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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30
ここまでやるかぁ、ワゴンR &ワゴンRスティングレー!
新型ワゴンRの登場により軽自動車のスタンダードがまたまた大きく引き上げられた!

新型ワゴンRはNAもターボも、FFも4WDもみ~んなエコカー減税で免税! これはかけ値なしに凄い! 従来どおり標準タイプとワイルドなスティングレーをラインアップ 標準タイプとスティングレーの構成は旧型と同じ。標準タイプはNAエンジンのみだが、スティングレーはNAとターボの両方が設定されていて選択可能
【本記事は2012年10月にベストカーに掲載された記事となります。】新型ワゴンRの登場により軽自動車のスタンダードがまたまた大きく引き上げられた!’93年9月にハイトワゴン系軽自動車のパイオニアとして初代が登場して以来、ベストセラー軽自動車に君臨するワゴンRがフルモデルチェンジ。ワゴンRの歴代モデルはキッチリ5年でフルモデルチェンジしてきたが、5代目となる現行モデルは先代から4年、つまり通常よりも1年前倒しで刷新された。新型ワゴンRの開発コンセプトは、“軽ワゴン低燃費ナンバーワンの新世代エコカー”というもので、それを達成するために、常識を打破する改良を加えている。まさに、“ここまでやるかぁ”、というレベルなのだ。それでは個別に見ていく。
エクステリアデザイン

フロントと同様にリアデザインも旧型を踏襲するが、このアングルだと新型ワゴンRのデザイン上のポイントである力強い造形のCピラーが強調される。ホイールベースは25mm延長されている
■エクステリアデザイン上の写真を見てもらいたい。新型2台を並べて写真撮影したわけではない。写真右側が新型、左側が旧型なのだ。“エッ、ホントにフルモデルチェンジ?”という感じに映るかもしれないが、角を強調した直線的で四角いボディ形状、前傾ルーフ、キャビンとボディの一体感という、歴代のワゴンRが持つワゴンRらしさをさらに追求した結果がこの新型のデザインだと、スズキサイドでは主張。ボンネット、ベルトライン、ドアサッシュライン、Cピラーなど、個別に見ると明らかに別物。売れているクルマ、ブランドを確立しているクルマのフルモデルチェンジの常套手段で、安心感にはつながるが、新鮮味には欠ける。ただし、実車を見ると、質感は大幅アップ。
ボディサイズ

フロントと同様にリアデザインも旧型を踏襲するが、このアングルだと新型ワゴンRのデザイン上のポイントである力強い造形のCピラーが強調される。ホイールベースは25mm延長されている
■ボディサイズ軽規格いっぱいの全長3395×全幅1475mmは旧型と同じだが、全高は標準モデルで1640mm(旧型比マイナス20mm)、スティングレーで1660mm(同マイナス15mm)。ホイールベースは旧型より25mm延長した2425mm。そして注目は車重。徹底した軽量化は新型ワゴンRのセールスポイントで、ボディをはじめ、エンジン、足回り、内装部品など車両全体にわたり軽量化した結果、最大70kg! FXリミテッドは軽のハイトワゴンで最軽量を実現させているのは凄い。
グレード構成

新型ワゴンRは標準、スティングレーの全グレードでエコカー減税の免税となる。4WDターボも免税というのは凄い。この徹底した燃費性能の追求には恐れ入る。これはユーザーにとって購入時、大きなセールスポイントとなるのは間違いない
■グレード構成前作同様に、標準タイプとスポーティでワイルドなスティングレーを設定。標準タイプはFXとFXリミテッドでNAエンジンのみ、スティングレーはNAとターボの2本立てで、NAがX、ターボがTとなる。
エンジン

NAエンジンは52ps/6.4kgmのスペック。JC08モード燃費は27.8~28.8km/Lと軽ワゴントップ
■エンジンNA、ターボとも排気量は658ccで、NAは52ps/6.4kgm、ターボは64ps/9.7kgmのスペック。トランスミッションは旧型は5MT、4AT、CVTをモデルにより設定してきたが、新型では全車CVT。そして、3つの軽自動車初の先進技術で低燃費を実現。(1)エネチャージリチウムイオンバッテリーと高出力オルタネーター(通常の軽自動車の2倍の発電力)を併用したスズキ独自の減速エネルギー回生システム。なんと、新型ワゴンRには、全車軽量コンパクトなリチウムイオンバッテリーが搭載されていて(助手席シート下)、オルタネーターの常時発電が不要になったため、低燃費を実現、加速性能も向上。(2)新アイドリングストップ停車前の減速時に13km/h以下でエンジンが自動停止。アイドリングストップの頻度も高められていて低燃費に貢献。スムーズな再始動も進化の証。(3)エコクール蓄冷材内蔵エバポレーターを採用することで、アイドリングストップ中も冷風を室内に送ることが可能。同時に、エンジン再始動時期を遅らせてアイドリングストップ時間を長くすることで低燃費に貢献。
ターボエンジン

