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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.29

N-ONEワゴンRもビックリ! まるでフルチェンジ、ダイハツ ムーヴびっくり大進化!!

軽自動車の進化が止まらない

【本記事は2013年1月にベストカーに掲載された記事となります。】軽自動車の進化が止まらない。ダイハツが、徹底的な軽量化と燃焼効率の改善によりJC08モード燃費30.0km/Lという驚異の燃費をたたき出し、「第3のエコカー」のキャッチフレーズでミライースを世に送り出したのが2011年9月、わずか1年4カ月前のことである。軽量化や効率改善という、いってみれば正攻法のイーステクノロジーは、業界に大きなインパクトを与えた。スズキは、燃費スペシャルのアルトエコ投入に続き、主力であるワゴンRのモデルチェンジで減速エネルギー回生システム「エネチャージ」を搭載、JC08燃費28.8km/Lを達成している。軽自動車での失地回復に意欲を燃やすホンダは、ブランニューモデルNシリーズをリリース。独自のスペース効率の高いパッケージングは好評で、さらに往年の名車をデザインモチーフにしたN-ONEをラインアップ、販売台数アップを実現した。VWのスモールカーup! も注目車だ。衝突回避・低減ブレーキシステムの「シティエマージェンシーブレーキ」を日本仕様の全グレードに標準装備するなど、高い安全性をアピールして日本に上陸した。こうした競争激化のなか、大本命のムーヴが、いよいよベールを脱いだ。ライバルたちの燃費も、デザインも、安全性もまとめて凌駕、さらに低価格まで成し遂げている。これに驚かないわけはない。その驚きの新型ムーヴをチェックしてみよう。

進化版イーステクノロジーで燃費が大幅向上!

エンジンはイーステクノロジーを注入されたKF型を踏襲。シリンダー別に点火タイミングを制御して燃費を向上させている

エンジンはイーステクノロジーを注入されたKF型を踏襲。シリンダー別に点火タイミングを制御して燃費を向上させている

進化版イーステクノロジーで燃費が大幅向上!「その進化は事件だ」ムーヴのマイナーチェンジを前に、ダイハツが仕掛けたテレビのティザーCMが話題になっていた。法廷で熱弁をふるう弁護士に答えるかのように、鳥がクルマを包んでいたベールをくわえて飛び立つ。すると、ニューカーの一部が見える。じらされた消費者の前に登場した新型ムーヴは、期待を裏切らない数々の進化を見せているが、最大のポイントは、やはり燃費だろう。ダイハツの誇るイーステクノロジー、それを進化させた第2弾は熱のコントロール、「サーモ(熱)マネジメント」だった。クルマの燃費は、今や自動車メーカーにとって避けて通れない最重要事項。なにしろ、燃費のよし悪しがダイレクトに販売に影響するほどだ。そして、燃費向上に重要な役割を果たすのがCVTであることは、もはや常識になっている。ただ、CVTオイルは、エンジンオイルなどに比べると温まるのに時間がかかる。冷えたCVTオイルで走ると、エンジンに大きな負荷がかかり、燃費を悪くする。そこで新型ムーヴは、「CVTサーモコントローラー」なるものを搭載した。エンジンを冷やした冷却水の熱を利用してCVTオイルを温め、逆にCVTを温めて冷えた冷却水でエンジンを冷却する。効果的な熱交換を行なうことでエンジン、CVTともに最適な温度でキープする。なんと見事なサーモマネジメントだろうか。新型ムーヴは、マイチェン前よりJC08燃費が2.0km/L向上しているが、そのうち概ね1.5km/Lがこのサーモマネジメントでの向上。さらに、CVTオイルの低粘度化、変速ギアのハイギア化といったパワートレーンの改良と、後述するフロントデザインの改良やローダウン化による空力性能のアップなども燃費改善に寄与している。また、忘れてならないのが「エコアイドル」、アイドリングストップだ。減速時に7km/h以下になるとエンジンが停止する画期的なシステムも進化、停止速度が9km/hとなった。さまざまな燃費改善策を合わせて人気のN-ONEやワゴンRなどライバルを上回る好燃費である。

スッキリ顔ムーヴカスタムは存在感価格も魅力的だ

スタンダードなムーヴ。リアコンビネーションランプは赤を採用。インテリアはシックだが明るい色調でまとめられている。細いピラーによる視認性のよさも継承している

スタンダードなムーヴ。リアコンビネーションランプは赤を採用。インテリアはシックだが明るい色調でまとめられている。細いピラーによる視認性のよさも継承している

スッキリ顔ムーヴカスタムは存在感価格も魅力的だ今回のマイチェンで、ムーヴのグレード体系が一部変更となる。ムーヴは、これまでベーシックのL、上級のX、最上級のX“Limited”の3グレードだったが、新型ではX“Limited”を廃止、2グレードとなる。いっぽう、ムーヴカスタムは、従来どおりXとX“Limited”、それにターボ仕様のRSという3グレード展開で変化はない。それぞれに2WD、4WDをラインアップするのも従来どおりだが、新型で注目されるスマートアシスト(詳細は次ページ)は、オプションではなく名称の後ろに“SA”を付けたグレードとしての展開となる。さて、今回のムーヴのマイチェンには、驚かされることが目白押しだが、デザインの変更にもビックリ。マイチェンではあるが、フロントデザインを大幅に変更し、リアのコンビネーションランプのLEDが、前モデルの4灯から20灯へとグレードアップされるなどアグレッシブに手が入れられた。LED20連のリアランプは、見栄えも安全性も向上するアイテムだ。

