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更新日:2017.12.14 / 掲載日:2017.12.01

レクサス「CT200h」価値ある355万円!

レクサス初のハッチバックモデル

【本記事は2011年2月にベストカーに掲載された記事となります。】レクサス初のハッチバックモデル、CT200hが355万円からというレクサスのラインアップのなかでは最も安い価格で誕生した。(これまで一番安い「レクサス」は395万円からのHS250hだった)。まだまだ高いよという声も聞かれるが、気になる存在だ。

従来のレクサスに比べると間口を広げている

ベースグレード以外、ヤマハ製のパフォーマンスダンパーが前後に装着される

ベースグレード以外、ヤマハ製のパフォーマンスダンパーが前後に装着される

CT200hはレクサスファミリーの末っ子という位置づけで、サイズも全長4320mmと最もコンパクト。ターゲットにレクサス車からのダウンサイジングによる乗り換えはもちろんだが、年収500万円程度の20代、30代そして女性も含めることで従来のレクサスに比べると間口を広げている。販売目標台数も立ち上がり1年目は2400台/月(通期1500台)を目指すなど強気の皮算用がはじかれている。ベースグレードが355万円、売れ筋で装備充実のバージョンCが375万円、豪華装備のバージョンLが430万円、そしてISに続いてラインアップされたFスポーツが405万円の4グレード。軽量化を図ってアルミフード&アルミバックドアを採用、整流効果を生むフロアアンダーカバー、乗り心地とスポーティなハンドリングを両立し、レクサスのモデルとしては初となるパフォーマンスダンパーの採用など、パフォーマンスへのこだわりは、従来の国産ハッチバックの範疇にはおさまらないもの。

プリウスと同じハイブリッドシステム

ハイブリッドはプリウスと同じだが、パワーコントロールユニットの電圧を上げ体感パワーは別ものだ

ハイブリッドはプリウスと同じだが、パワーコントロールユニットの電圧を上げ体感パワーは別ものだ

ハイブリッドシステム自体はプリウスと同じタイプだが、全車ドライブモードセレクトスイッチをもち、ドライブ、ノーマル、エコという3つのモードをもち、スポーツモードは見違えるような加速フィールをみせる。これはCVTの制御ではなく、パワーコントロールユニットの電圧をノーマルやエコモードの500Vから650Vにあげているから。同時にEPS制御やTRC制御もスポーツ走行に振ったものとなっていて、走りのパフォーマンスが2ランクくらい上がったように感じるはず。実際、プリウスと乗り比べると、加速のよさもさることながら、あのゴツゴツした乗り心地が消え、しなやかでダンピングの効いたものになっていて、「ウ~ン、やっぱりレクサスは違う」と思わずつぶやいてしまうはず。それでいて10・15モード燃費はプリウスの38.0km/Lにはおよばないが、32.0km/L(ベースグレードは34.0km/L)と通常の2Lガソリンエンジンモデルと比べると2倍以上の低燃費だ。

欧州のプレミアムコンパクトに追い付き、追い越したか

CT200hは欧州のプレミアムコンパクトに追い付き、追い越したか VERSUS VWゴルフGTI(368万円)、AUDI A3 1.8スポーツバック(365万円)、BMW120i(364万円)

CT200hは欧州のプレミアムコンパクトに追い付き、追い越したか VERSUS VWゴルフGTI(368万円)、AUDI A3 1.8スポーツバック(365万円)、BMW120i(364万円)

ただし居住性やラゲッジに関していうなら高い得点は得られない。例えば室内高は1135mmとかなり窮屈。膝まわりには幾分余裕があるが、充分とはいえない。荷室に関しても9.5インチのゴルフバッグが入る横幅はあるが、2名乗車でVDA960L(プリウスは1120L)にとどまり、割り切っているといえるかもしれない。プレミアムモデルとして特に重要なのは質感と安全性だと思うが、レクサスも丸5年を迎え、質感は“末っ子”といえどもしっかりと感じることができる。例えばドアを閉める時の音、ドアトリムのシボ、ダッシュボードの光沢、コンピュータのマウス感覚で操作できるリモートタッチのコントロールボタンなど特に手に触れるもの、操作するものの質感がいい。レクサスブランドのイメージを変えるかもしれない意欲作がCT200h。欧州のライバルと具体的に比較していこう。CT200hの売れ筋は装備の充実したバージョンC375万円となるだろう。そこで選んだライバルはBMW120i364万円、VWゴルフGTI368万円、アウディA3 1.8スポーツバック365万円の3台。いずれもプレミアムの精鋭モデルばかり。いきなり厳しい戦いが予想される。

デザイン

ライバルのなかで最もまとまりのいいのはアウディA3

ライバルのなかで最もまとまりのいいのはアウディA3

CT200hはプレミアムコンパクト初のハイブリッド車と謳うわりには存在感が薄いと言うか狙いが明確に感じられないデザインだ。これを、プレミアムコンパクトのベンチマークとはいいすぎだが、ひとつの基準としてアウディA3と比べてみると、一番の違いは全体のカタマリ感の強弱だ。A3はスポーティなワゴン的ボディが凝縮した感じで力のこもったカタマリを感じさせるが、CT200hは低く伸びやかなセダン的ボディに後部をハッチバック化しただけで、またそのリアピラーの特徴的な情感がここだけ浮いてしまっているのが残念。いっぽう幾何学的なフロントはけっこう複雑な構成となっているが効果はなく、リアとの違いだけを感じさせてカタマリ感や一体感を損なっているのだ。A3は最近のデザインとはいえず、またシンプルというより素っ気ないようなデザインだが、全体の統一されたカタマリが存在感を支えているのである。A3の完成度を100とすると、リアがマアマアだから69くらいだろうな。(前澤義雄)ベンチマークアウディA3を100とするとCT200hは69