ターボエンジンは64ps/9.7kgmのスペック。JC08モード燃費は25.0~26.8km/Lでこちらもトップ
(1)~(3)の軽自動車初となる秘密兵器により、JC08モード燃費はNAのFFが28.8km/L、4WDが27.8km/L、ターボのFFが26.8km/L、4WDが25.0km/Lという軽ワゴンナンバーワンの燃費性能を実現することに成功。驚くことに、新型ワゴンRは、エコカー減税において全車免税となるのだ。4WDターボまで免税とは恐れ入る。
インテリア

運転席のシートは、上方向40mm、前方向51mmの調整が可能。シートスライドも24段階あるので、最適なシートポジションが得られる
■インテリアインパネからドアトリムまで連続性を持たせた一体感のあるデザインで、広々感を演出すると同時に使い勝手も考慮。シートは上方向40mm、前方向51mmの調整量を持つレバー式運転席シートリフター、24段階に調整できるシートスライドの採用で細かなシート調整が可能。リアシートは160mmのスライドが可能だから使い勝手、快適性に大きく貢献。フルフラットや助手席を前に倒して広く使うことができる多彩なシートアレンジは旧型を踏襲。
パドルシフトはスティングレーの専用装備

スティングレー:インテリアは大幅に質感アップしている! 左が標準タイプ、右がスティングレーのインパネ。基本的なデザインは同じだが、素材、カラー、加飾で差別化されている。インパネからドアトリムまで一体感を持たせるデザインとすることで左右方向の広々感を演出。スティングレーにはより走りを楽しめるようにパドルシフトが専用装備される
標準タイプとスティングレーは基本的デザインは同じながら、素材、カラー、加飾で差別化されている。パドルシフトはスティングレーの専用装備。
パッケージング

リチウムイオンバッテリーを搭載 新型ワゴンRの最大の秘密兵器がエネチャージで、リチウムイオンバッテリーを搭載。リチウムイオンバッテリーは電気を出し入れする性能に優れているので、バッテリー残量が少なくなった時のみ燃料を使用する発電を行なう。これによりオルタネーターの常時発電が不要となるため、低燃費と同時に加速性能もアップしている。 それにしても現時点では量産効果が出ていなくて高価なリチウムイオンバッテリーを安さが売りの軽自動車に搭載してきたのにはBCも驚かされた。それ以上にライバルメーカーは脅威に感じているハズ。 ワゴンRはリチウムイオンバッテリーにより、電気の出し入れを行なうが、動力源として使っていないのでハイブリッドカーには分類されない。
■パッケージング新型は旧型に対しホイールベースを25mm延長していて、そのぶんをそのまま前後乗者間距離の拡大にあてている(1000mm)。室内長は、旧型よりも115mmも長くなっている。前述のとおり、リアシートが160mmスライドするので、ラゲッジの使い勝手もいい。初代から好評の助手席シートアンダーボックス(この下にリチウムイオンバッテリーを搭載)をはじめ、豊富な収納スペース、ポケット類もワゴンRの人気の要因のひとつで、新型でもその点は抜かりなし。
ボディカラー・価格

エアコンも秘密兵器 アイドリングストップするとエアコンのコンプレッサーも停止するため、ノーマルのエアコンでは冷気もストップ。しかし、新型ワゴンRに搭載されたエコクールは、蓄冷材内蔵のエバポレーターを採用することにより、アイドリングストップ時でも冷気をおくることが可能。しかも、アイドリングストップ時間を延ばすことができるので、燃費の向上にも大きく貢献。 軽自動車として初採用で、低燃費と快適性を追求したスズキの本気が伝わってくる。
■ボディカラー全部で9色が設定され、新色はフィズブルーパールメタリックとイノセントピンクパールメタリックの2色。パールホワイトとミステリアスバイオレットパールの2色は有料色で、それぞれ2万1000円高。■価格価格は標準タイプが110万9850~136万7100円、スティングレーが133万3500~161万3850円となっている。単純比較はできないが、旧型の同じグレードに対し3万~8万円価格設定は上がっている。性能、装備内容を考えればよくこの価格に抑えたと感心するが、軽自動車は価格がキモなだけに、今後の動向を注目したい。