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更新日:2019.01.06 / 掲載日:2017.11.30
発売熱望! GRMNスポーツハイブリッドコンセプトII
ガズーレーシングのクルマ作りがいよいよ本格的に

ローギアードされたデフとクロスミッションの6MTのおかげで走りは痛快そのものだ
【本記事は2012年4月にベストカーに掲載された記事となります。】iQスーパーチャージャーの市販化が決定しガズーレーシングのクルマ作りがいよいよ本格的になってきた。クルマファンにとって、次は何か? と気になるところだろう。ワシが期待したいのは’10年のオートサロンで発表され、’11年のオートサロンではIIに進化したスポーツハイブリッドコンセプトだ。インテリア、エクステリアに関しては市販されてもおかしくない仕上がりで、あとは豊田章男社長のゴーサインを待つだけだといってもいい。
ハイブリッドシステムを前後逆にしてミドにマウント

インテリアの雰囲気もスポーツカーらしくシンプルで好感が持てる ハイブリッドシステムはRX450hのものだが600kgも軽いため、パワフルかつスムーズ。地面をはうような独特の走りを見せる
そうなると気になるのは走りだ。発表されているデータをチェックすれば「こいつはハンパじゃない」と気づくはず。なにしろパワーユニットが強力。レクサスのRX450hのハイブリッドシステムを前後逆にしてミドにマウントしている。つまりミドシップ4WDなのだ。全長×全幅×全高は4350×1890×1200mmのワイド&ローのボディ。車重も1500kg以下と相当に軽いボディにシステム出力300psオーバー(公表数値は299psだが、これは控え目)は魅力一杯。ばーんと張り出したオーバーフェンダー内にはフロント225/40R19、リア255/35R19の大径タイヤが収まっている。このスペックはフェラーリ360やランボルギーニガヤルドのオープンモデルと比べても遜色のないもの。まあどっちがいいかはともかく、そのハンドリングが気になる。
全開走行可能なのに?!

どこのスポーツカーにも似ていないスタイル、いいぞ!! ミドシップならではのグラマラスなお尻もこのクルマの魅力
なんとか走らせてみたい。ウズウズするぞ。しかし、チョイ乗り程度しかさせてくれない。全開走行可能なのにケチ!しかし、ワシは前のプロトに乗ったことがあった。ベースはMR-Sでこいつに3.3Lハリアーシリーズのハリアーハイブリッドのパワートレーンが逆転して搭載してあった。アルミで加工されたオーバーフェンダーやブラックに塗装されたボディがハンドメイドを感じさせ生々しく今も印象に残っておる。いや走ると驚いた。なんとほとんど完成車レベルにあったからだ。亡くなった成瀬さんに「遠慮せんで走っていいぞ」と言われつい本気でアクセルを踏んでしまったが、その豪快な加速とダイレクトなハンドリングに思わず興奮してしまった。オープンとは思えないがっしりしたボディと強靭でしなやかなサスペンションもすばらしかった。手作りといっていい試作車、それもハイブリッド4WDのミドシップをここまで仕上げてくるとは、正直驚いた。そして成瀬さんはトヨタ時代の先輩だっただけにうれしかった。
ハイブリッドスポーツを世に問うことは必要

iQスーパーチャージャーとレーシングカーの2ショット
初代プロトの走りからさらにパワフルになり、ボディやサスペンションの完成度も高められているコンセプトIIの走りがすばらしいことは自明のこと。エンジン出力249psでリアを駆動し、68psのフロントモーターでアシストする4WDはトラクションも良好、安定感のある走りが味わえるはず。しかも車重が1500kg以下となれば、加速は強烈以外の何ものでもない。ハンドリングを含め乗り味については、成瀬氏が鍛え上げたメンバーが目標を定め、味付けしているから心配ない。ウーン!! 期待せずにはいられない。スポーツ車両統括部の金森信明技範は「まだあきらめていません。市販化に努力してます。でも技術者が俺一人だから……」と微妙なコメントだったが、ハイブリッドスポーツを世に問うことは必要だと思う。それも本格的なミドシップ4WDとなれば、トヨタブランドを代表するイメージリーダーになることができるはずだ。
I LOVE CARS クルマの楽しさを広げるため

昨年のニュルブルクリンク24時間耐久レースを走ったLFA
トヨタの組織が変わったゾ I LOVE CARS クルマの楽しさを広げるために邁進!!今年1月1日付けでトヨタのモータースポーツ組織が再編されたので概要をお伝えしたい。これまでの「モータースポーツ推進室」の業務を(A)トヨタモータースポーツ部(見るモータースポーツ)(B)ガズーレーシング活動(参加するモータースポーツ)に2分割。(A)のモータースポーツ部はスーパーGT、フォーミュラニッポン、WEC等の国際レース参戦を担当。(B)のガズーレーシング活動はガズー推進室が担当し、ニュルブルクリンク挑戦のほか国内モータースポーツを統括して盛り上げを図る重要な役を担う。モータースポーツ活動だけではない。iQスーパーチャージャーを開発しているのも、このガズー推進室で、“もっといいクルマ作り”や“クルマ好きを増やす”ための種々の活動をしていくことになっている。豊田章男社長の直属グループとして、時には自動車メーカー間の垣根を外してしまうといった大胆&スピーディな活動が期待されている。