フロント

そしてフロント。ムーヴはシンプルでスマートで安心感を印象付けるデザイン。いっぽうのムーヴカスタムは、スポーティさを前面に押し出すとともに、存在感やプレミアム感を与えるデザインとなった。

注目ポイントのローダウン

もうひとつの注目ポイントがローダウン。前モデルに比べ全長、全幅はそのままにNAの全高を1635mmから1620mmへと下げている。ターボ仕様と同寸に統一されたのだ。これに合わせて、NAの最低地上高もやはり前のターボ車と同じ2WDが150mm、4WD145mmに下げられている。車高が高くなるいっぽうだった軽自動車の流れに逆行するが、ローダウン化の分岐点になるかもしれない。ただし、全高が下がっても室内高は従来と変更ない。むしろ、全長は変わらずに室内長は前モデルより55mm延びて2130mmとなって使いやすさもランクアップだ。

価格も強調したい点

エアロバンパーやリアルーフエンドスポイラーなどを装備する精悍なデザインのムーヴカスタム。リアコンビランプはクリア。インテリアはブラック基調を採用、ステアリングは「MOMO」だ

エアロバンパーやリアルーフエンドスポイラーなどを装備する精悍なデザインのムーヴカスタム。リアコンビランプはクリア。インテリアはブラック基調を採用、ステアリングは「MOMO」だ

価格も新型ムーヴで強調したい点だ。同じグレードの新旧を比較してみると、ムーヴの廉価バージョンLは、前モデルに比べ5万円値下げの107万円、Xも2万円下がっている。ムーヴカスタムでは、Xが1万円、RSはなんと6万円も下がっている。装備内容などを比べないと正確な損得比較はできないが、絶対価格が安くなるというのは買いやすくなるということで、朗報に違いない。燃費だけじゃない5万円で買える安全装備の数々お待たせしました。軽自動車初の衝突回避支援システム「スマートアシスト」。これも、新型ムーヴの注目のアイテムで気になる存在でしょう。スバルのアイサイトが代表的な衝突軽減ブレーキは、ボルボやVW up! がテレビCMで取り上げたこともあり、急速に認知されつつある最新テクノロジーだ。特に、up! は低価格なスモールカーなのに日本仕様の全グレードに標準装備したことで、一気に注目された。

先進の安全性をまとめてパッケージ化

レーザーレーダーはフロントグリル内に設置されている。写真はレーザー機能のイメージだ

レーザーレーダーはフロントグリル内に設置されている。写真はレーザー機能のイメージだ

新型ムーヴは、この衝突軽減ブレーキを含む先進の安全性をまとめてパッケージ化、しかも低価格で実現している。システムは、レーザーレーダー式で、フロントグリル内に設置したレーダーで前方のクルマや障害物を認識、ぶつかりそうになったらブザーとメーター内のインジケータ表示で警告を発し、それでもブレーキも踏まなきゃハンドルも切らないと自動でブレーキがかかる。時速30km以下で作動するよう設定することでコストを抑えた点が特徴である。

誤発進を抑制機能

誤発進抑制制御機能

誤発進抑制制御機能

ちなみに、時速30km以下での作動はup! と同じだが、スマートアシストには、駐車場などでブレーキとアクセルを踏み間違えたような誤発進を抑制する機能、交差点の信号待ちでよそ見していて先行車が発進したのに気付かなかった時のお知らせ機能も付いている。ムーヴの先進機能は優秀だ。さらに、スマートアシストには、横滑り防止装置VSC、トラクションコントロールTRCもパッケージされている。これだけの安全装備を揃えて、価格はベース車の5万円アップ(Lのみ6万円アップだが、運転席シートリフターとチルトステアリングも装備される)という、ムチャクチャお安い価格設定。軽自動車は、燃費も重要だけど安全性を忘れてはいけない。新型ムーヴでダイハツが発したメッセージは時代を変えるかもしれない。

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グーネットマガジン編集部

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1977年の中古車情報誌GOOの創刊以来、中古車関連記事・最新ニュース・人気車の試乗インプレなど様々な記事を制作している、中古車に関してのプロ集団です。
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また、最新情報としてトヨタなどのメーカー発表やBMWなどの海外メーカーのプレス発表を翻訳してお届けします。
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