史上最良のミニバン降臨 アルファｰド&ヴェルファイアハイブリッド！

【本記事は2011年11月にベストカーに掲載された記事となります。】アルファード＆ヴェルファイアにハイブリッドが追加された。旧型アルファードに設定されていたハイブリッドだが、2008年4月に消滅、エスティマハイブリッドがあるものの、居住性のいいアルファード＆ヴェルファイアにも欲しいとの要望がこれまでも強かった。エスティマと比べるとサードシートの居住性が格段にいいため、旧型アルファードオーナーはハイブリッドが欲しくてもエスティマハイブリッドを選びにくかったというのだ。

今回追加されたハイブリッドモデルは基本的にはエスティマハイブリッドと同じ2.4LのハイブリッドシステムTHSIIを採用し、バッテリーはニッケル水素、システム出力は190psと強力だ。そしてリアにも独立して駆動するモーターを持つ電気式4WD、E-Fourを採用することもエスティマハイブリッドと変わらない。ただし、車重が150kgほど重くなるため、10・15モード燃費は20.0km／Lから1.0km／L落ちて19.0km／Lとなる（JC08モードでは18.0km／Lでエスティマハイブリッドは19.0km／L）。それでもベースとなる2.4Lガソリン車のFFモデルが11.6km／Lだから約64％も向上している。ちなみに旧アルファードハイブリッドの10・15モード燃費は17.2km／Lだったが、エンジンの負担が大きくそれほど燃費がよくなかったという不満が聞かれた。しかし、新型はモータ大きくなっているから、エンジンの負担が少なく実用燃費でも14.0～15.0km／Lが期待できそうだ。

■2.4Lガソリンよりも速いこのハイブリッドは燃費がいいだけではない。とにかく速いのだ。0～100km／h加速は11.1秒と駿足。同じハイブリッドのミニバンであるプリウスαが11.5秒、ベースとなる2.4Lガソリン車のFFが11.9秒だから、その速さがわかるだろう。さらに中間加速もいいぞ。40～70km／hという日常よく使う加速タイムは4.3秒と2.4Lガソリン車のFFの5.0秒を上回っている。

エクステリアではアルファードはSR、ヴェルファイアはZRと呼ばれるエアログレードを新たにラインアップ。おとなしかったアルファードの変身ぶりに注目だし、ヴェルファイアはさらに迫力ある顔になった。ガソリン車では8人乗りが選べるが、ハイブリッドは全車7人乗りとなる。気になる価格は395万円から565万円と高め。とはいえ、装備はガソリンモデルの上をゆく豪華さ。まずは世界初となるバイオファブリックシートに注目。これは石油資源を原料としないエコシートで肌触りもやさしくフロントフロアカーペットにも採用する。続いて乗降時に運転席が前後に自動スライドする運転席オートスライドアウェイ。その名のとおり、対向車を感知しライトのハイ／ローを自動切り替えしてくれるオートマチックハイビームは安全面でも有効だ。

エルグランド同様、上から車両を見下ろし全方位の画像を映し出すパノラマミックビューモニター、そして99％のUVカットガラス、水分に包まれたイオンが花粉とカビを抑制するナノイーなど、注目の装備がずらりと並ぶ。これらは同乗する女性やこどもにも優しく、快適性を高めてくれる装備だ。もちろん最上級のZRGエディション565万円とLエディション550万円はこれらの装備に加えて本革シートや最新HDDナビ、2列目エグゼクティブパワーシート、パワーバックドア、ツインムーンルーフが標準装備されるから500万円を超えても説得力がある。『でかくて速くて燃費がよくてしかも豪華』まさに史上最良のミニバンといえるかもしれない。

唯一注文つけるとすれば、エクステリアデザインでガソリン車とエンブレム以外の差別化がないことか。ガソリンデルも魅力アップした。排気量は2.4Lと3.5Lのままでスペックは変わらないが、エクステリアはさらに洗練された。特にアルファードならS、ヴェルファイアならZと呼ばれるエアログレードは華やかさとスポーティさをもち、おすすめはアルファード2.4S、ヴェルファイア2.4Z7人乗り339万円だ。

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