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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.11.30
トヨタ86の使命は復権!
注目86スポーツカーカルチャー構想とは

フォトカルチャー86SHOOTING CURVE
【本記事は2012年3月にベストカーに掲載された記事となります。】注目86スポーツカーカルチャー構想とは86誕生を機にトヨタはスポーツカーカルチャーを育てるという大きな目標に向かって7つのユニークなプランを明らかにしている。例えば愛車86の走りの写真をとってもらえる86SHOOTING CURVEや世界中の86ファンと語り合える86ソサエティ、86好きのたまり場AREA86の展開など、これまでになかった身近で具体的な試みは、孤独の影がついて回ったクルマ好きたちに、憩いの場所を提供してくれそうだ。
トヨタの本気ぶりに驚き

AREA86&マスタースタッフ
すでにいくつかが始まっていて、この冬からは、サーキット体験やドライビングテクニックの習得を目指すスクールプログラムが始まり、来年初夏から86ワンメイクレースを始めるとしている。トヨタの本気ぶりに正直驚かされる思いだ。もうすっかり発売している気になってしまったくらい何度も紹介してきた86が、ようやく発表になった。48ページからの特集で詳しく取り上げるが、受注はこの手のスポーツカーには異例なくらい好調で、月販目標台数1000台に対して、すでに1万台に達しているという。まずはめでたい滑り出しとなった。
意外なくらい小さなボディ

CD値0.27と圧巻の空力特性をもつ。パゴダルーフと呼ばれるルーフの凹みが空気の流れをコントロール。この角度から見るとAE86のようなハッチバックもいいかもしれないと思ってしまう
意外なくらい小さなボディあらためてプロポーションをじっくり眺めてみると全長×全幅×全高が4240×1775×1300mmとそんなに小さいわけではないが、実際に見た印象は寸法よりもコンパクトに見える。なんといっても水平対向エンジンを搭載したフロントフードの低さとアンテナなしで1285mmという全高の低さがそう感じさせるのだ。例えばフェラーリの599は全高1336mmと86よりも50mm以上大きいからその低さは際立っている。
軽さと低さと前後の重量バランスがしっかり取たFRスポーツ

ダウンシフト時は自動でブリッピングしてくれる新型6ATを搭載。SPORT、SNOWモードのほかパドルシフトをもつ
86のプロフィールについてはほとんどの読者がご存じだと思うが、久々に登場したFRのNAスポーツカーとなる。そしてポイントは2つ。ひとつは富士重工のノウハウが詰まった新開発の水平対向2L直噴エンジンを搭載すること。もうひとつは売れ筋のGTグレードの6MTで、1230kgと4人乗りのスポーツカーとしてはなかなかの軽量化に成功していること(おかげでパワーウエイトレシオはGTグレードの6MTで6.15kg/psとなかなかだ)。比較わけではない。軽さと低さと前後の重量バランスがしっかり取れていてこそのFRスポーツなのだ。
全域トルクフルな新開発のD4-S

圧縮比12.5を達成し、ボア×ストローク86.0×86.0としたスクエアな水平対向エンジンは7400回転まで回る。またショートストロークの6MTもタッチがいい
全域トルクフルな新開発のD4-Sその点、最高出力は200psにとどまるものの水平対向の直噴D4-Sは中低速のトルクがたっぷりとあって、ピーキーさとは無縁。6MTなら2速で渋滞からドリフト走行までできちゃうフレキシブルなところを見せる。ちなみに欧州仕様はGT86というが、0~100km/h加速は6秒ジャストで、最高速は230km/hと発表されている。エンジンは同じ2LのD4-Sで最高出力200ps/7000rpm、最大トルク20.9kgm/6600rpmというスペックは日本の86と変わらず、86も同じ加速性能をもつと思われる。かなり速いっす。しかもGTグレードは6速MT、6速ATともJC08モードで12.4km/Lを記録する。実燃費で10km/L以上というところだろうから、悪くない。ちなみに車重が1120kgと100kg以上軽いマツダのロードスター6MTのJC08モード燃費は11.8km/Lだから、燃費がいいことがわかる。
精一杯の実用性を確保

さすがにリアシートはヘッドクリアランスが足りないが、我慢ならんレベルではない
精一杯の実用性を確保スポーツカーだから実用性は犠牲にするという選択もあるが、86はプラス2レベルとはいえ後席をもつ4人乗りだ。居住性はかつかつだが、CR-Zと比べると86のほうがいい。またクーペだが、トランクスルー機構によって、タイヤ4本を積載できるくらいのスペースはもつ。またスポーツカーであることを感じさせるためにあえて乗り込みにくくしたという乗降性は、サイドシルに手をかけなければ乗れないほどよくないが、サイドシルのインナーにアシストパッドが装備されるなど、細かな気配りもある。4グレードで価格は199万から305万円。エコカー補助金、エコカー減税の対象外だ。