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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30
ミドルクラスセダンのお手本が7年ぶりにモデルチェンジ 3つの個性の新BMW3シリーズ
3シリーズの注目点は、新型ガソリンターボエンジンの搭載

日本仕様は、機械式立体駐車場を考慮し、ドアハンドルのデザインを日本専用設計にして全幅を先代モデルと同様の1800mmとしている
【本記事は2012年3月にベストカーに掲載された記事となります。】作年10月にドイツで公開された新型3シリーズが、1月30日に日本でも発表された。目つきはさらに鋭くなった。怖いくらいだ。今回、7年ぶりのフルモデルチェンジとなったF30型3シリーズの注目点は、新型ガソリンターボエンジンの搭載だ。発表されたグレードは328iだが、搭載されるのは2Lツインパワーターボエンジン。いわゆるBMW流儀のダウンサイジングエンジンだが、245psのパワー、35.7kgmという大きなトルクを発生させながら、先代の325iに搭載されていた3L NAエンジンよりも24%の燃費向上を果たしている。JC08モード燃費で15.2km/L、10・15モード燃費で15.6km/Lという性能と4つ★レベルの低排出ガスにより、全車がエコカー減税75%の対象車となっている。 もちろん、新しいエコカー補助金にも対応する予定で、来年度から実施予定の新しいエコカー減税にも対応する予定だというからうれしい。
ボディサイズ

1975年に初代がデビューしてからモデルチェンジごとにボディサイズが大型化。全長4625×全幅1800×全高1440mm、ホイールベースが2810mm。先代E90型に比べ全長が85mm長く、全幅が同じ、全高が15mm高い
ボディサイズは全長4625×全幅1800×全高1440mm、ホイールベースが2810mmで、先代E90型に比べると全長が85mm長く、全高が15mm高い。全幅は先代と同じ1800mm。これは、日本向け専用のドアハンドルの採用によって実現。また、新型3シリーズはデザインラインを導入し、「スポーツ」「モダン」「ラグジュアリー」といった3つのバリエーションからデザインを選べる。BMW328iの日本発表に先立ち、欧州仕様の328iに試乗した日下部保雄氏に、新型BMW328iが従来のBMW325iに比べてどの程度進化したかを語ってもらった。
日下部保雄チェック!!

BMW328i Sport:Sportはエクステリアではブラックアウト/クローム仕上げのキドニーグリル、専用のフロントエプロン、8×18インチ+225/45 R18タイヤを装備。インテリアはグレーのステッチとアクセントをあしらったトラッククロスのスポーツシート、レッドステッチが入ったマルチファンクションスポーツレザーステアリング、レッドのリングとスケールが付いたスピードメーターとタコメーターを採用しスポーツムード満点 586万円
日下部保雄チェック!!新しい3シリーズは、「スポーツ」「モダン」「ラグジュアリー」の3つのデザインラインが選択できるようになった。エクステリアにキャラクターを与え、インテリアの仕様が選べるというものだ。「スポーツ」は従来からあるBMWらしい仕立てのデザインで、赤いスティッチをあしらったハンドルや赤いラインのトリムによって、名前のとおりスポーティにまとめられている。
個性的なモダン

BMW328i Modern:現代的なデザインセンスのModern。パネルにはパールグロスやファインラインピュアテクスチャーウッド、ブラッシュドアルミトリムなどモダンで、マルチファンクションステアリングやインパネ上部、メーターパネルにはダークオイスター仕上げで上質さを演出。キドニーグリルはクローム、Modern専用のフロントエプロンとリアスカートを装備。足元は8×18インチのタービンホイール、225/45 R18タイヤ 586万円
個性的なのが「モダン」で、クロスとレザーのコンビネーションシートなどを使って、これまでのBMWになかったおもしろい配色やディテールが採用されている。
贅沢な演出のラグジュアリー

BMW328i Luxury:全体的にエレガントな雰囲気でまとめられているLuxury。アンバーのクロスシートが標準装備だがオプションでサドルブラウン/ヴィネトベージュ/ブラックのダコタレザーが選べる。エアコンとオーディオシステムのコントロールパネル周囲にはクローム仕上げのフレームと奢られている。エクステリアではクロームのキドニーグリル、Luxury専用のフロントエプロンとリアスカート、8×18、225/45 R18タイヤを装備 586万円
そして「ラグジュアリー」は木目トリムなどを使って、その名のとおり、贅沢な演出が施されている。これまでのBMWは、よくいえばスポーティ、悪くいえば安っぽい部分がインテリアにあったが、新しいデザイントリムの採用によって、その苦手な部分をカバーしたといえる。
2Lターボによる走り

BMWは日本市場にもディーゼルエンジンの投入を明言! 年内には、3シリーズのディーゼルに加えて、X5などの導入も予定されている
■2Lターボによる走りやはり注目は、新しい直4、2Lのツインパワーターボエンジン。1250~4800rpmという広い回転域で最大トルクの35.7kgmを発生する。それだけに先代325iの直6、3L NAエンジンに比べるとパワーは大きく進化している。しかし、直6エンジンの持っていた、BMWらしい気持ちのいいフィーリングは、失われてしまっているのが残念だ。先代325iに対して13%の出力向上、30%のトルク向上を果たしながら、燃費を24%向上させたエンジンには、アイドリングストップが装着される。日本車のミライースのように、低速走行の状態で止まるほど微妙なセッティングにはなっていないが、効果的にエンジンを停止させてくれる。装着されているドライビングパフォーマンスコントロールで「スポーツ」「コンフォート」「ECO PRO」といったモードが選択できる。「スポーツ」にすると、フルにパワーが発揮でき、アクセルレスポンスもよく、峠やサーキットでの走りに適している。「コンフォート」にすると、アクセルレスポンスが鈍くなるので、パワーの出が穏やかになり、燃費もよくなる。また、足回りも柔らかくなって乗り心地が向上する。「ECO PRO」モードは、その名のとおりエコ性能を追求したモードで、最大20%の燃費を改善できるとされている。パワーを制限するばかりか、エアコンの制御までコントロールして、徹底して燃費優先になる。しかし、ちょっとやり過ぎなところがあり、試乗中に「ECOPRO」にしたところ、窓が曇ってしまった。普段は「コンフォート」にしておけば問題ないだろう。
乗り心地や快適性も進化

50mmホイールベースが拡大されたぶん、後席の居住性が向上。後席の足元スペースは15mm拡大され、ゆとりある室内空間を実現。40:20:40の分割可倒式で長尺物を積むのにも便利
■乗り心地や快適性も進化これまでの3シリーズもボディ剛性は高かったが、新型ではさらにレベルアップ。これによってゴツゴツした乗り心地は姿を消し、フラットな乗り心地を実現した。また、ホイールベースが先代より50mm延びたことで、リアシートのニースペースも15mm広がり、車内の快適性も向上した。このシャシー性能の進化で、ハンドリングにおけるスタビリティは大きく向上。限界域でのトラクションコントロールの制御も絶妙だが、あまりにもスタビリティが高いので、限界で振り回すおもしろさは減ってしまっているともいえる。新型3シリーズは、すべてが正常進化したといえるだろう。日下部氏の評価では、先代の325iに比べて、ほとんどの項目が上回っているが、その進化ゆえに楽しさの部分が少し減ってしまっているようだ。春には、328iのエンジンをデチューンして、さらに燃費を向上させた320iが追加されるので楽しみだ。尚、新型3シリーズの納車は、2月中旬以降となる予定だ。