磨き込まかれた走り　スバル　インプレッサWRX STI　S206限定300台

【本記事は2012年1月にベストカーに掲載された記事となります。】バツグンの人気を誇るインプレッサのコンプリートカーシリーズに、セダンベースの限定車「S206」（限定300台）が’11年11月24日に登場した。これまでと同様、WRXSTIをベースに運動性能を向上させ、内外装にも専用のアイテムを採用した、STIコンプリートのなかで最高峰のモデルだ。現行モデルではR205がすでに登場しているが、こちらはハッチバックボディを採用。セダンベースの今回とりあげるモデルは、公道での走りと質感の高さにこだわり、最良のロードゴーイングカーを目指して開発されている。S206は前モデルのS204（先代GDBのF型ベース）と同じく、ありとあらゆる部分に手が入っている。

概要を説明すると、ボディはフレキシブルタワーバー、フレキシブルドロースティフナーなどによる剛性のチューニングとハンドリングの向上。エンジンは内部のバランス取り、専用ターボ＆ECU、サスは専用のビルシュタインダンパーを採用。ブレーキはものブロックのフロント6ポッド、リア4ポッドキャリパー＆18インチドリルドローター装着。そしてBBS19インチホイールとミシュランパイロットスーパースポーツタイヤ。空力を追求したエクステリア、専用のステアリングホイールやシートを採用したインテリア……などなどだ。さらにニュルブルクリンク24時間レースでのクラス優勝を記念し、カーボンルーフや専用ドライカーボン製リアスポイラーなどを追加装備した「NBRCHALLENGE PACKAGE」（最大限定100台）も設定された

走りは「心地よい！！」のひと言。ベースのWRX STIに試乗した時は「これ以上はナシ」と思ったのだが、こいつに乗ってしまうと「これ以上があったのか！！」と感動してしまったのだ。低中速トルクが一段と増し、レスポンス、回転フィールがすばらしい。エンジンのサウンドも上質で、アクセルを踏むのが楽しくなってくる。320ps／44.0kgmのスペックはR205と変わらないが、ドライバビリティ、回した時の質感はS206のほうが高い。ダイレクトかつリニアリティの高いハンドリングもゴキゲンだ。独自の4WDシステムもあり、まさに意のままのハンドリングが味わえる。さらにすばらしく感じたのは、19インチのミシュランタイヤとマッチングされたサスチューンの妙。乗り心地は上質だし、ハードアタックしてもコントロールに余裕がある。プレミアムな走り味だ。この上質さもR205との大きな違いといえる。S206の価格は540万7500円だが、これだけの完成度ならば、ナットクの価格といえるだろう！

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