セダン好きを引きつけるポイントも豊富。そして新開発の1.8Lエンジンを搭載。走行性能もワンランク上を目指す宣言する、シルフィの走りの感覚を松下宏氏に伝えてもらおう。
静粛性にこだわりあり

流れるような曲面で高級感あふれるインテリアデザイン。車内空間も実に落ち着きがある
■静粛性にこだわりあり新型となったシルフィは、’12年4月の北京ショーで発表されていながら日本では12月にやっと発売になるなど、クルマ以外の部分で文句を言いたいことがあるが、クルマそのものはオーソドックスなセダンとしてけっこうよくできたクルマだった。そのよさは走り出すとすぐにわかる。ほんの少しの距離を走っただけで、コンパクトカーとは異なるミドルセダンならではの走りの余裕や静粛性の高さ、乗り心地のよさなどが感じられるからだ。市街地ではエンジン音やほかのクルマの発する音などがうまく抑制されていて、車外と隔絶された感じの静かな室内空間が作られている。ひとクラス上のクルマに乗っているような気分にさせられる。静粛性や乗り心地は特に力を入れて開発した要素だそうで、静粛性についてはボンネット回りに入念な防音対策が施されていることなど、ユーザーが見てわかる部分もある。乗り心地は見てわかるものではないが、これもけっこういい。マンホールや路面が荒れた部分など、条件の悪いシーンでも足回りがしっかり仕事をしている感じがあり、ショックをいなして快適な乗り心地を確保している。ミドルセダンとしては最良のレベルにあると思う。高速道路でのレーンチェンジの落ち着きのよさなども含め、シルフィの足回りは質感の高さを感じさせるものだった。
改良型のMRA8DEエンジンはまずまず

新開発、1.8LのMRA8DEエンジン搭載!:MR18DEエンジンをベースにロングストローク化など最善に改良された新型エンジン
改良型のMRA8DEエンジンの走りもまずまず。吹き上がりの滑らかさは上々だし、トルク感についても文句はない。が、そのわりに走りの気持ちよさという点で物足りなさがあったのはダイレクト感に欠けるCVTとの組み合わせのためだ。シルフィの性格に合うかどうかは別として、マニュアルモードを備えたCVTだったら、また印象が変わっただろう。ECOモードボタンやエコペダルガイドなどが装備されているものの、アイドリングストップ機構の設定はなく、そのためか燃費が15.6km/Lにとどまるのはもうひとつの大きな物足りないポイント。今どきのクルマはエコカー減税に適合していないようではいけない。無理して適合させたために走りや実用燃費がスポイルされるクルマもあるので単純ではないが、多くのユーザーはエコカー減税対象車のなかから選んでいるので、次の改良時にはポイントになるだろう。