中古車購入
更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29
日産リーフはマイチェンでどのくらい進化したのか
充電スポットの空き情報を検索する
充電ポイントはリストだけでなく、空き状況までリアルタイムに表示される優れモノ
【本記事は2013年1月にベストカーに掲載された記事となります。】リーフがデビュー以来初のメジャーアップデートを行なった。改良のテーマは何はともあれ航続距離の延伸だ。従来モデルで200kmだったJC08モード航続距離を228kmに延長。フィットEVから国産EVトップの座を奪還している(このへんは意地ですね)。盛り込まれた改良ポイントはかなり多岐にわたる。レアアース使用量を削減した新型モーターをインバーター/コントローラー系と一体化したパワートレーン、ヒートポンプ式ヒーターの採用、回生ブレーキ制御の見直し、キャビンの断熱性向上、80kgに及ぶ軽量化など、キメ細かくエネルギー効率を改善。日常の使い勝手を左右するEV-IT機能についても、航続距離より遠い目的地を指定すると充電ポイントを経由したルートを引いてくれるし、山坂を避けて節電ベストのルートを選んだり、充電スポットの空き情報を検索したり、こちらもさらに便利になっている。
バッテリー
小型化した充電器をフロントに移動させ、ラゲッジ容量を330Lから370Lに拡大。充電口を開けるとライトアップされる。17インチアルミはGに採用
バッテリー本体については、構造の合理化/軽量化のみで、24kWhという容量を含めて変更なしというのが公式コメント。ただ、どのくらい深い充放電ステートまで利用しているのか、そのあたりの制御の変更については不明。量産化が進んでフィールドデータが集まってくることで、バッテリーをよりディープに使う方向で進化するのはあり得るシナリオ。リーフのバッテリーにはまだかなり安全マージンがあるんじゃないかと。こういった改良を施したうえに、新たに廉価版のSグレードを設定。このSグレードはナビもヒートポンプ暖房も省略されたフリート向けなのだが、クリーンカー補助金を利用すると実質250万円以下で購入でき、プリウスPHVのベーシック版より10万円安いというのがミソ。ちなみに、マイチェンまでは、最も安いグレード(といっても2つしかない)で補助金を受けて298万円だった。
「ECO」スイッチ
ECOスイッチは発想を変えればオモシロいアイテム! 基本的にECOモードで走行するリーフだが、オフにするとオーバーテイクボタンのような気持ちいい加速を見せる
走りっぷりについては、正直いって大きな変化はない。ドライブモードセレクターにBレンジが追加されたとか、パーキングブレーキが足踏み式に変わったとか、ECOモードのスイッチがステアリング上に移動したとか、細かいインターフェイスの変更はあるものの、走り出せばこれまでのリーフとまったく同様。力強いトルク感、重厚な乗り心地、圧倒的な静粛性など、普通のクルマとはひと味違うEVならではの個性的なドライバビリティが味わえる。今回ちょっと面白かったのはECOスイッチの使い勝手だ。航続距離のことを考えて普段はもちろんECOモードで走ってるわけだが、ちょっとした追い越しをかけるときなど、ステアリング上の「ECO」スイッチをピッと押すと、ギューンと力強い加速が堪能できる。EVはデフォルトがECOなんだから、このスイッチはむしろオーバーテイクボタン(あるいはKERSボタン)と考えると楽しいんじゃないでしょうか。てな感じで電費のことなぞ気にせずガンガン走っていたら、50kmほど走ったところでバッテリー残量表示は60%台に。電費計表示は6.5km/ kWhと、あまりエアコンを使ってないわりにイマイチな数字が出ている。航続距離はカタログ上で17%伸びているが、実際には走り方や気温などでこの数字は大きく変動。新旧リーフの差は国沢センセイみたいに自分でリーフを買って乗ってる人でないと正確にはわからないけど、今回のようにぜんぜんエコじゃない走りをしても100km以上走れることは間違いない。ソレはソレで充分たいしたもんだと思います。リーフは量産EVの最先端を突っ走っているだけに、周辺技術の進歩でまだ伸びシロがたくさんある。この調子でいけば5年後くらいには実用航続距離200kmに届くかもしれないし、そうなったらもっと多くの人が真剣に購入を検討するでしょう。まだまだ地面から芽吹いたばかりの葉っぱ(リーフ)なんだから、長~い目で見て育ててあげたいクルマだと思いました。