アウディならではの大人のスポーツクーペ4.2L、V8と4WDによる爽快な走りのRS5

【本記事は2010年12月にベストカーに掲載された記事となります。】アウディを代表するミドルクラスセダン＆ワゴンのA4をベースに、クーペとカブリオレ、スポーツバックといったバリエーションを持つのがA5シリーズだ。このA5クーペをベースに、アウディのスポーツモデルを手がける「クワトロGmbH」が開発したのがRS5。六角形のメッシュグリルに大型フロントスポイラー、275／30R20（オプション／標準は19インチ）という大径タイヤをおさめる大型のブリスターフェンダーを見ただけで、タダモノではないことが容易にわかる。

80年にデビューしたアウディクワトロを思い起こさせる力強いシルエットのRS5。特徴的なフロントマスク同様に、ディフューザーと一体になった大型のエキゾーストパイプを備えるリアも存在感を放つ。可変式のリアスポイラーは、高速時にせり上がって安定性を向上させる。高品質なシルクナッパレザーを使用したインテリアは、エクステリア同様に質感の高さが強く感じられるもの。プレミアムクーペとしての満足度は高い。

心臓部に収まるエンジンは、最近VW、アウディが拡大採用しているダウンサイジング型小排気量の過給ユニットではなく、高回転型の4.2L、V8自然吸気エンジン。450ps／43.8kgmのパワーで、100km／hまでわずか4.6秒で到達する。レブリミットの8500回転までストレスなく吹けあがるこの直噴DOHCユニットは、12.3：1という高圧縮比により効率も高い。また、低負荷時にオルタネーターで発電した電力をバッテリーに蓄積する「エネルギー回生」システムの採用で、環境性能を高めている。

新世代のクワトロ（フルタイム4WD）システムの採用により、操縦性は大きく向上している。前後輪の可変トルク配分に加え、リアのスポーツデフにより左右のトルク配分も制御。このパッケージングにより、都内から高速、峠道などの試乗コースでは、路面を選ばず安定して速く走ることが可能だった。また快適性も高く、長時間の移動でも、疲れにくいのもうれしいところだ。

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