動力性能

動力性能に関していうならゴルフGTIの性能が抜きんでている印象だ

動力性能に関していうならゴルフGTIの性能が抜きんでている印象だ

ヨーロッパで乗るなら、CT200hはまったくアカンです。てんで相手にならん、と言い替えてもよかろう。なんたって3モデルのなかじゃ一番“遅い”アウディA3でさえ最高速220km/h。ゴルフGTIなんか235km/hも出るのだった。ちなみにCT200hの最高速を見たら180km/h。GTIが211馬力エンジンを搭載しているのに対し、CT200hは99馬力なんだから当然か。ヨーロッパだとプレミアム=高性能。厳しいワな。では日本市場だとどうか? CT200hと同等の性能もつプリウスに乗っているけれど、パワー不足を感じたことは一度もない。むしろ追い越し加速や、ここ一発の鋭いピックアップなど「普通のクルマより速いね!」。少なくとも日本での常用速度域ならそうとう満足できる。今回の4モデルでいえば「猛烈に速い」と感じる過給エンジンを搭載するゴルフGTIのみダントツ。120iとA3は、少なくとも私の乗り方だとCT200hとイーブンであります。 ハンドリング&ブレーキ性能はどうか? これまた要求レベルが大幅に異なる。ドイツ勢だと当然ながらオーバー200km/h領域を常用するため、高速域の安心感を追求しなければならない。厳密に評価するとCT200h厳しいです。いっぽう、スピード出さない日本で乗っているかぎり、決定的な差はなし。特にハンドリングなんか17インチの高性能タイヤ履く『Fスポーツ』であればCT200hで充分楽しめるし、絶対的な限界だって高い。乗り心地や静粛性に代表される「大人のプレミアム性能」に関していえば、CT200hもそうとうイケている。ショーワのショックアブソーバーを使っているだけあり(KYBを採用しているFスポーツのみ粗い)、トヨタのFFモデルのなかじゃ圧倒的にしなやか。ショーワのショックアブソーバー、 ロードノイズも少ない。毎日の足として使うのならCT200hを積極的にプッシュしたい。ただゴルフGTIは、独特の味があってワクワクします。(国沢光宏)

質感と装備

CT200hは合計8個のSRSエアバッグを装備、安全性ではリードする

CT200hは合計8個のSRSエアバッグを装備、安全性ではリードする

CT200hはハイブリッド専用車。ライバル車は不在という見方もできるが、上質な5ドアハッチバックでもある。その意味では、アウディA3スポーツバック1.8TFSI、VWゴルフGTI、BMW120iがやはり相手だろう。いずれも360万円前後の価格設定という点でも合致する。CT200hの開発者は、「ライバル車を挙げるならアウディA3」と語った。レクサスはスポーティ感覚と併せて質感を重視するから、少なくとも日本ではアウディのイメージに近い。そこでA3スポーツバックと比べると、内外装の質感は互角の水準に達している。ただし、外観、インパネなどの内装ともに、CT200hはデザインが少々繁雑だ。見る人の好みによるが、もう少しシンプルに仕上げ、A3スポーツバックのように面の美しさで表現したほうがいいと思う。装備はA3スポーツバックの1.8TFSIにはディスチャージヘッドランプが標準装着され、CT200hではLEDヘッドランプがバージョンCに10.5万円でオプション設定、それ以上のグレードでは標準装着される。そしてカーナビはCT200hには標準装着、A3スポーツバックではオプション設定だ。CT200hが走りの質でA3スポーツバックと勝負するなら、グレードはパフォーマンスダンパーを備えたバージョンCが最低ランク。となれば価格は375万円でLEDヘッドランプの10.5万円を加えると合計385.5万円になる。A3の1.8T FSIより20万円ほど高いが、カーナビの価格を加えると、CT200hの方が逆に10万円ほど安い。(渡辺陽一郎)

コストパフォーマンス

先の項目ではCT200hとA3スポーツバックを質感と装備で比べたが、総合的な買い得度になると話は変わる。CT200hはハイブリッド車で、優れた環境性能と2.2Lクラスの動力性能を兼ね備えるからだ。ハイブリッドの価格換算は難しい。そこでまずはCT200hの価格をプリウスGツーリングセレクションと比べる。仮にCT200hと同じ装備をプリウスに加え、トータルケアのコストも含めると約320万円だ。CT200hの標準仕様が355万円だから、レクサスの上乗せぶんは35万円。レクサスGSとクラウンで同様の計算を行なうと約30万円だから、CT200hはプリウスをベースにレクサスの質感上昇分を加算したことになる。機能と価格のバランスでみれば、CT200hはプリウスに準じて安い。ただし、金銭的な損得勘定で捉えると、走行距離が重要になる。プリウスSの実用燃費が約22.0km/Lだから、CT200hは20.0km/Lと仮定しよう。いっぽう、A3は10・15モード燃費の75%として10.7km/L。約2倍の開きがあるが、1年間の走行距離が5000kmなら差額は3万円程度。これなら300万円を超える高価格車でもあり、アウディの質感やブランド、1.8Lターボの動力性能を取る手もあるだろう。ところが1年間に2万kmを走るとすれば、年額で約12万円の開きだ。5年間乗れば約60万円。こうなるとCT200hの優位が際立つ。ハイブリッド車が絡むと、走行距離によって見方が変わる。もちろんエコは損得では語れず、走行距離にかかわらずCT200hを選ぶ判断も正しい。(渡辺陽一郎)

まとめ

歴史の浅いレクサスの初めてのCセグメントハッチバックとしては、健闘といえるかもしれない。改良を重ねていけば、トップの座を狙えるかもしれない。

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グーネットマガジン編集部

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